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弟が作った世界でハーレム人生   作者: 永遠の28さい
◆第一章◆ 忌み子の奴隷少女
6/126

3 奴隷の少女

02/28 読みやすくするために、文章を見直しました。

03/01 ルビの使い方を覚えました

04/12 誤字修正

09/26 誤字修正 会話文のインデント修正




 美少女を見なかったことにしないと……


 皆殺し!?




 俺はデハイドが言った言葉の意味を理解できなかった。


 これまでの会話の中にいくつか気になる言葉はあったが、この世界に来て1日未満の俺ではわからないことだらけで予測も推理も特定も判断もできん。情報が不足しているんだよ。いくら≪思考並列化≫で複数の俺が見聞きしてても整理ができん。


 ここはスキルを探そう。


 俺はメニューウィンドウを開き、推理するスキルとかそれっぽいものがないか探した。そして≪神算鬼謀≫のリストの中に≪情報整理≫を見つけた。


 読んで字のごとく…でいいのか?


 俺は≪情報整理≫を選択した。次の瞬間、俺の頭ン中がフル回転する。しかも≪思考並列化≫で存在する複数の俺全員が全力疾走で情報を整理し始めた。


 待って!、パニくるどころの騒ぎじゃないよ!


 意識を取り戻してから、今に至るまでの見たもの、聞いたもの、感じたものを細かく分解して解析して細分化する。それを整理し見直し検証、推測、判断する。あまりのスピードでこれが行われるので、目が回ってきた。


 このスキルはパッシブスキルか!?こいつは≪思考並列化≫と併用するのは危険すぎる!


 俺が体をふらつかせたので、そばにいたデハイドは驚いた。


「だ、大丈夫か!?」


 俺は額に手を当て、めまいをとるために頭を振り回し、首筋の後ろをトントンとたたいた。


「…だ…大丈夫です。それよりもデハイドさん、先ほどのお話ですが、今のままでは悲惨な末路を辿ることになりますよ。」


 俺は、これまでの口調を変え、丁寧な口調にして話しかけた。状況は切迫していることを訴える為に。


 その言葉を聞いてデハイドだけでなくその横にいた村長までもが目を見開いた。おそらく思い当たる節があるからそういう表情になっているのだろう。ここはもうひと押しして俺の言葉に耳を傾けてくれるようにしなくては。


 俺とデハイドがやり取りしている間に美少女を連れた一行が村に到着し、村長の前にやってきた。


 美少女との距離は俺感覚で約5メートル。……もう少し近づきたい。


 一行のリーダーらしき男が村長に話しかける。


「『(おさ)』、『若長(わかおさ)』。ベルドから戻ってまいりました。ヤグナーンの奴隷商から彼女を購入いたしました。」


 そう言って男は美少女をちらりと見た。村長もデハイドもその他の村人も「俺の」美少女をみた。




 ……うん。「俺の」って言ってみたかったんだ。



 美少女は両手を胸の前で交差させて、村長に会釈する。


「初めまして。サラと申します。わたくしをお買上げ頂き感謝いたします。」



 ……か、かわいい声。もうメロメロ……。



「う、うむ。こ、これからはよろしく頼む。」


 村長はかなりぎこちない返答をした。美少女は何かを察知したのか少し顔色を変えた。



 ……この子、割と頭がいいかもしれん。




 俺は真面目にこの子の分析をしてみた。次の瞬間、≪情報整理≫がとんでもない情報を俺にもたらした。


 美少女の身長、体重、スリーサイズである。俺は手に持っていた紫の剣を落としてしまった。その音に全員が注目する。



 いや、ご、ごめん。何でもないのよ……。



 俺はそんな顔をしながら剣を拾った。


 ……それにしても≪情報整理≫はすごいスキルだな。俺本体には最終結果しか伝わってこないからわかんないが、わずかな情報から推測、計測して出してるんだろう。身長158センチ。小柄でちょうどいいサイズではないか……。体重とスリーサイズは今はノーコメント。ホントはそういう分析をしたいわけじゃなかったんだが。だがおかげで、美少女と目が合っちゃった。




