表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/104

ジャンプ!ジャンプ!で感情表現

気がついたら嬉しさのあまり大ジャンプをかましていた。ちょっとはしたないかも知れないけど、でもそれくらい本気で美味しい!


夢中で食べ進め、あっという間に串がぴかぴかになるくらい綺麗に食べてしまった。もちろん串は無傷だよ、だって大切な物かも知れないもの。



「良かった、気に入ったみたいだね。美味しかった?」



尋ねられて、思わず何度もジャンプした。だって本当に美味しかったんだもの、この心の叫びを何とかして伝えたい。なのに、なぜか魔術師さんは怪訝な顔であたしをじっと凝視する。


あれ?

あたし、なんか変な事した?


顎に手を当て、少し思案した後、魔術師さんはおもむろにあたしに尋ねる。



「……もしかして、返事してくれてる?」



う、うん。

そうだけど、なんか動いた方がいい?


とりあえず、もう一回跳ねてみた。



「うわ、すっげえ!もしかして意思疎通できるんじゃね?」


「可愛い!」


「すごい」



魔術師さんのお仲間さん達が一斉に沸き立ち、キラキラしたお目々であたしを見つめる。そんなに見つめられるとなんだか恥ずかしいんだけど。



「なあなあ、俺の言葉、分かるか?」



剣士が鼻息荒く自分を指差す。……とりあえず、ひと跳ねしてみた。



「いよっしゃー!!通じてる!」



夜空に向かって雄叫びと共にガッツポーズする剣士。そ、そんなに嬉しいもんなのかな。でも、そんな剣士のガッツポーズは、武闘家さんの一言で面白いくらいピキッと固まってしまった。



「待て、ただ跳ねてるだけかも」



確かに、という顔で互いに顔を見合わせる人間達。そして、その視線の先はなぜか最終的に魔術師さんに集まっていった。



「よし、じゃあ確かめよう」



魔術師さんは事も無げにそう言って、しっかりとあたしに向き直る。


どきどき。


なんですか、また跳ねますか!?


すぐに対応出来るよう、超ドキドキしながら身構える。魔術師さんは、あたしをじっと見つめて言い聞かせるようにこう言った。



「うーん、そうだなあ。じゃあシンプルに『はい』と『いいえ』の合図を決めようか」



ラジャーっす!



「『はい』なら跳ねる」



了承の証に軽くポヨンと跳ねて見せる。



「そうそう、じゃあ『いいえ』は……跳ねるのとは逆なイメージがいいよね……」



ちょっと悩んだ魔術師さんに、あたしは地面に寄り添ってダランと平べったくなって見せた。



「あっそれいいね、なんかダルい感じ」



でしょう?

具合が悪い時とか、やる気が出ない時ってゼリー部分のハリがなくなっちゃってダレ〜ン……って平べったくなっちゃうの。嫌な気持ちの時を表現するなら、やっぱこれだよね!



「なんかもう、既に意思疎通出来てるんじゃないかしら」



女の人がちっちゃな声で呟いていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