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弟が作った世界でハーレム人生   作者: 永遠の28さい
◆第一章◆ 忌み子の奴隷少女
16/126

13 奴隷の考え方

09/26 誤字修正 会話文のインデント修正




 あれ以来、俺とサラの距離は少し離れたし、ぎこちなくなった。お互いに意識するようになったからだろう。昼間はまだいいのだが、夜はそれが顕著になる。

 昨日もお互いに背を向けて寝る始末だ。




 …非常に気まずい。アレは早まったかもしれん。




 朝はちゃんと俺が目を覚ましたら横に控えていて、挨拶をしてくれる。着換えを渡し、脱いだ夜着を片付けてくれる。

 でもそれ以外では俺の斜め後ろに控えてチラチラ俺を見て溜息をついている状態。

 今日は領代に呼ばれているのだが、この様子では連れて行くのはちょっと恥ずかしい。だからといって連れて行かないと余計に悪化するかも…。

 俺は俺でサラに対しては他人行儀な接し方になっている。


 このままではダメだ。悪循環に陥る!


 そう思った俺は、勢いをつけてサラに声を掛ける。


「今から領代館へ行くぞ。サラも支度して。」


 俺の声にサラの顔はパァと明るくなり、急いで紫の剣を担いだ。


「ご主人様、準備完了です!」



 ……そうだな。お前の持ち物はそれだけだったな。時々サラが『奴隷』であることを忘れてしまう。


 宿を出るときに、受付嬢に声を掛ける。外出する場合は行先を伝えておかないとダメなことになっているので、その連絡をする。受付嬢は素直に「畏まりました。行ってらっしゃいませ」と返事をし、俺たちを見送る。

 俺、被害者妄想に取りつかれてるのかな。知らず知らずのうちに手に銀貨を持ってたよ。



 俺はサラを伴って領代館を訪れた。入り口の外套男に要件を伝え、応対を待つ。

 しばらくして、領代室のほうへ案内された。


 部屋に入ると領代のヘリヤのほかにもう一人女性がいた。だが、その女性は首輪をつけていた。


「…その様子だと、その子以外の奴隷を見たのは初めてのようだな。彼女はマリン。私の奴隷だ。雑務をやらせている。」


 ヘリヤが俺の様子に気が付き、先に説明した。マリンと紹介された女性奴隷が俺に深々とお辞儀をする。その後、頭を上げたマリンはまじまじと俺を見つめる。つま先から順々に頭の先まで。…なんだ?


「その子がナヴィス殿のところにいた奴隷か?」


 ヘリヤがサラの紹介を促す。


「そうです。サラ、ご挨拶を。」


 やや不安だった。こんな状態のサラを紹介していいのかと思いながら、サラに挨拶を促すと、


「初めまして、サラと申します。この度は奴隷たる私への過分なるご配慮、身に余る光栄に感謝の意が絶えません。ここに直接お礼申し上げる機会を頂き誠にありがとうございます。」


 そう言って太陽神の教会でも見せた姿勢で恭しく挨拶をする。やはり真面目モードのサラはちゃんとしている。ほっとしたよ。


「マリン、お前の妹分に当たるのか?」


 ヘリヤはサラの挨拶に肯いたあと、マリンに会話を向ける。


「はい。ここに来るまで本当の妹のように可愛がっておりました。」


 …なるほど。妹分のご主人様である俺を観察していたのか。俺はサラのほうを見る


「はい、マリンお姉さまにはいろいろと教えて頂きました。」


 俺を見てその意図を理解し返答する。ツーと言わなくてもカーと返ってくる。…平常時では。


「マリン、その子を連れて隣の部屋へ行くとよい。募る話もあるだろう。私はエルバード殿と話がある。」


 深々とお辞儀をし、サラを連れてマリンは隣の部屋に消えた。

 領代室に二人きりになった。俺は改めてヘリヤを見た。




 …うん、いい。




 い、いや何を考えてるんだ?領代は何の用で俺を呼び出したんだ?