 美少女は視線を俺から外し、村長のほうに向きなおした。


「それでは、私のご主人様はどなたになるのでしょうか?」


「俺だ。」


 デハイドが少し前に出る。



 いいよ、今は譲ってやる。……あたりまえか。



 美少女、いやサラか。サラはデハイドの前に歩み寄り、右手を左肩にあてて右ひざを立ててしゃがみこんだ。


 所謂、忠誠を表す行為なんだろうな。彼女が頭を垂れたのでストレートな髪が前に傾き、うなじが見えた。



 ……首輪がある。鉄の首輪だ。奴隷であることを示すものなんだろう。



 俺は少し浮かれ過ぎてたかもしれない。実際に見た首輪はアクセサリーの装いなど全く感じられず、呪いのように見える。これを付けたまま過ごす生活は、俺が想像していた奴隷生活とは全く異なると思う。


 俺は気持ちを切替え、村長に話しかけた。


「『長』殿。デハイド殿からこの村を出ていくように言われましたが、待ってもらえないでしょうか。このまま村を出てしまえば俺はアルテイト盗賊団に殺されてしまうでしょう。」


 村人からすれば聞き流せない言葉を使い、全員の注目をこちらに向けさせた。


「先ほども言いましたが、今のままではこの村は皆殺しよりも悲惨なことになります。そうさせない為にも、どうか俺の話を聞いて頂けませんか。」



 オ・レ・ノ・ハ・ナ・シ・ヲ・キ・イ・テ……。


 ≪真実の言葉≫を使って、聞いてもらうようにする。このスキルはある種の催眠術をかけるようなものらしい。必ずかかるわけではないが、意思の弱いものや精神的に弱っている相手にかかり易いものと思われる。

 さっき使った時はかかる村人ととかからない村人がいたが、今は全員がかかってしまった。おそらく俺が衝撃的な発言をした後だからだろう。


 ともかく、俺が≪情報整理≫で達した結論を村人全員に聞かせる状態にはなった。自分の命がかかってるんだ。真剣モードでいくか。言うなれば……。


 『会話無双して村人達の信頼を手にいれよう!』


 ……そんな感じだ。うん、まじめにいくか。



「まず、この村は見張られています。あ!キョロキョロしないで下さい!気づかれてしまいます!」


 俺は、状況を簡潔に伝えた。これだけでも村人にとっては脅威になるだろう。だが問題はこれだけではない。


「いくつか質問します。正直に答えてください。この村は過去にアルテイト盗賊団に襲われていますね?」


 俺の質問に全員が黙り込んでいた。答えはわかっているのだが、ちゃんと聞いておきたい。


「そうだ。7日前だ。たくさんの人数でやってきて、食うものを奪っていった。」


 デハイドが代表して答えた。もう少し正確な情報が欲しい。


「何人でしたか?」


 俺の質問にデハイドは黙り込んでいた。人数まではわからないらしい。


「……25人よ。」


 周りにいた女性の一人が答えた。


「言い切れますか?」


「数えたわ。顔も覚えてるわ。」


「何故そんなことを?」


「……夫を殺されたからよ。」


 女性は悔しさを滲み出すような声で答えた。やはり、奪ったのは食料だけではなかったようだ。


「そうでしたか。気の利かない質問で申し訳ありません。ですが大事なことになりますので辛くてもその時のことを思い出して答えて頂きたいのですが。」


 女性はゆっくりとうなずいた。


「その25人の中に頭目はいましたか?」


「いたわ。その男が散々あたしたちを脅していったわ」


「どんな男です?」


「ひょろっとしていて、落ち着きなく動き回っていたわ。……あと血まみれになったあたしの夫を気持ち悪いって言って遠ざけてたわ……。」


 女性はやや涙声で答えた。彼女の言った内容からすると、頭目は小物だな。


「では次の質問です。それ以前に盗賊などに襲われたことはありますか?」


「……いや、ないな。」


 今度は村長が答えた。となるとずいぶん昔から盗賊には襲われたことはないのだろう。ここで1つの疑問が出てくる。


 このあたりには元々人や村を襲う輩はいない。なのにアルテイト盗賊団という25人以上の盗賊団が突然現れた。そうなのだ。実は俺とおっさんも封印を解きに行く旅でここまで来ているが、襲われた時用の得物を持ってなかったのだ。持ってても役に立たなかったかもしれんが。だから奴らは、どっか遠くからやって来た集団に違いないと推測する。



