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人牛エスケープ  作者: T-Wan
1/2

横浜駅脱出①

横浜駅構内図:https://www.jreast.co.jp/estation/stations/1638.html


東横線構内図:http://www.tokyu.co.jp/railway/station/yardmap/?id=21


参考にどうぞ

Game start !!


『間もなく~横浜~横浜~、降り口は左側です』


電車内にアナウンスがなり、渋谷が目的地の人々が降りる準備をする。俺も家に帰るために鞄を担ぎ直す。

電車がホームにつき、ドアが開いた途端、人が雪崩のようにドアから出る。思わず顔をしかめるほどの湿気を伴った暑さが俺を襲う。まだまだ夏は始まったばかりだ。



Now loading...



『どうも皆さんこんにちは』


機械質の音声に驚き、回りを見渡す。さっきまで溢れていた人々はいなくなり、数人の男女しか駅のホームにはいなかった。


「は?え、どういうこと!?」


皆、口々にそう叫ぶ。それもそのはず、ついさっき、ほんの数秒前には横浜駅の人々の一人だったはずだったのだ。


『今からミノタウロスを1匹解き放ちます。皆さんは頑張って逃げてください。捕まったら死にます。最初の1匹は4番線ホーム北改札方面です。』


4番線ホーム北改札方面。俺がいる5番線ホームの線路を挟んでちょうど向かい側だ。急いで4番線ホームを見る。


「い、いや!!やめ…


血飛沫が上がった。3メートルはあろう牛の怪物が逃げ遅れた女性の頭を握り潰した。

ミノタウロスは肉塊と化した女性を蹴散らし、4番線中央改札方面に逃げた他の人を追走する。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「やめっ!!うぁぁぁぁぁぁ


ミノタウロスの咆哮と悲鳴や、肉が潰れる音が徐々に遠ざかる。


「君達!!こっちだ!!」


惨状に凍りついていた俺は、誰ともわからない声に呼ばれるがまま、ミノタウロスの向かった逆方向へと走った。



Now loading...



JR北改札から改札を出て辿り着いた東横線改札。


「なんなのかね!?あの化け物は!!?」


小太りの中年が誰もが誰もが思う事を、俺達を呼んだ男に向かって叫ぶ


「あれはミノタウロスです」

「見たらわかるわ!!そう言うことじゃなくてだな、わしは…その…!」

「わかってます、今のこの状況の事ですよね?」

「そ、そうだ!お前のその落ちつきよう、なにか知っているんだろう!?」

「はい、私の名前は士流(しりゅう)。このゲームを何度かプレイした事のあるものです」

「ゲーム…だと?」


思わず声が出た。


「目の前で人が死んでんだぞ!?これが、ゲームだってのか!?」

「わ、わかります!だから声をもう少し…」

「狂ってる!このゲームとやらの主催者も、これをゲームと呼ぶお前も!!」

「わかりましたから声を小さくしてください!!やつに気づかれます!!」


士流がそう言った直後、


『GEEEYAAAAAAA --------- !!!!!』


化物(ミノタウロス)の咆哮が背後の階段から轟いた。


「まずい!!今すぐ逃げろ!!」


士流がそう叫んだと同時に、小太りの中年の腹をミノタウロスの角が貫通した。


「ゴパッ」


鮮血を撒き散らし、中年は息絶える。ミノタウロスの角の人振りで何人も死んでいく。

俺も逃げようと階段の1段目に足をかけた時ーーー見てしまった。恐怖に腰を抜かし、座り込んでいる少女を。少女に降り下ろされんとするミノタウロスの拳を。


「っくそぉぉぉ!!!!」


体は少女の方へと勝手に動き出した。




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