 ヘリヤは壁に貼られた地図の前に移動した。地図に描かれている大きな島はおそらくこの島だ。島の真ん中やや上段に赤い印がある。恐らくこれがベルドの街なのだろう。


「貴公に話とは、【金牛】のことなんだが。」


 なんだ、お宿のことか。まさか、ランクを下げろって話か。


「知らぬかもしれぬがこの街の東の台地は立ち入り禁止になっておる。そこは【金牛】の縄張りとなっているからだ。」


 ん?何の話だ?お宿のことではないのか?


「領代様、そもそも【金牛】とは?」


 ヘリヤはチラッと俺を見た。


「世界には『黄道十二獣』と呼ばれる“神獣”が存在する。それらは世界各地に自分たちの縄張りを持ち、我々を立ち入らせないように暮らしている。その神獣のうち1種が【金牛】で、ここから東の台地を縄張りにしているのだ。」



 ……黄道…十二……金牛…。たぶんあれだろう。



 だけど、今は深く考えないでおこう。今考えても無駄な気がする。




 とにかく、神獣が近くに住んでいて、そこは立ち入り禁止だという理解で行こう。もともと【金牛】の意味をあの受付嬢に聞くつもりだったし、この銀貨を渡すことなく情報を手に入れたと前向きに考えよう。


 で、その【金牛】がどうかしたのか?


「実は、何やらよくない噂が流れているので、様子を見てきて欲しいのだ。領兵の中から選抜しようと思ったのだが、みんな嫌がってしまってな。」


 ヘリヤはばつが悪そうな説明をする。


「俺にその縄張りまで行って【金牛】の様子を見てこいと。」


「報酬は出す。金貨2枚だ。」


 言って牛の様子を見てくるだけなのに、その報酬は破格だ。まったくもって怪しすぎる。



 だが、行ってみたい。



 神獣と呼ばれるくらいだから、神に近いものと考えていいだろう。また彼らの縄張りは神域になるかもしれん。行けば何か情報を得られるかも。


「…わかりました。今から向かいましょう。その代り、戻ってくるまでサラを俺の奴隷を預かってもらえませんか。あのマリンという子からなら、食事を貰っても問題ありませんよね。」


 “奴隷は、主以外の者から衣食住の提供を受けてはならない”


 奴隷法ではそう定められている。だが、奴隷からの提供であれば、奴隷は人間としての権利適用外のため、この法には触れないはず。


「…なるほど。よかろう。あのサラという奴隷のことは引き受けた。」


 それを聞いて、俺はヘリヤに一礼する。


「では早速向かいます。明日の夕方には戻れると思います。」


 そう言って、そのまま領代室を出た。




 この時、俺は重大なミスを犯していた。





 おそらくヘリヤは側近の誰かに偽の情報を掴まされ、俺にこの仕事を依頼してきたのだろう。わざと立ち入り禁止の場所に行かせて、問題を起こさせ、これを理由に失脚させるとか、そういうものだろう。ヘリヤもわかったうえで俺に依頼をしている。ヘリヤの期待に応えるには、何事もなく【金牛】を見て帰って来たら良い。


 俺は【金牛の神域】と呼ばれる台地の手前まで来た。ここで、≪遠視≫≪仰俯角監視≫≪気配察知≫のコンボを使う。俺感覚で1キロほど後ろに赤い点が3つ。2キロ先に青い点が1つ。

 おそらく赤い点は俺を付けてきた、ヘリヤを陥れようとしている輩の手先だろう。

 そして青い点は…金牛だと思いたい。


 俺はその場所に≪遠視≫≪仰俯角監視≫で見てみた。


 木陰に寝そべった巨大な牛を見つけた。体はやや黄身がかった色で短い体毛に覆われている。そして頭に黄金に輝く角を生やしていた。



 …これが【金牛】。桁違いの大きさだ。3メートルくらいはあるか。



 俺はじっとスキルを使って様子を見ていた。


 不意に【金牛】の目がこちらに向く。


 (小僧!我が領地に何用じゃ!ここを【金牛の治むる地】と知っての所業か!?)