「この周辺の地理について教えてください。まず、この道をまっすぐ行けばどこへ行きますか?」


 俺は、サラ達がやってきた方角を指して聞いた。


「ベルドの宿場町に着く。」


「では、反対に進めば?」


「山を一つ越えることになるが、マイラクトの港町に出る。」


 デハイドは簡潔に答えた。


「この周辺に他に村や町は?」


「ない。ここは小さな島だからな。この村と、南にあるマイラクト、北のベルド。さらにそこから西と東にひとつずつ港町とこれだけしかない。」


 ということはこの村周辺にある畑は全てここの村人で管理しているのか。収穫した穀物はどうしてるのだろう。


「ベルドの町とは交流はありますか?」


「俺たちが収穫した野菜などを売っている。」


「では、マイラクトとは?」


「…ない。山の途中に関所があって高い通行税を取られるから誰も行きたがらないんだ。」


 なるほど。マイラクトの町とは交流がないのか。じゃあどんな街なのかはわからんかもしれんが……。


「向こうからこの村にやってくる人もいないのですか?」


「同じ理由で誰も来ない。俺たちはマイラクトとは全く交流がないんだ。」


「誰かマイラクトについて知っていることはありませんか?」


 俺はデハイド以外の人からも意見を求めた。


「……マイラクトの領主様については、海賊と手を組んで悪どいことをやってる噂をお聞きしたことがあります。」


 サラが意を決したように声をだした。


「お、おい!お前奴隷のくせに、意見を言うんじゃねえよ!」


 サラを連れてきた一行の1人が怒鳴ったが、俺はそれを制した。


「待ってください。今の彼女の話は聞く価値があると思われます!」


 俺はサラを見つめた。


「サラ。どんなことでもいい。話を聞かせてくれ。」



 ……呼び捨ててやったよ。すんなり違和感なく言えたよ!周りのやつら、今の俺の言葉に何の疑問ももってねえよ!……い、いや、今俺は真剣モードだった。



「……はい。グランマスターからマイラクトの領主様の悪い噂をいくつかお聞きしました。」


「グランマスター?」


 知らない言葉に思わず聞き返してしまった。


「幼い子供が奴隷になった場合は、普通は成人するまで奴隷商人のもとで教育を受けるんだ。そういう子は育ててくれた奴隷商人のことをグランマスターと呼ぶそうだ。」


 代わりにデハイドが答える。


 ほう。彼女は小さいときに奴隷にされたのか。


「デハイド殿、ありがとうございます。……サラ、続けて。」


 呼び捨て2回目。いいぞ俺。


「は、はい。マイラクトの領主様は、港にやってくる商船を海賊たちに襲わせて積み荷を奪い、これを別の商人に売りさばいて不正に利益を上げているとか。」


「証拠は?」


「…ありません。グランマスターも過去に襲われたことがあるそうで、かなりの損害を受けたとおっしゃっておりました。」


「他には?」


「えっと……。人頭税が非常に高くて住民たちは娯楽や嗜好品に費やすお金をほとんど持っていないそうです。グランマスターもあの街では商売にならないと……。ほかには移住禁止令という法があって、住民たちは移住することができないそうです。」


 サラは、心苦しそうな目をして下を向いた。


 ……ひどい街だな。だが俺の見た、あるいは村人から聞いた盗賊団の様子からすると、奴らは『領主の圧政によって、物取りになり下がったような連中』ではないはずだ。ずっと盗賊を生業にしているような雰囲気だ。


「おそらく、アルテイト盗賊団とはその商船を襲う海賊たちでしょう。いままで襲われることがないような地域に突然盗賊を生業とするような輩が大人数で現れるのは、通常あり得ません。しかし、実際に盗賊団がやってきて村を襲っているのですから、そいつらは別の場所からここにやって来たことになります。ここが大陸の一部であれば遠くの場所から出稼ぎにやって来たとも考えられますが、海に囲まれた島にわざわざ別の島からやってくることはありません。」


