表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第二章 後輩、同級生、先輩。(小学二年生)
34/195

さよなら湖月ちゃんの……

 ある日の公園で、私は地面に膝を着いていた。

 別に誰かに決闘で負けたわけでもないし、我らが天使たちに嫌われたとかでもない。

 このダメージを喰らわせたのは私の前に立っている、関西弁少女の湖月ちゃんである。

 彼女が待ち合わせ場所の公園に来たときに発した言葉がこれである。


「えへへ。髪切ったんやけど、どない?」

「なっ……!?」

「わぁ、湖月ちゃんはショートでも可愛いんだね!」


 褒める愛ちゃんに照れる湖月ちゃん。

 大変眼福な光景ですが、今の私はそれどころではなくなっていた。

 何故なら。


「せ、セミロングぅぅぅ……」

「ちょ!? なんで千佳ちゃん泣いとるん!?」

「千佳ちゃん!? 何かあったの?」

「湖月ちゃんがぁ」

「湖月ちゃん! 千佳ちゃんに何したの!?」

「え、うちなん!?」


 それからややあって、ショックから立ち直った私と二人は公園のベンチに座って休憩中。

 そして私は泣いた原因を二人へ伝えるのだった。


「ごめんね、湖月ちゃんの髪型好きだったからさ」

「ほんまか~それやったら切らん方がよかったかな~?」

「ううん、ショートの湖月ちゃんも可愛いよ」

「やたっ! 千佳ちゃんに褒められるのは格別やでっ!」


「あいもちょっと切ってもらおうかなぁ?」

「駄目!」

「そ、即答やなぁ」

「愛ちゃんの髪は私が守る!」

「あい自身も、守って欲しいなぁ……」


 髪を褒めてもらって嬉しいのか、湖月ちゃんは座っていたベンチから立ってその場で回りだす。

 あぁ、以前はこうやって湖月ちゃんがはしゃぐと長い髪が泳ぐように舞っていたのに……。

 いや駄目だ、私の我がままで湖月ちゃんを困らせてはいけない!


「これからは伸ばじてくだじゃいお願いじまず!!」

「お、おお、そんなに言うんやったら伸ばすで? 特に拘り無いし」

「あいは? あいも伸ばした方がいい?」

「ううん、愛ちゃんは今の髪型が可愛くてピッタリだから! このままで! このままでいてくださいお願いしますッ!!」

「か、可愛い? てへへ、嬉しいなぁ……」


 湖月ちゃんのイメチェン事件、私の涙を持って閉幕。

 周りで遊んでいた子供たちは私たち、いや私の姿を見て遠くへと離れていったのであった……。


 そうして一段落ついた後、私は自分のやるべきことを思い出した。


「あ、そうだ二人とも。明日の休日は予定ある?」

「なんかあるん?」

「明日はお母さんとメグちゃん、あと花ちゃんと花ちゃんママはお買い物に行ってるんだ。だからお父さんと映画を観に行くんだけど、お友達を呼んでもいいよって言われてるの」

「ごめんね、あいは家族でお出掛けだから行けないよ……」

「いや、いいよいいよ。愛ちゃんにも予定があるからね!」


「せやったらうち行ってもええか? 明日はママ仕事やねん」

「勿論! 湖月ちゃんママの仕事は朝からかな?」

「うん。朝の十時から夕方までやねん」

「そっか。それじゃあお昼前に私の家に来て、お昼食べてから観に行こっか?」

「わかったで!」


 お父さんの懐が寂しくなるけどお仕事で忙しい湖月ちゃんママと、お仕事の邪魔をしないようにと寂しさを考えれば安いものだよね!


 ――そうして次の日、湖月ちゃんが家へとやってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