 しゃ…しゃべるのか?


 い、いや声が聞こえているようではない……。直接頭に響いている。


 (何故答えぬ!?ワシは気が長い方ではない。答えよ!)


 俺は頭の中で相手の問いに答えた。


 (…俺の用事はあなたにお会いすること。神獣と呼ばれるそのお姿を見たいと思うてここまで来ました。)


 (何?)


 (俺は『アマトナスの僕』です。)


 (なんと!ではこの世ならざる者か!?)


 【金牛】は大きな角の付いた頭をもたげた。ゆっくりと立ち上がり俺がいる方向に体を向ける。


 (…帰れ。)


 は?


 (教えてやる。創造神は下界に神の威光を示す為だけに、ワシらをこの地に縛り付けた。おかげでワシらはここから出ることすらできん。こんな仕打ちをする神にいい感情を抱いていると思うか?ましてや貴様はその使いだ。話すことなど何もない。わかったら帰れ。)


 そう言ってくるりと向きを変え、森の中に入っていく【金牛】。


 (また、来ます。)


 そう言って【金牛】に一礼する。


 【金牛】は俺の言葉が聞こえたそぶりは見せず、そのまま森の中に姿を消した。

 まさかスキルで覗いていたのを見つけられるとは思わなんだ。しかもあの距離から会話まで飛ばしてくるとは…。いくら何事もなく済んだとは言え、恐ろしい。

 俺は胸を撫で下ろした。


 しかし【金牛】の態度はおかしかった。明らかに俺に、というより『アマトナスの僕』に関わりたくない感じだった。


 俺としては、いろんなことを知りたいのだが、知れば知るほど新たな疑問が湧く。その度に今考えてもわかりっこないから保留、にする事柄が増えていく。







 俺は追跡者の期待を裏切って、無事に帰ってきた。追跡者は街の入り口にさしかかった辺りで追跡をやめ、俺はようやく自由になった。


 一目散に、領代館に向かい、入り口に立つ外套男に領代との面会を求める。男は、すぐに領代室に案内した。それもかなり急いでいた。…なにかあったのか?


「エルバード殿がご帰還されました。」


 男が部屋の扉の前で声を出すと、少しだけ間があって、「通せ」とい返事が返ってきた。男は一歩退き、俺を扉の前に勧める。俺は扉を開け、中に入った。


「…待っておったぞ。」


 かなり不機嫌な顔をしたヘリヤが肘をついてこちらを睨んでいた。いったい何があったのだろう。


 隣の部屋の扉が開き、中からマリンとサラが出てきた。


「ただいま、サラ。マリンさんと一晩一緒に過ごして楽しかったか?」


 サラは返事をしなかった。真っ赤な目をして、目の周りは腫れている。口をへの字に結んでる。隣のマリン姉さんは心配そうな顔をしている。明らかに何かあった。…サラに。

 サラは、無言で俺に近づき、そのまま俺に抱きついた。


「お、おいどうしたんだサラ!ここは領代殿の前なんだから!サ、サラ!?」


 俺はわけもわからず、怒鳴りつける。が、サラは無言で俺にしがみ付き、顔を俺に押し付けて俺に見られないようにする。

 俺は、助けを求めてマリンさんのほうを見た。マリンさんはスッと俺から視線をはずした。ヘリヤのほうを見ると、ブスっとして目も合わせてくれなかった。

 サラは何かをやらかしたようだ。


「サラ?」


 俺はサラに話しかけるが、しがみ付いたまま何も言わない。

 もう一度ヘリヤを見た。呆れ顔をヘリヤは顎でマリンに指示を出す。


「…サラちゃんは、エルバード様に捨てられたと思ったようで…。」


 その一言で大体分かった。俺はしがみ付くサラを引きはがそうとした。だがサラは抵抗して俺から離れようとしない。いろんな角度からサラを押し返すが俺の腰にしがみ付き決して離れようとはしなかった。