「何故言い切れる?」


 デハイドが聞き返す。


「サラ、何故だと思う?」


 俺はわざとサラに話しかけた。3回目の呼び捨ても華麗に決まる。……自己満足だけど。


「……えっと、利益がでないから?」


 ……やはりこの子は聡い。


「デハイド殿、大人数の人員と奪ったものを積み込み移動するには、それなりに大きな船が必要になります。しかしそんな船を用意して盗賊行為を行っても割に合いません。となれば、奴らは元々この島にいたと考えるのが妥当です。そこでで出てくるのがマイラクトの領主と手を組んでいる海賊です。」


「では海賊はなぜ俺たちの村を?」


「そこです。海賊なら海の上で盗賊行為を行います。ですが、それができないから陸上で盗賊行為に走っていると思われます。何らかの理由で船が使えなくなった、あるいは船を失ったので、自分たちが生きていくためにこっちにやって来たのでしょう。あなたたちが奴らに奪われたものは何でしたか?」


 村人たちは納得していた。彼らは最初に食料を奪われている。だが、ここからが本題なんだ。俺は皮の鎧を着こんだ男に声を掛けた。


「あなたは元兵士ではありませんか?」


「……そうだ。ベルドで領兵をやっていた。怪我をしたので村に戻って来たんだが。」


「では、あなたに質問です。50人の領兵と50人の盗賊で戦闘を行ったらどちらが勝ちますか?」


「領兵だ」


「なぜ?」


「盗賊どもは戦闘行為において連携ができないと聞いている。指揮するやつがいないからバラバラに攻撃を仕掛けてくる。領兵は指揮官の指示のもと集団行動を行うので確実に各個撃破ができると習った。」


「ご説明ありがとうございます。おっしゃる通り集団戦闘になれば盗賊どもは怖くありません。ですがアルテイト盗賊団には今の理由は当てはまりません。なぜなら指揮官の経験を持った者が彼らに的確に指示を与えているからです。」


 俺の言葉に全員が驚愕する。


「こ、根拠は!?」


 皮の鎧の男が聞き返してきた。慌てるな。ちゃんと説明するから。


「俺は盗賊団に襲われてここへ逃げてきたといいましたが、正確には『この村に逃げ込むように追い込まれた』と言えます。……サラ、ここへ来る道中に赤い肩当をした男を見なかったか?」


 奇跡の呼び捨て4回目!違和感なく言えてる!もうこれで仲良し決定だ。


 サラは考え込んでいたが何かを思い出した。やはりこの子優秀だ。


「見ました!川の側を通るときに木に隠れるように2人いました!」


 ……俺が山から出てきて≪気配察知≫と≪遠視≫で見つけた奴らだ。おそらく、この村に通じる道の要所に人員を配置し、さらに山の中腹、この村を一望できる場所から全体を監視している。


「なぜそんなことを!」


「村人どもが逃げ出さないようにと、町から援軍を呼ばれないようにと、自分たちの要求を満たすようちゃんとやっているか見る為にですよ。奴らは、優秀な指揮官のもとで連携のとれた行動を行い盗賊行為を行っています。俺もこの連携行動によって、この村まで誘導されたんですよ。」


 もはや、村長ですら声を失っている。実際は自分の意志でここに来たんだけど……。そう言ったほうがインパクトが強いし。よし、とどめの話に持っていこう。


「『長』殿、今何を要求されているのです?」


 俺は、サラをちらっと見て村長に話しかけた。村長はこぶしを握り締め何も言わずに震えている。デハイドが見るに見かねて口をはさんだ。


「あんたが思っている通りだ。俺たちは女の奴隷を調達することを要求された。」


 俺はサラのほうを見た。サラは表情を変えずじっと村長を見つめている。何となくわかっていたのだろう。


「彼女を盗賊団に引き渡せばどうなるのかわかってるのか!?」


 俺は怒気を込めてデハイドに問いかけた。今度はデハイドが黙り込んだ。絶対に彼女は慰み者にされる。ぼろぼろにされる。まさに性奴隷だ。考えたくもない。


「デハイド殿、サラを盗賊団に引き渡すことで、この村は解放されると思いますか?」

 俺はとどめの一撃を放った。≪情報整理≫でもたらされた結論がこれだ。この村はこの先延々と搾取され続ける。逃げることも反抗することもできない。マイラクトの港街と同じ状況になるのだ。


