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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第一章 転生して、女の子になりました。(小学一年生)
2/195

(旧)第1~2話 私のプロローグ~さよなら前世

注意!!

ここから「173ページ」まではリメイク前の分です。

筆者としては今後更新していく175ページ「第2話 転生少女と2人の天使」からお読みいただけると幸いです。

※174ページの「第1話 私のプロローグ」は前話と同じ内容になります。


前話の続き→https://ncode.syosetu.com/n5105dt/175/


執筆初心者だった時の私が書いた「TSカリスマライフ」の物語を楽しみたい方はこの話からどうぞ!

第1話 私のプロローグ


「お姉ちゃんおはよ!」


「ねぇね、おはよー!」


 朝から元気だね。おはよう。


千佳(ちか)ちゃんおはよう!」


 うん、おはよう。


「お、おはようございます、諸弓(もろゆみ)さん」


 おはよう、今日もいい天気だね。


「そ、そうですね! えへへ」


 嬉しそうで何よりだよ。

 でも、何が嬉しいんだろ?


「千佳ちゃん今日も頑張ろな~」


「千佳ちゃん、九重(ここのえ)先生が呼んでるよ!」


 ほいほい、頑張ろうね。

 ありがとう、ちょっと先生の所に行ってくるね。




 諸弓(もろゆみ)千佳(ちか)。それが私の今生の名前。

 少し高目の鼻に切れ長な瞳、極めつけに長く伸びた真っ白な髪を持つ自他共に認める美少女な私は、日本とドイツ、そしてロシアとアメリカの血を持つクォーターであった。

 ……よくそれだけの血が集まったものです。


 そして自分で言うのもなんだけど、容姿端麗で文武両道。

 学校中の生徒が愛し、羨み、敬うカリスマ溢れる女の子。


 ……でも、ほんの少しだけ。

 ほんの少しだけ何処か抜けてる女の子。


 そんな私は。


 ――実を言うと転生者だったりします。




 前世は冴えない男子高校生。

 ただ誇ることもない、普通の男子高校生。

 そして今世は才気溢れる美少女として生まれた。

 

 神様の気まぐれによって(もたら)された、圧倒的なカリスマを持つ女の子。

 そこで私は決めました。


 ――次こそは、やりたいことをやりたいと言おう。


 ――次こそは、人の中心に立って誰からも好かれる人になろう。


 ――次こそは。


 ――誰にも縛られず、好きに生きることにする。




 あと、女の子たちに一杯囲まれて皆とラブラブな人生を作り上げるのだ!

 こっちが真の目標だ!

 男はいらぬ!




 そんな私、諸弓千佳のハートフルでラブラブコメディな人生を、どうぞお楽しみください!