「…もうよい。そのままでよいから報告を。」


 ヘリヤは完全にご機嫌ナナメだ。


 俺は、【金牛の神域】と呼ばれる台地での様子を報告した。ヘリヤは俺の報告がわかっていたかのような顔で溜息をつく。


「どうせ私を陥れようと画策したのだろうと思っていたが、貴公が何事もなく戻って来たので当てが外れたな。…付けられていたのだろう?」


「はい。2~3人ほど。しかし、直接手を出しては来ませんでした。」


「ならば、これ以上奴らを追い詰めて爆発されるのも困るから、放っておくか。」


 ヘリヤは主犯が誰かわかっているようだった。実害がないのであれば、放っておいて二次災害にならないようにだけ手筈を進めるようだった。


「さて、その子のことだが…」


 …はあ。サラはどうしちまったんだろう。ここんとこ何か思いつめている感じはしていたんだが…。


「この子は一晩中お前を呼んで、泣き叫んでいたんだ。おかげで私とマリンは一睡もしていない。」


 やはり…。俺に対して何かしらの不満があったんだ。そこへ来てサラに何も告げずに街の外へ行ったもんだから、勝手にいろんな妄想をして、こうなったんだろう。


「今回の依頼の報奨金はなしだ。文句は言わせんぞ。」


「…はい。」


 サラの行為自体は不問にしてくれた。本当なら罰せられるはずだ。何も言えん。


 ヘリヤの不機嫌は直らないまま、俺とサラは領代室を後にした。




 宿に戻ってきた。


 サラは一言も言葉を発しない。


 何が不満なのかも言ってくれない。


 俺は、途方に暮れていた。どうしたものかと思案するが、こういう時に限って≪情報整理≫はだんまりを決め込んでいる。


「ご、ご主人…様」


 ようやくサラが口を開けた。


 俺はサラを見た。何か鬼気迫るものを感じる。


「お、お願いが…あります。」


 サラは真剣な目で俺に訴える。


「毎晩、サラの隣にいて頂けるのはすごくうれしいです…。でも、どうして、か…可愛がって頂けないのでしょうか。」


 …か、可愛がる?何を言ってるサラ?


「サラはこのまま、グランマスターの下へ返されるのでしょうか。」


 顔赤らめながらも涙を浮かべ、俺に訴える。俺は訳が分からない。何を言ってるんだ。俺がサラを手放すわけがないだろう。


「お願い…します。ご、ご主人様のご寵愛を…ご寵愛を頂けませんでしょうか…。」


 サラは着ていた夜着を脱ぎ捨て、自分の全てを俺に晒す。

 サラは涙を流しながら言葉を続ける。


「サラは…サラは、ご主人様のご寵愛を頂きたくて、張り裂けんばかりです!お願いです!サラを見捨てないでください!」



 俺は今のサラを見て、胸が苦しくなった。



 生まれた時から奴隷のサラは、奴隷のための教育を受けて育っている。逆にそれ以外の教育を受けていないのだ。だから、主に見捨てられないようにすがる行為も当たり前のように行われる。


 俺はそんなことをしなくても、決してサラを見捨てるようなことはしない。しかしそれをどれだけ説明しても、奴隷にとってみれば『手を付けないのは売り払う予定だから』と考えるのだろう。そう教育されたからだ。

