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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第五章 ライバルとアイドル(小学四年生編)
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クラブに入ろう!

 さてさて皆様、小学四年生になった諸弓千佳です。

 四年生と言えば小学校の中でも折り返し地点で、下級生から上級生へと上がる一つの階段でもあります。


「というわけで、上級生になった皆さんにはクラブに入っていただきます。今日は体育館でクラブの説明会を行いますので、皆さん移動してくださいね」

「はーい」


 クラス替えの無いこの学園では担任も変わることが無いので、今年も柚梨ちゃんにお世話になります。

 柚梨ちゃんの号令に、皆で席を立って廊下へと並び始めました。

 小学校、中学校ではこうして列を組んで移動するのが多いようですね。


「祐里香ちゃんはどんなクラブ入るん~?」


 廊下で並んでいる祐里香ちゃんに抱き着くように、湖月ちゃんが話しかけました。

 転校してから数日経って、湖月ちゃんの扱いにも慣れたらしい祐里香ちゃんは呆れた目を向けます。


「私来たばかりでどんなクラブがあるか分からないんだけど」

「そうだよ湖月ちゃん。私たちもよく知らないから、説明会があるんだよ?」


 愛ちゃんはクスクスと笑いながら祐里香ちゃんのフォローをしています。

 むむ、転校生だから手助けをしてあげてるんだろうけど、少し焼き餅を焼いてしまいますね!


「祐里香ちゃん! この学園では色んなクラブがあるよ!」

「そ、そう」

「あかんで千佳ちゃん! そのままやと主人公から突然出てきて説明だけするモブになってまうで!」

「ハッ!?」

「……ねぇ愛さん。この二人は何を言ってるの?」

「気にしちゃ駄目だよ。あ、体育館に出発するみたいだよ。ほら千佳ちゃん。こんな所で四つん這いになってないで行くよ」


 うぅ……構ってもらいたくて、思わず説明役に回ってしまいました……。

 こんなことでメゲちゃ駄目よ千佳! 広い心で祐里香ちゃんに接するんだよ!


「よしっ、行こうか皆!……ってあれ!?」

「千佳ちゃん。皆行ってもうたで」

「なんだか皆が冷たいよー!?」


 ファンクラブの皆も私に冷たくなってきてない!?

 ポンポンと肩を叩いてくれる湖月ちゃんの優しさに心の中で涙しつつも、体育館へと歩き出しました。


 ――そう。この時私は知らなかったのです。

 ファンクラブが極秘裏に、ある重大な計画を進めていたことを……。




 少し遅れてやってきた体育館では、沢山のクラブが紹介されました。

 どのクラブも体育館のステージで実演したり、発表したりして興味が湧きます。


「それで、千佳は何処に入るの?」


 体育館で先生の指示を待つ間、祐里香ちゃんが話しかけてきました。


「うーん……クラブ活動は授業の範囲で行われるから絶対入らなきゃいけないんだけど、どれにしようかな?」

「それなら、このクラブにしない? よかったらでいいんだけど」


 そう言って祐里香ちゃんは配布されたクラブ一覧表に指を差しました。

 なになに?


「演劇クラブ……?」

「えぇ。ほら、私子役の仕事をしているから。千佳も一緒にやらない?」

「うーん、どうしようかな」


 演劇かぁ。他のも気になるけど、湖月ちゃんと愛ちゃんはどうするんだろう?


「うちは将棋クラブに入るで! 最近読んだ漫画が将棋ものやから、気になっとったんや~」

「愛は合唱クラブに入ろうかな? 顧問の先生にピアノ伴奏してくれませんかって誘われてるの」

「そっか。うーん、それじゃあ私は祐里香ちゃんと一緒に演劇クラブに入ろうかな」


 どうやら湖月ちゃんも愛ちゃんもやりたいことがあるみたいです。

 ずっと引っ付いていてくれた二人が自分のやりたいことを見付けたのは嬉しいのですが、やっぱりちょっとだけ寂しいですね。


「ありがとう千佳。それじゃあ勝負よ!」

「……へ?」


 あれ? そんな勝負とかするクラブに入りました?


「演劇には主役が必要よ。どっちが主役になれるか勝負よ!」

「あ、そういう。いやー現役の祐里香ちゃんには勝てないよ」

「何を言っているのかしら? この学園の全女子生徒が入っているファンクラブがあるのよ? 私の敵足りうるわ!」

「て、敵って……」


 どうして祐里香ちゃんと敵対しているの!?


「ともかく勝負よ千佳! 私のプライドの為に!」

「え、あ、うん」

「絶対負けないわ。私のプライドの為に!」

「プライド押しすぎじゃない!?」


 そうして私と祐里香ちゃんは演劇クラブへと入ることになりました。

 私たちの話を聞いていた女子殆どが演劇クラブを志望したそうですが、多すぎる人数に抽選となったのは言うまでも無い話です。

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