表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あたし、スライム! 初めての恋をしました。  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/104

酔い止め対策も大事だよね

「ああ、もちろん。ただまだもう少し歩くし、この先はさらに酒精が濃いよ」


「これ以上!?」



リーナさんが絶望したみたいな声を出した。気持ちはめっちゃ分かる。だって今でさえ、耐えがたい匂いだよ? なんかもうお酒の壺の中にいるみたいだもん。



「うん、奥に酒が湧き出る泉があってね、そこが目的地だから」


「……」


「酒が湧き出る泉! さすが精霊の森だな、アルマの師匠がわざわざ来る筈だ!」



絶句するリーナさんとは対照的に、コーチは爆笑している。そうだねぇ、確かにコーチは嬉しいかもね。人の町にいるときは、コーチはよくお酒をたっぷり飲んで帰ってきてたもんね。



「あんまり笑い事でもないんだけどね。ここの精霊は酔精っていうだけあってお酒が大好きでさ、その泉の周りに集中してるんだけど、みんな酔っ払いだから面倒くさいんだよね」


「一緒に楽しく飲めばいーじゃねえか!」


「うん、トマはなんか酔精と仲良くなれそうな気がするよ。ジョットも気に入られそうかな」


「だろーな!」


「僕とリーナは被害に遭うだけな気がするし、とりあえずその状態異常だけでもなんとかしないとヤバそうだね」



胸を張って大笑するコーチの後ろでアルマさんは考え深げに呟いて、自分の荷物をごそごそとあさりだした。



「リーナも結構限界だよね」


「限界~。行くって言い張ってごめんなさい……」



可哀想に、ここに来るって言い張ったことすら反省するくらい、体調が悪いらしい。ひとつため息をついたアルマさんは、なんだか難しい呪文を一心に唱えている。


それとともに薄い青の光がリーナさんをつつんで、優しい光を放った。



「あ、すごい……楽になった」



リーナさんの顔から急激に赤みが引いて、いつも通りのすっきりした表情に戻る。トロンとしていた目も濁りのない綺麗な目になって、背筋もしゃんと伸びた。


すごい、一瞬でこんなに効果がでるなんて、魔法ってスゴイのね。



「良かったら、これ飲んで。できればトマとジョットも飲んでおいた方がいい」


「なんだ、これ」


「う……! すごい匂い」



アルマさんが取り出したのは、嫌な色をした粉薬。この濃ゆ~いお酒の匂いを超える、強烈な匂いを放ってるからだろう、リーナさんもコーチも、思いっきり嫌な顔をしている。



「強力な酔い止め。ちなみに僕はかなり酒に弱いんだけど、コレを飲んでるから今は無事でいられる」


「リーナ、飲んどけよ。オレは要らねえ」


「う……でも、すごい匂いよ?」


「そうなんだよね。効果は高いんだけど、匂いがすごすぎてよほどの覚悟がないと飲み込めないんだ」



なるほど。だから最初からは勧めなかったのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