 村人たちはみんな下を向いている。絶望としか思えないこの状況に何をどうしたらいいのかわからないのだろう。俺もこの村人達と共にいることで、逃げ出すこともかなわず、死ぬまでここで働かされることになるだろう。


 ……それは許容できない。弟に会うためにこの世界に来たのに、最初の時点で朽ち果てていくようなことにはなりたくない。立ち向かわなければいけないのだ。だが、俺一人では大人数を相手に戦うことはできない。盗賊団はただ略奪行為を繰り返す無法者ではないのだ。有能な指揮官の下、統率のとれた軍隊と等しい。


 俺は≪神算鬼謀≫のリストから、あるスキルを選び出した。



 ≪百軍指揮(ひゃくぐんしき)



 ……おそらくこれを使えば、村人たちを指揮して盗賊団と戦うことができるだろう。だが、犠牲を出さずに勝つことができるだろうか?俺の≪情報整理≫が出した結論は、このスキルで盗賊団と戦うことができる、まで。つまり勝つという結論を出すためにはまだ情報が不足しているということだ。


 俺は思考を変え、≪情報整理≫が導き出した可能性について検証するために、夫を殺された女性に話しかけた。


「前に盗賊団がやってきた時、体つきのよい大柄の男はいませんでした?」


 女性は少し考えてから答えた。


「……いたわ。ひょろひょろの頭目の近くでずっとそこらじゅうを睨み付けてた。そいつの指示で小男が夫を切り殺したわ。」


 俺は目を閉じて彼女に頭をさげた。彼女にまた思い出させてしまったようだ。


 だがこれも必要な情報。おそらくそいつがこの盗賊団のナンバー2で俺が襲われたときにいた大柄な男だ。かなりの手練れだと思われる。かつては部隊長とかやってたんではないだろうか。盗賊らしく見えなかったもんな。だがなんでそんなやつがひょろひょろで落ち着きのない頭目の下にいるんだ?役に立たない弱い上位者は下剋上されると思うんだが。


「もう少しだけ思い出してください。その大柄な男は首に何か巻いてませんでしたか?」


 俺はもう一度あの女性に声をかけた。女性ははっとしてうなずいた。


「あったわ!首に黒い布を巻きつけていたわ!」


 ……ビンゴ。そうなると、ひょろひょろ頭目は、小物じゃなくなった。結局頭目が全体を操っている。


「『長』殿。」


 俺は再び村長に向き直った。


「……おそらく俺たち全員で盗賊団に立ち向かっても、奴らには勝てないでしょう。」


 周りにいる村人の顔色が変わる。デハイドも言葉を失ったまま唇を震わせている。


「ですが、俺一人で立ち向かえば、盗賊団を無力化できるかもしれません。」


 俺は、一見すると矛盾しているような事を口にした。全員で無理って言ってるのに一人ではできるって言ってんだ。そりゃおかしいわ。だが、それを説明して村人に納得してもらい、協力してもらわなければ、俺一人でも奴らを倒せん。ここからは会話無双レベル2!だ。しゃべり続けて全員に俺がやろうとしていることを納得させなければ。


「おかしなことを言ってると思われるでしょう。今から説明します。それを聞いて理解して納得できるのであれば、俺を信じて手伝ってください。」


 無一文で、使えない紫の剣しかもってない俺は、村人たちから必要なものを用意してもらわないと何もできない。俺は頭を下げて頼み込んだ。今の村人たちなら俺を信用してくれるはず。


「……やっぱりあんたはここから出て行ってくれ。」


 デハイドが厳しい口調で俺に言葉を返した。



 ……あれ?


文章が拙く、見るたびにあれこれ改善している状況です。

ご意見、ご感想をお聞かせください。


主人公はスキルをいろいろ使って村人の信用を集めようとします。しかしデハイドさんはなぜか主人公を追い出そうとしました。


次回はサラといい雰囲気になります。

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