動画鑑賞
「ご主人様おめでとうございます」
ラザレスは動画を見終わるとメアリーから祝福の言葉を受けた。
「ありがとう。メアリーも見てたか? あの動画っていうやつを」
「はい。もちろん見ていました。凄かったですね」
「とにかく凄かったな。絵がまるで生きているように動いていたな。それにあの絵本のストーリーの謎も解ったな」
「はい。あの女の人は巨人族ではなく普通の人間で、主人公の勇者さんが小人だったんですね。女の人はハンマーで男の人を襲ったのではなくて魔導具で小人化の呪いを解除してたんですね」
「それでお互いが助けてくれた事を感謝して、結婚すると言う素晴らしい話だったな」
「私感動して少し涙ぐんでしまいました」
「僕も感動したよ」
「ところでステータスの方はどうなっていますか?」
「ステータスか……グラウクス、ちょっと悪いんだけどさっきみたいに僕の能力を数値でみてくれないか?」
「お安い御用です」
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名前:ラザレス
性別:男
年齢:13
職業:貴族の息子
レベル:4
EXP:303(Next 800)
HP:18(Max 18)
MP:18(Max 18)
STR:5
DEX:5
AGI:5
INT:5
MND:5
CHR:5
称号:なし
スキル:なし
加護:なし
状態:普通
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レベルと共にステータスも上がっていた。
グラウクスが言うにはレベルアップには
LV2 必要経験値100
LV3 必要経験値200
LV4 必要経験値400
LV5 必要経験値800
LV6 必要経験値1600
の経験値が必要との事で必要経験値はレベルが上がれば上がるほど増えていくとの事。
今回ラザレスは元々持っている3の経験値と動画を見て手に入れた合計1003の経験値でLV4まで上がり、303の経験値が残ってる状態だ。
当然こんな数値が有るなんて事はラザレスにとっても今日始めて知った事なので、レベルを意識して生活している人は居ないだろう。
長兄のファルスさえ知らないことだ。
このレベルとステータスが上がれば書も触るだけで覚えられるとの事だった。
「取りあえず、勇者様が初級書を触るだけで読めるようになるLV10に上がるまで入門書の動画を見まくりましょう」とグラウクスの提案に沿って絵本の動画を見まくることになった。
その動画は異世界に古くから伝わる伝説の話『むかしばなし』というカテゴリーの話らしく、どの話にもストーリー性があってどれも見ていて楽しかった。
ラザレスはメアリーと一緒に明け方まで動画を見続けた。
気が付くとラザレスのレベルは20に達していた。
「おめでとうございます。勇者様。レベル20ですか! これなら上級書も触るだけで読めますね。早速読んでみますか?」
「その前にちょっと気になることが有るんだけど?」
「なんでしょう?」
ラザレスはタブレットの画面を指差して言った。