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弟が作った世界でハーレム人生   作者: 永遠の28さい
◆第一章◆ 忌み子の奴隷少女
8/126

5 盗賊団との激突

2/28 読みやすくするために、文章を見直しました

04/12 誤字修正

09/26 誤字修正 会話文のインデント修正




「あなた様のお名前は……エルバード!」


 透き通った声が俺だけに届く。



 ……エルバード。



 俺のいた世界の言葉で訳すと『神の鳥』になるのかな。ヘブライ語と英語が混在しているけど。響きはいい。何より名付け親がサラなのがいい。



 俺は目を開いた。その瞬間、何かが弾けた感覚が全身を覆い、目の前が真っ白になった。この感覚は一度経験している。あの神様とキ……いや、来世の使命を受けた場所に行ったときの感覚と同じだ。また呼ばれたのだろうか。俺はなすがままに真っ白い光を受け入れ、輝きが収まるのを待った。


 徐々に光が薄らいでいき、自分がまた白い場所にいることがわかった。そして俺の前には大きな翼に包まれたものが見えた。……なんか前と違う。前は光の中から女性が出てきたが、今回はそこに翼がある状態。俺はちょっと身構えた。

 翼がゆっくりと左右に広げられていき、中に人がいるのが見えた。翼が完全に左右に広がり、宙を浮く男の姿が完全に顕わになった。


 男の神か……。いや、深い意味はないよ。


 広げられた翼は全部で6枚。全てその男の背中から左右に神々しく広がっている。男は半裸の状態で全身に淡く輝く銀の複雑な文様で覆われている。頭には銀色の髪にこれも銀色の冠が上半分を覆っており普通の人の装いではないことが一目でわかる。


 その男の顔を見て、俺は全ての思考が停止した。




「我が創造神の僕としてこの世界に宿りし者よ!」




 やや高い声変わりのしていない少年のような声が響き渡るが、俺には聞こえていなかった。


「そなたはこの世界の者から名を与えられ、この世界に生きる権利を得た!」


 少年のような声はなおも続くが俺には全く入ってきていない。


「前世の世界の神より既に聞き及びのことだが、そなたの使命は魂の循環である!よってその使命を果たすべく循環すべき魂を見極める能力を与える。この力を使いて、その命尽きるまで役目に没頭せよ!」


 そう言って、目の前の男が片手を前に突き出し銀色の光の玉を生み出した。光の玉はふわふわと空中を浮遊しながら俺に近づき、そして俺の胸に吸い込まれた。それでも俺は身動き一つせず、目の前の男を凝視したままだった。


 男が俺を見て僅かに口元を緩ませた。


「……にいちゃん、僕の世界にようこそ。」


 聞きなれた普通の声で男は俺に呼びかけた。そこでようやく俺は魂の抜け殻状態から脱し、わずかに手を前に動かした。



 「り、りょう……せい……?」



 男は、いや良聖の顔をしたその男は、フッと優しげな笑みを俺に向けた。だがすぐに威厳を保つかのように険しい顔つきに変える。


「そなたが今対峙しようとしているあの盗賊団の頭目を先に与えた力で『視る』が良い。循環すべき魂の色を認識するだろう。」


 それだけ言って、男は6枚の翼を折りたたみ始めた。


「お、おい!良聖!待ってくれ!」


 俺は男に歩み寄ろうとしたが、途中で体が動かなくなった。


「我はこの世界を生みし神、アマトナス!我の名を覚えよ!我を敬え!そして我の教えに従え!」


 こだまするような声を響かせ、男は翼にくるまれていく。そして最後に、


「がんばってよ、にいちゃん。」


 そう言って俺の体の硬直を解き、翼にくるまれたまま姿を消した。俺は真っ白な世界からもとの場所に戻っていった。





 世界を生みし神アマトナス。だけど俺の目には良聖にしか見えなかった。俺のことを「にいちゃん」と呼んだし。そんなふうに呼ぶのは一人しかいない。弟は神になっていた。神としての仕事をしているようだった。こんなに早く会えるとは思っていなかったが、余りにも物足りない再会である。もう一度会いたい。