第2話 さよなら前世


 前世で私は普通の男子高校生をしていました。

 容姿は普通、学力は中の下、運動神経もまずまずで、クラスでは大体読書をしているぼっち。

 家族仲は悪い。


 酒癖の悪い父親に、仕事漬けで家に帰ってこない母親。

 これがネグレクトか。そうぼんやりと思っていながら、憂鬱に家へと帰る日々。

 唯一の味方であった兄も、大学の入学と同時に逃げてしまいました。


 学校ではいじめの標的にされ、何処にも安心出来る居場所はありません。

 クラスで一度だけ話しかけてくれた女の子に片思いを抱いて、当然伝える事もなく終わるのだろうと思って生きていました。


 まさか終わるのが、人生そのものだとは思っていませんでしたが。




 ある日の帰り道、片思いを抱いている女の子が前を歩いていることに気付きました。

 いつも誰かといる彼女が俯きながら一人で歩いていることが気になって、不審がられない位に様子を伺うことに。

 だからこそ、彼女の前から走ってくる妙な男に気付くことが出来たのでしょう。

 男の手に光る金属のようなものが見えた瞬間、ただ無我夢中で走っていました。


 そしてこれが私が"俺"であった最後の記憶。

 最後に見たのは彼女が私を呆然と見ている姿。

 不思議と痛みを感じませんでした。

 だけれど、その代わりに心を覆い尽くしたのは。

 好きな女の子を助けられたという、ただ自己満足の達成感と。


 暗く染まっていく視界への疑い知れぬ安心感でした。






「――起きなさい」


 夢、だったのだろうか。

 また目を覚ませば下らない朝が訪れて、ただひたすらに耐えるだけの一日が始まるのではないか。

 それならいっそ、このまま眠ったままでいたい。


「いや、ある意味もう眠ったままなんだけど」


 聞き覚えが無い声が頭に響く。

 先程まで重く、動かなかった身体が軽く感じる。

 これが夢か。

 すごいな夢。

 やるじゃないか夢。


「いいから起きなさい!」

「いってぇ!!」


 頭をパチンと叩かれた俺が目を開けると、目の前には真っ白な人のシルエットが浮いていた。

 周りは真っ暗な空間、前には人の形をした白い何か。

 遂に頭がおかしくなったのか?


「はいそこまで。話が進まないじゃない全く」


 どうやら話しかけてきているのは、この白い何からしい。


「白い何かって、あなた神様に向かってそれはないんじゃない?」

「神様? あんたが?」

「ええ、人間界を観察し調節し、時には手助けをする、皆が拝む神様よ!」


 ……嘘くさいな。


「嘘ちゃうわい! 全く、この子は人を信用しないんだから」

「信用とは無縁の生活でしたからね。あと思考を読まないでください」

「思考を読んでるって分かってる時点で神様って認めて欲しいところだけど」

「仮にもあんたが神様だったとしても、俺にとってはどうでもいいですからね」

「ほえ?」

「俺は神様なんてもの、信じてませんから」


 神頼みはもうやめた。

 どれだけ大変な状況でも、神様の助けなんてなかったのだから。


「あなたには、転生してほしいの」


 あれから何時間話しただろうか。

 数え切れないだけの長い時間この神様と話していたのだ、もうこれが夢じゃないってことも分かってる。


 それにこれまでの説明も受けた。

 やはり俺はナイフに刺されて死んだらしい。

 神様が三途の川へ向かおうとしていた俺の魂を捕まえてこの場に連れてきたと。


「転生って?」

「言葉通りよ、あなたにはまた同じ世界で生まれてほしいの」


 ……やっと開放されたんだ、もう休ませてくれよ。

 ずっとしんどかった日常が終わりを告げたんだ、またあの日常に帰るなんて選択肢、俺は取るつもりはない。


「ごめん、言葉が足りなかったね。私はあなたの人生を見ていた。辛かった。だから、ね。次こそはちゃんとした、満足できる人生を送ってほしいの」

「無理ですよ。俺はどうせ変われません」

「ううん、あなたが本当に優しい人だって知ってるから。あ! それにそのまま転生なんてさせないよ!」


「……え?」

「次の人生が最高のものになるように、私が条件をしっかり見定めておくから!」

「いや、どういうことです?」

「だーかーらー! 次の人生は君が頑張らなくても、楽しくて嬉しくて最高な人生になるように私が頑張るってこと!」

「……どうしてそこまで」

「償いよ。あなたは私に何万回も祈ってくれたのに、それに応えられなかった私の償い。だからお願い。絶対にあなたを苦しめたりしないから」


 だからいないって思ってたんだよ、神様なんて。

 でもこれだけ俺のことを考えてくれる神様なら、後一回だけ。

 信じてもいいのかもしれない。


「分かりました! 分かりましたから! どうせこれ以上話しても平行線上ですし、転生しますよ」

「やった! それじゃあ早速いってみよう!」

「えっ!? もう?」

「うん」

「まだ心の準備が」

「いってみよー!」


 いつの間にか目の前まで来ていた神様に頭を一撫でされ、俺の意識は再び暗転する。

 次に目が覚めるときは、一体どんな景色が見えるのだろうか。

 今度こそは、愛されたいな。

 そんなことを思いながら、俺は最後に口を開いた。


「――ありがとう、神様」


 こうして俺は、私になって。

 私は新しい人生を歩き始めるのでした。






「全く、世話が焼けるなぁ。……次会うときは、あなたの笑顔を見れたらいいな」


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