 だからサラも俺が自分を売り払わないようにするため、恥ずかしくても自分からお願いをしたんだ。


 …俺がサラにこんな恥ずかしいことをさせていたんだ。



「フゥゥゥゥウウウウ……」


 俺は大きく息を吐き出した。




 …足りない。全く、俺の覚悟が足りてない。




 だから、サラにこんな格好の悪いことをさせてるんだ。


「ごめんよ、サラ。俺がちゃんとサラを扱ってなかったから、こんなことになるんだな。」


 サラは何も言わずじっと俺を見てる。


「時々俺はサラが『奴隷』であることを忘れてしまう…。普通の友達や、兄弟のように接してしまう。それがサラを不安にさせていることもわからずに…。」


 サラは無言でブンブン首を振る。


「サラは俺の(・・)奴隷だ。この先もそれは変わらない。」


 俺は恐怖心や羞恥心や躊躇心は全て服と一緒に脱ぎ捨てた。そして何も言わずに立ったままのサラに近づき、肩を抱き寄せた。

 サラはその力に逆らわず、俺に体を寄せる。


「だからサラを抱くぞ。」


「…はい。」


 サラの返事を聞いた俺は、サラの頭をひと撫でして両手で抱き上げた。サラはその動きに合わせて俺の首に両手を回す。そしてそのまま寝室に向かった。







 その夜……






 俺は、大人の階段を上った……。







 何度も何度も、上った……。









 朝になった。


 いつもなら、サラは自分の支度を全て整えて迎えてくれるのだが、今日は違った。

 俺の腕の中で俺が目を覚ますのを待っていたようだ。

 超至近距離で目が合う。


「…おはようござます、ご主人様。」


 おそらく俺が見た中で最高の笑顔だ。


「う、うん…おはよう。」


 サラは俺の挨拶を聞いて満足の笑みを浮かべ、俺の胸のほうに体を摺り寄せる。お互い一糸纏わぬ恰好なので密着度がハンパない。そして非常に心地よい。昨日、あれだけ肌を重ね合ったはずなのにその心地よさは飽きることは決してない。

 俺もサラも互いの肌のぬくもりを楽しむために、ずっとベッドの中にいた。


 不意にサラが何かを見つけ、訝しげに俺の顔を見た。


「…ご主人様、サラの太腿に何かコンコン硬いものが当たります。なんですかこれは?」


 …て、天然か?そこにある硬いものと言えば1つしかないだろう!


「そ、それは俺の『朝おっきい君』だ。け、健康的な男子は朝起きると『朝おっきい君』が出現するんだ。」


 俺の返事を聞いてサラは目をパチクリさせたが、顔を赤らめつつ嬉しそうにした。


「フフッ。『朝おっきい君』ですか。初めて知りました。男の人ってこれで体調管理ができるんですね。」


 そう言って、俺の『朝おっきい君』に触れてその感触を楽しみだした。



 …止めて。


 そんなことされたら、俺の『朝おっきい君』は、『ホントにおっきい君』に変身してしまう。



 俺は、いろんなものに抗いベッドから降りた。このままでは、一日中ベッドで楽しいことをし続けてしまう。

 サラに起き上がるよう促し、着換えを済ませ、二人で一階に向かった。





 一線を越えた男女は、精神的にも物理的にもキョリが縮まると聞いていたが、俺はそれを今体感している…。


 階段の途中の食堂が見渡せる位置で、席を探すサラは俺の腕に体を預けていた。見れば俺の小指に自分の指を絡めている…。


 これが、男女の仲…なのか。


「ご主人様!あそこが開いています!」


 サラが、空いているテーブルを指さして声を上げた。その声は一階にいる受付嬢にも届く。受付嬢は振り向き、俺とサラの姿を見つけた。


 …目が合った。そしてその目線はそこからやや下にずれた。




 ……み、見られた。




 受付嬢は、再び俺と目を合わせ、ニッと笑う。





 …この銀貨は彼女のもとに流れる運命にあったようだ。



サラは奴隷です。奴隷には奴隷の考え方や、物事の基準があるようです。

主人公はそのことを少しずつ学んでいきます。

そして奴隷の主に相応しい知識と経験を手に入れられるよう努力することを改めて誓うのでした。


しかし、受付嬢はちょっと引っ張ってしまいました。こんなにキャラを出すつもりではなかったのですが、面白かったのでもう少し引っ張ります。


次回はようやくグランマスターが登場します。

一章の終わりが見えてきました。あと3話で一章は完結します。

完結後に、章のタイトル名と各話の副題を正式版に切り替える予定です。


ご意見、ご感想を頂ければ幸いです。

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