 俺は目の前の光景に目を向けた。村の外に続く道の先に8つの人影が見える。徐々にこちらに近づいている。


 “我の教えに従え”


 すなわち、魂の循環を行うこと。そのための力を得た。そして、この盗賊団の頭目は循環すべき魂だという……。


 俺は弟に会う為にこの世界に来た。弟に会う為には使命を果たし続けるしか今はない。俺がすべきことは……。


「ふぅぅぅぅぅううう……。」


 俺は大きく息を吸い、勢いよく吐き出した。気持ちは固まった。スキルを使って遠くにいる8人の人影をもう一度見る。




 さあ、盗賊団討伐作成を始めよう。




 俺はメニューを開いた。


 メニューは何故か装いを新たにして俺の前に現れた。


 名前の欄からは『加古川優聖』が消え、『エルバード』が表示されている。それはいい。俺が望んだ結果だ。だが、それ以外にいっぱい変化が発生している。


 まず『アビリティ』欄には新しい行が増えている。


 ≪ヘゼラサートの加護≫

 ≪アマトナスの(しもべ)


 ……下はわかる。良聖が言ってたから。上はなんだ?


 さらに≪スキル≫欄を3つに分割表示されており『属スキル』『固有スキル』『呪い』と表示されている。


 『属スキル』

  ≪思考並列化≫

  ≪情報整理≫

  ≪仰俯角監視≫

  ≪真実の言葉≫

  ≪百軍指揮≫

  ≪投擲≫

  ≪気配察知≫

  ≪超隠密行動≫

  ≪遠視≫

  ≪超振動≫

  ≪視界共有の眼≫

  ≪身代わりの表皮≫


 『固有スキル』

  ≪状態管理≫

  ≪異空間倉庫≫


 『呪い』

  ≪刹那の治癒≫

  ≪魂の真贋≫



 ……。『属スキル』はこれまで見えていたものだ。俺が盗賊団と戦う為に厳選したスキルが並んでいる。『固有スキル』『呪い』は新しく見えるようになったものなのだろう。リストにある名前に見覚えがない。ていうか、『呪い』ってなんだ?なんで毒々しい赤で表示されてるんだ?



 ……だめだ。気持ちを固めた直後なのに気になることだらけ。しかも、メニューを開いた瞬間から周りがもんのすごいゆっくりに動いている。俺自身の指もゆっくり動いていて、いまだにメニューに手が届かない。要は俺の思考以外が超スローモーションになっている。どうやってメニューを操作すればいいんだ?




 俺はメニューの件は後回しにする!




 そう心の中で宣言し、メニューを閉じてサラのほうを向いた。今は盗賊団の事だ。


「サラ、俺の手を握って。」


 そう言って俺は檻の中に手を入れた。サラは俺の手と顔を交互に見て顔を赤らめていたが、俺の手の上にそっと自分の手を乗せた。俺はサラの手をやや強めに握った。サラがその瞬間に全身をビクつかせた。俺は≪全知全能≫のリストの中にあった≪視界共有の眼≫で自分が見ている8人の盗賊をサラに見せたのだ。


「サラ、8人の盗賊が見えるだろう?その8人を≪鑑定≫してくれ。どんなスキルを持っているか知りたい。」


 サラは俺の言っていることの意味を理解し、≪鑑定≫を行った。一人ずつ見えているスキルの名前を読み上げていく。一人だけ≪弓矢の教え≫を持っているが、他の奴らは飛び道具系と思われるスキルはなかった。さらに勝てる確率が上がった。そしてこの8人にナンバー2と思われる男はいない。誰も首に黒い布を巻いていなかった。これで次の作戦が決まった。後ろに控えているデハイド達に次の作戦を指で伝える。3本の指を後ろの村人たちに見せた。それを見た村人たちは、次の作戦を理解し行動を開始する。村人たちは手に得物をもって一か所に集まり、俺に向けて戦う構えを見せる演技を始めた。俺はその様子を見て頷き、再度前から来る8人を凝視する。そして握っていたサラの手を放した。


「サラ、名前……気に入った。今から俺の名はエルバードだ。」


 サラは俺の顔をじっと見つめたまま手を伸ばしてくる。


「エルバード様……。」


 切ない声は俺の心をくすぐった。絶対生き延びてやる!そしてこの子にご褒美のニャンニャンを貰ってやる!









