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TSカリスマライフ! 「女の子大好きな転生少女が送る、百合ハーレムな日常コメディ」  作者: 恒石涼平
(旧)第三章 千佳ちゃんファンクラブ、襲来。(小学三年生)
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一年生たちと遊ぼう!~訪れるラスボス~

「ただいまー。あ、桃ちゃんいらっしゃい」

「こんにちは千佳先輩。お邪魔しています」

「お姉ちゃんおかえり! 一緒にゲームする?」

「おかえりー! ねぇねもやろ!」

「おしおし、荷物だけ置いてくるからちょっと待っててね」


 今日は八月十日、私は学校にて柚梨ちゃんとの用事を済ませてから、お昼前に家に戻ってきました。

 すると遊びに来ていた桃ちゃんが妹二人と遊んでいるではありませんか。

 これは混ざるしかありません、妹に囲まれてゲームなんて夏休み最高の一日になるかもしれない!


 あ、花ちゃんや花ちゃんママは大体私の家に居るので、殆ど家族同然です。

 今日もダイニングでお母さんと花ちゃんママは談笑しており、よく花ちゃんパパですら私の家に帰ってくることがあります。

 多分花ちゃんママが連絡してるからだと思うんですが、ここまでくると花ちゃん一家用の押入れが作られているのも納得です。

 家族同士の仲が良くて大変嬉しいですね、花ちゃんとも沢山一緒にいられるので!


 外を歩いてかいた汗をタオルで拭き取って、制服から生地の薄いワンピースへと着替えます。

 冷房はついていて少し寒いですが、ゲームで白熱するので大丈夫でしょう。

 リビングに戻ると、妹たちはナンテンドーのレースゲーム『ナンテカート』をプレイしています。


「よーし、それじゃあ私も参加していいかな?」

「勿論だよお姉ちゃん!」

「ねぇねはここに座って!」

「あ、花ずるいですよ! ここはゲームの勝敗ごとに交代にしましょう」


 流れるように私がソファの真ん中に座らされ、両脇にメグちゃんと花ちゃんが。

 どうやらゲームで勝った人が私の隣に座れるみたいです。

 止めて! 私の為に争わないで!

 いや、ゲームだから別にいいや。


「それじゃあお姉ちゃん4Pね!」

「おっけー」

「ねぇねコントローラーどうぞー!」

「ありがとう花ちゃん」


 コントローラーを受け取り、まずはキャラクター選択です。

 このゲームではキャラクターによって乗るカートが変わったり、使える必殺アイテムが変わるので慎重に選ばなければなりません。


「花この子もーらい!」

「あ! 花ちゃんに取られた~」

「では私はこれとこれで」

「おお、桃ちゃんはテクニック重視なキャラクター選んだね」

「自慢ではないですが、姉さんとよくやっていてそれなりに強いと自負していますので」


 こやつ、本気で勝ちに来ておる!?

 私は妹たちの取りたいキャラクターを取らないように、迷っている振りをしながら皆が選び終わるのを待っています。


「よし、私はこれにする!」

「後はねぇねだけだよー?」

「あっごめんね。それじゃあこの亀の子と、赤ちゃんでいこう」


 心遣いを見せないのが、お姉ちゃんとしての腕の見せ所です。

 いや、見せないんだけど。


「では、どのコースにします?」

「それじゃあ桃ちゃんから座ってる順に決めていこうか」

「分かりました。それじゃあ私はオーソドックスな所にします」


 ガチ勢らしい桃ちゃんは、ナンテンドーがメインに据えているナリオというキャラクターがモチーフとなったコースを選びました。

 ふっふっふ、見せてあげようじゃないか。

 お姉ちゃんの力を!




「――ふふっ、私の勝ちですね」

「むぅー! もう少しで抜けたのにー!」

「お姉ちゃん、大丈夫?」

「ぷしゅー……。私の、お姉ちゃんの……力がぁ……」


 四つのコースを巡って、最終順位は七位。

 プレイヤー中最下位に加え、そしてそこまで強くないはずのコンピューターキャラクターにさえ負けている始末。

 もっと、上手かった気がしたんだけどなぁ……。


「むぅ、もう一戦しよー!」

「そうだそうだ! 次こそは皆に負けないんだからね!!」


 花ちゃんの諦めない姿勢に、私もソファに預けていた身体を起こして復活します。

 お姉ちゃんとしての、プライドを取り戻さなければ!


「いいですよ、まぁもう一度やっても結果は同じです!」

「桃ちゃんが燃えてる!? お姉ちゃんも花ちゃんも、すごいやる気だよ!?」


 不敵に笑みを零し、私たちを挑発するように余裕を見せる桃ちゃん。

 そして実は二位のメグちゃんは私たちのやる気に圧されています。


「さぁいざ」

「勝負だー!」


 私と花ちゃんの叫びで、この勝負の火蓋が切られ……。


「あら、私も参加していいかな?」

「じゃあお母さん私と代わろ!」

「ありがとうね恵。さぁお母さんの力見せてあげるわ!」

「あっ……」


 私のお母さんがメグちゃんと選手交代したことで、この勝負の結果はもう分かってしまいました。

 だって。




「お母さんさっすが!」

「うふふ、まだまだ若い子たちには負けないわよ」


 お母さんは機会音痴な癖に、滅茶苦茶ゲームが強いんだもん。

 リビングには胸を揺らし……胸を張りながらドヤ顔を見せるお母さんと喜ぶメグちゃん。

 あははと渇いた笑いを零す、惨状の一部始終を見ていた花ちゃんママ。

 そして燃え尽きたようにソファに沈み込む私とテーブルにダラリとうつ伏せる花ちゃん、そして口をあんぐりと開けて固まっている桃ちゃんがいました。

 あぁ、お母さんや。お茶目すぎますぞ……。


「お、お義母様! 弟子にしてください!」


 一早く復活した桃ちゃんが弟子入りを志願している中、私は天井を見上げて目を瞑るのでした。

 ……なんか、桃ちゃんのおかあさまが変な漢字、いや感じだった気がする。

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