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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第二章 後輩、同級生、先輩。(小学二年生)
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レッツミュージック!

 楽しかったキャンプが終わり、夏休みも半分を過ぎた頃。

 今日は家族でショッピングモールへとやってきました。

 沢山の人たちで賑わう休日のショッピングモールを、逸れないように手を繋いで歩いていく。


「お姉ちゃん、楽しみだね!」

「そうだね!」


 今日の目的は、以前発覚したメグちゃんが音痴だったという事実に対抗するための楽器を買いに行くことです。

 とは言っても前世では音楽に触れることがあまり無かったので、初めてのことに私もワクワクが隠し切れません。


 そしてやってきました楽器屋さん。

 違いが分からないギターが一杯壁に掛けてあったり、大きな本棚に沢山の楽譜が売られていたりと、見たことの無い光景に胸が躍ります。


「ピアノってどれくらいするんだろう?」


 私たち家族全員が素人なので、ここは店員のお姉さんに聞くことにします。

 というわけでメグちゃんゴー!


「すみません! ピアノが欲しいです!」


 握った両手を胸の前に持ってきて上目遣い、可愛さ満点上げちゃう!

 こりゃ店員さんも優しく教えてくれるね!

 という打算を込めた作戦は功を奏して、私たちは店員さんに教わりながらピアノを見ていくことに。

 そこで知った事実は。


「た、高い……」


 電気で動くらしい電子ピアノという、コンパクトなピアノが何台か飾られているのですが、これが簡単には手を出せない値段です。

 安いもので十万円。

 特にピアノを習っているわけでもなく、これから続けるかも分からない状態ではさすがに手が出せません。


「お、お姉さん。他にはありませんか?」


 値段に腰が引けている私がそう店員さんに尋ねると、また違うスペースへと案内されました。

 先ほどの電子ピアノよりもコンパクトで、身体が大きくなれば持ち運びも出来そうなものが沢山並んでいます。


「キーボード、うん聞いたことがある気がする」

「知ってるのお姉ちゃん?」

「さっぱり。でもほら見て」


 私が指差した白いキーボードは、どうやら少し値引きされていて二万円ほどでした。

 まだ高いなぁと思いますが、先ほどの電子ピアノに比べれば手の出せる範囲かな? と考えていると、メグちゃんがその白いキーボードへと向かって行くのが目に入りました。


「すみません! どうやってやるんですか?」


 案内してくれた店員さんにメグちゃんが質問すると、どうやら既に弾ける状態だそうで。

 戻ってきたメグちゃんに腕を引かれて、弾けもしないキーボードを二人で触ってみます。


「お、鳴った」

「おもしろーい!」

「意外としっかりしてるんだなぁ、よく聞くメーカーさんだし」

「お姉ちゃん! 何か弾いて!」

「いや、お姉ちゃんやったことないからね。流石の私もこれは分かんないかなぁ」

「そっかー……」


 しょんぼりとするメグちゃんに見かねたのか、横で見守ってくれていた店員さんが代わりに弾いてくれました。

 これは確か、そう。ねこふんじゃったという曲です。

 以前音楽の授業のときに、愛ちゃんが弾いていました。

 お母さんに教えてもらったとのことなので、私も教わりに行こうかな。


「すごい! 店員さんかっこいい!」

「ありがとうございます。ほら、メグちゃんもお礼」

「ありがとう!」


 無事に弾き終えて、嬉しそうに照れている店員さんにお父さんが購入したい旨を伝えます。

 どうやらまたお父さんのお小遣いで買ってくれるそうなので、今日は一杯お父さんに甘えてあげないとね!


「ありがとうお父さん!」

「ありがとう。何か弾けるようになったら聴かせてあげるね。お父さん」


 両側から抱きつかれたお父さんは目に見えてデレデレしていました。

 私たちを抱っこしようとするのはいいのですが、店内では迷惑なのでやめてください。

 あ、後で抱っこしてもらうから落ち込まないでお父さん!




「というわけで愛ちゃん。愛ちゃんのお母さんに教えてもらえたりするかな?」

「うん、大丈夫だよ。お母さん上手いから、千佳ちゃんなら直ぐに弾けるようになるよ!」

「ありがと、それじゃあ今日愛ちゃんの家に行ってもいい?」

「うん!」


「うちも! うちもやりたい!」

「うん! お母さんも喜ぶよ」

「やったー!」

「むむ、湖月ちゃんには負けないからね」

「へっへーん、いつもとは違って千佳ちゃんも初めてのやつやからな~。絶対うちの方が上手くなったるわ!」


「……湖月ちゃん、ピアノ持ってるの?」

「……あ」

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