 8人の盗賊は村の入り口までやって来た。赤い布を頭に巻いた男が俺に声を掛けた。


「お前、この村の者ではないな。なんでここにいる?」


 盗賊はニヤニヤしながらナイフをちらつかせる。


「見ての通りだ。村の者たちに脅されて、この奴隷の引き渡し役をやらされてる。」


 俺はちらっと後ろを見ながら答えた。盗賊も後ろで固まって得物を構えている村人を見やる。


「ははっ、あいつらも外道なことをしやがるもんだ。危険な役目をお前にやらせて、後ろで震えてるなんてさすがだな」


 そういいながら盗賊は俺に近づき、ナイフを俺の首にあてがう。俺は怯えた顔を見せ震えるような声をだした。


「は、早くこの子を持って行ってくれ。」


 盗賊は檻に入ったサラを舐めるように見た。次に檻そのものを見て俺に質問する。


「この檻は入り口がないのか?」


「ああ、ない。この奴隷を出すには壊すしかない。」


 俺はなおも怯える風を装って答える。盗賊はちらっと後ろを見やり仲間を呼んだ。


「おい、台車ごと引っ張ってくぞ。」


 掛け声とともに4人が台車に近づき、手を掛ける。サラは動じた様子を見せず、じっと檻の中央に膝を立てて座っている。こいつらは俺の想定通り、檻を壊さずに連れ帰るようだ。三日前の逃走劇が功を奏したようだ。そして俺の首にナイフを当てていた男は首からナイフを離し、俺の胸に勢いよく突き刺した。


 ドス!という鈍い音がして、俺は声も出さずにその場に膝をつける。手をついてそのまま地面に倒れ込むのをかろうじて回避したが、力尽きてそのまま地面に寝転がる。不等間隔に呼吸を繰り返し、そして口から血を吐き出す。

 刺した男はその様子を見て満足そうに笑い、ナイフを村人のほうに向けた。


「抵抗するなよ。抵抗すればこの男のようになるからな!」


 男の行動と言葉に村人たちは怯え、悲鳴を上げ、目を背ける。この場は盗賊たちが支配している状況になった。男は怯える村人にナイフを向け恐怖心を煽っている。その横では4人の盗賊が台車に手をかけ、ゆっくりと動かし始めている。残りの3人はやや遠くで腕を組んでへらへらと笑って村人を見ている。






 全員が俺から視線を外した。






 刺された胸は既に血も止まっている。俺はゆっくりと背中に隠した剣に手を掛けた。



 チャンスは一度きり……。俺は呼吸を整え全身に力を込めた。



 込めた力を一気に放出して勢いよく立ち上がり、背中の剣を両手に持ってナイフを持つ男に向かって振り下ろした。男は俺が何をしたのか気づくことなく袈裟斬りにされる。俺は振り下ろした剣をそのままの位置から一番近くで檻を押していた男に向かって切り上げる。檻を押していた男は背中を斜めに斬られそのまま倒れ込む。



 初めて人を斬った。



 普通ならいろんな感情に苛まれるところだが、今の俺には命を奪うことに対する罪悪感を感じている余裕はない。そんなものは来世で償ってやる!


 俺は剣をその場に捨て、腰につけた果物ナイフを取り出し、腕を組んでいる男たちに次々と投げた。ナイフは吸い込まれるように喉に突き刺さり、奇妙な悲鳴を上げてそのまま後ろに倒れていく。3本投げて3本とも命中だ。俺は4本目を取り出し、次に近い位置にいる盗賊に駆け寄って首筋に走らせた。赤いすじがナイフを追いかけるように浮かび上がり、男が悲鳴を上げて首に手をあてる。指の隙間からは血が吹き出し、俺の顔にも降りかかる。


 残りの二人は完全にこの状況に飲み込まれ硬直していた。俺はそのうちの一人に飛び掛かった。男を押し倒し、馬乗りになってナイフを付き下ろす。男が抵抗して両腕をばたつかせた為ナイフは男の腕に刺さった。


