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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第二章 後輩、同級生、先輩。(小学二年生)
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千佳の優雅な一日

 カーテンの隙間から差し込む光が私を微睡みから呼び戻す。

 再びやってくる睡魔に抗うようにベッドの中で身動いでいると、いつもは腕に感じる重さと暖かさが無く、隣りで寝ているはずのメグちゃんがいないことに気付きます。


「んん、メグちゃん?……あ」


 そういえば昨日メグちゃんが言ってたなぁ、今日は桃ちゃんと花ちゃんと一緒に朝から遊びに行くって。

 休日だからメグちゃんも私を起こさないようにしてくれたんだろう。

 お姉ちゃん、気配りの出来る妹を持って幸せです。


「むー……」


 私はベッドの中で一考します。

 それは休日を過ごす人が一番最初に出会う、とっても重要な問題。


「起きる? いや、まだ九時だ。もう一回寝るというのも捨てがたい」


 起床か、二度寝かの二択。

 私は掛け布団を頭まで被って考えます。

 考えます。

 かんがえ……。

 かん……。


「すぴー、すぴー」




 あれから一時間後。

 お母さんに起こされた私は名残惜しみつつもベッドが這い出て、遅めの朝食をとっています。

 メニューはお母さんシェフのホットケーキで、メイプルを多めにかけて食べます。

 うん、美味しい。


「今日は何しようかなぁ?」


 メグちゃんたちは外で遊び、湖月ちゃんと愛ちゃんは家族と共に過ごすらしい。

 莉里ちゃんは新しく借りた本を読むのに忙しいと聞いているので、いつも誰かと一緒にいる私にとっては珍しく、一人きりの休日です。

 まぁお父さんとお母さんはいますが。


「んー、お父さん。ゲームでもやる?」


 娘からのお誘いに笑顔で快諾したお父さんと共に、テレビゲームで遊ぶ。

 最初は二人で協力して遊べるゲームをしていたけど、途中からは対戦ゲームに切り替えて本気の戦いを繰り広げた。

 因みに勝者は、途中から参加したお母さんでした。

 母は強し。


 そして昼食。

 朝食を食べてからあまり時間が経っていないので、少し少なめにしてもらったうどんを食べます。

 やっぱりうどんは暖かいものに限るね!

 時期は七月入ってすぐですが、私の希望によりうどんは暖かいものにしてもらっています。

 熱々がいいんですよ、熱々が!


「さて、昼からは何をするか」


 午前中はゲームで過ごしましたが、午後からもゲームをするのは何だか勿体無い気がします。

 とは言っても、いざ一人でやれることを考えると何も思い浮かびません。


「皆といるのが、当たり前になってるんだなぁ」


 メグちゃんはいつも私に甘えてくれるし、花ちゃんはいつでもねぇねと呼んでくれる。

 愛ちゃんはいつも私と同じ位置で一緒に笑ってくれて、湖月ちゃんはどんなときでも私を笑わせてくれる。

 莉里ちゃんは無口だけど表情豊かで、桃ちゃんは真面目さんだけど何処かツンデレ。

 こう考えると、私は皆に囲まれて本当に幸せだなぁ。


 皆のことを考えると、たった一日のことなのに寂しくなってしまいました。

 寂しさを紛らわせるように、お父さんの膝へと飛び乗ります。

 前世のことを考えるとこういった行動は恥ずかしく感じるのですが、あまり親に甘えられなかった前世と、今の肉体年齢に精神年齢が引っ張られているようなので、本能に従って素直に甘えることにします。


「お父さん、お母さん。お昼から何して遊ぶ?」


 それからお父さんとお母さんの間に座って、ゲームやお話しをして過ごしました。

 偶にはこういった日があってもいいのかもしれないなと思えるような、楽しい時間でした。

 ……それでも、この中にメグちゃんがいないことが寂しいです。


「ただいまー!」


 夕方になってメグちゃんが帰ってきました。

 私は待ってましたとばかりにリビングを飛び出し、玄関で座って靴を脱いでいるメグちゃんに背後から抱きつきます。


「おかえり!」


 これが私の、寂しがり屋なお姉ちゃんの休日でした。

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