「ぐわあああぁぁ!!」


 男は悲鳴を上げ、その声を合図にもう一人の男が動き出した。俺とは反対の方向に。


 もう一人のほうは意味不明な声を上げながら震える足を無理やり動かすような動作で俺から離れていき、そして来た方向に向かって走り出した。俺はその様子をちらっとだけ見て目の前の男のほうに視線を戻す。



 仕上げに取り掛かろう。



 俺はデハイドのほうを見て小さく頷く。デハイドもそれに気づき慌てて頷き返す。次にサラを見る。今にも泣きだしそうな目でじっと俺を見ている。ごめんよ、ちょっとの間だけいなくなるけど、ちゃんと助けに行くからね。

 伝わったかどうかわからないが、そう目で訴えて俺はスキルを使う。≪身代わりの表皮≫で俺の薄皮一枚が剥がれ、俺の下で足掻いている男に貼り付けられる。男の顔は俺の顔になった。そのままその男と組み合って地面を転がり回り、その途中で上着を脱ぎ男に無理やり着せた。俺の右肩には赤い肩当てが付けられている。男の腕を刺したナイフは既にどこかにいってしまっているため、もう1本腰から取り出し、男の胸に押し付けた。俺は素早く男から離れ、そのまま盗賊たちがやって来た方向へ走り出す。そしてふらつくそぶりを見せ、そのまま草むらの中に倒れ込んだ。



 あたりの様子を窺う……。



 村の入り口では、さっきの男がうめき声をあげているが、やがて動かなくなった。おそらく、山の中腹にある盗賊団見張り役には、こんな風に見えていたはず。




 8人の盗賊が村に到着。俺が奴隷入りの檻と一緒にお出迎え。


 盗賊の一人が俺を刺す。俺が地面に倒れる。


 4人の盗賊が檻を動かし始める。


 俺が突然起き上がり、次々と盗賊を倒していく。


 6人倒された所で、1人が悲鳴を上げて逃げ出し、残った1人も俺の攻撃を振り切って逃げだしたが力尽きて倒れる。


 俺も力尽きて倒れてる。


 村人達は只々恐怖に打ち震えている。




 俺は≪超隠密行動≫を使い、逃げた盗賊の後を追った。これを使えば、見張りのほうには俺の動きは何も見えていないはず。ここからはたった一人だ。俺はさらに気を引き締め、盗賊の後を追った。









 俺は、必死の形相で逃げる盗賊の横を一緒になって走っていた。


 ≪超隠密行動≫とはどれほど素晴らしいものなのだろう。このスキルは俺が超隠密に行動ができるのではなく、誰も俺の存在自体を認識できなくするようで、このように相手の見える位置で何かをしていても、相手には全く認識できないようだ。なので、こそこそ隠れて移動するよりもこうしているほうが楽だったから盗賊の表情を楽しみながら走っていた。

 既にマイラクトの町へ向かう道を俺の感覚で1時間以上走っている。たしかマイラクトへの道は山を越える道のりで途中に関所があるって言ってたな。どこまで進むんだろ?

 そんなことを考えていると盗賊は不意に道を外れ、森の中に入っていった。俺もそれについて行く。森に入ってすぐ岩がむき出しにせり上がっている大きな崖が現れ、盗賊は崖沿いにさらに奥へと走っていく。森の中は雑草が地面を覆うように茂っており、人によって踏み荒らされた形跡がない。この辺は未踏の地らしい。盗賊どもが塒にするにはちょうどいいか。

 既に日は真上まで来ていた。この世界でいう『お日様9つ分』になるのかな。盗賊はようやく崖が少し窪んだところで立ち止まった。そこは森の木々も崖を包み隠すよう立ち並んでおり崖が窪んでいることもよく見ないと見えないほどだ。盗賊はその窪みの奥に姿を消した。

 あそこがアジトか?おれは≪超隠密行動≫を使ったまま窪みの奥に進んだ。外からは見えないように扉がある。どうやら洞窟?があって、その入り口に扉を付けているようだ。≪気配察知≫を使い、扉の向こうに人がいないか探る。赤い点はいくつも見えるがそれらは一か所に集まっていた。


 俺は意を決して扉を開ける。


 向こうには誰もいなかった。音をたてないように扉を閉め、奥へと進む。≪気配察知≫の赤い点は一番奥のところに集まっていた。


 全部で31。かなり多い。俺は赤い点が集まる場所に向かった。





 その場所は、かなり開けており、壁のあちこちに立掛けられた細長い棒状のものが周りを明るく照らしている。洞窟の中なのに昼間のように明るいのだ。あの棒状のものはなんなんだろうか?この場所に30人の赤い肩当をつけた盗賊がさまざまな表情を浮かべて一人の盗賊を見やっている。見られている盗賊は恐怖のあまり気を失いそうになっている。その前には大きな座布団?に胡坐をかいて座っているひょろひょろの男がいる。おそらくこいつが頭目だろう。いかにも小物っぽい感じのイカレタ表情で気を失いそうな男を睨んでいる。


 ナンバー2はどこにいる……?


 俺は周りにいる盗賊を一人一人確認した。何人かが首に黒い布を巻きつけている。その中で一番大柄な男を視界にとらえる。


 こいつかな?声を聞けばわかるんだが。


「どうしますか、頭?」


 と思ったら、その男が声を発した。……間違いない、この野太い声だ。


「あ?決まってんだろ!?皆殺しだ!!」


 頭と呼ばれた男は唾を吐きだす勢いで吠えている。やっぱり小物にしか見えない。


「頭、村の住人を殺してしまっては奪う相手がいなくなります。前にも申しあげた通り、生かさず殺さず搾取しないと我々が干上がってしまいます。」


 ナンバー2は冷静に答える。その答えに頭は更に頭に血を昇らせて今にも爆発しそうな顔になっている。


「……チッ。じゃあどうすんだ!?」


 ずいぶん時間が経ってから頭は問い返した。


「まず、村の状況を確認します。見張りのほうには村に異変があった場合は必ずここへ報告に来るよう指示しています。そいつらの報告を聞いてから対処します。」


 ナンバー2は軽く頭を下げながら答えた。頭はその答えは気に入らないらしく完全にそっぽを向いている。こいつ、ホントに小物だな。





 しばらくして、この部屋にさらに二人の盗賊が入ってきた。見張りのところにいた奴らであろう。二人は見張りのところから見えた内容を頭にではなくナンバー2に向かって報告していた。報告内容は俺が想定した通りになった。ナンバー2は報告を聞いて腕を組んで考え込む。やがて腕組みを解いて頭の前に進み出た。


「頭、私が指揮して娘を取りに行ってきます。報告ではあの男は怪我をしている模様。しかし、何かのスキル持ちのようですので、用心して私が対峙します。そいつだけは殺してきましょう。」


 ナンバー2は腰に吊るした剣の柄を軽く叩きながら説明した。だが頭は全く興味を示さない。


「貴様の好きにするがいい。だが、その前にこいつを殺せ!」


 頭は村から逃げてきた男を顎で指して怒鳴った。


「俺の手下に臆病者はいらん!殺せ!!」


 頭はナンバー2に向かって命令した。ナンバー2は黙っていた。なおも頭は睨みつける。ナンバー2は観念したのかゆっくりと剣に手を掛け、鞘から引き抜いた。そして無言のまま横に一閃する。村から逃げてきた男の首は恐怖で引きつった顔のまま、胴体から離れた。あまりの出来事に周りが静まり返っている。




 ……俺は生唾を飲み込んだ。



 俺、殺されるかもしんない。



PCとスマホでは1行の折り返し位置が違うんですね。

スマホで見たら変なところで折り返す行がいっぱいあってびっくりしました。

まだまだ勉強不足です。


エルバードは神様(弟)から力をもらってパワーアップしたようですが、いろいろと困惑しています。しかもナンバー2の剣技が凄かったようで、ビビッてしまったようです。


次回は小物臭い頭目との戦いを予定していますが、少しグロ系になると思います。また、これまでの投稿分の見直しもする予定です。

これからも読みやすい文章を心がけて投稿していきます。

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