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弟が作った世界でハーレム人生   作者: 永遠の28さい
◆第七章◆ 新たなる使命
103/126

3 エルバードの使命

ずいぶんと時間をかけてしまいました。

仕事が忙しかったからと言い訳したいくらいです。

じっくりとお読みください。



 洞窟の入り口で知性の欠片もない形相で俺を威嚇しつつ、必死に訴えかけてくる「コロセ」の言葉。


 俺は何がどうなっているのかわからず、獣を凝視した。そこへ髪留めに使っていた櫛から着物美人さんが顕現し、俺を庇うように獣の前に立った。


「び、美人さん!」


 顕現した着物美人を凝視して獣が咆哮をあげ、瘴気のような魔力波が俺達に押し寄せたが、美人さんの前でパキン!と音を立てて弾き返された。

 着物美人さんは獣を憐れむように眺めた後、振り返って俺を見た。


「こ奴を葬ってやってくれぬか。…既に魔獣としての知性を失ってしもうておる。」


 悲しげな表情で俺に頼みごとをしてくる美人さん。…無理っしょ!?


「い、いや、どうやってこんな巨体と戦えと!」


「“この世ならざる者”よ。おぬしならできるじゃろ?」


「無理無理無理無理!」


 俺は首をブンブン横に振って拒否した。だが、懇願するように美人さんが俺を見つめる。それを見た支配人殿が怒りを剥き出しにして吠えるように大声を上げた。


「それ見たことか!迷惑を掛けぬ故この者の側にいるのではなかったか!!!やはり貴様は2000年の前より好かぬ!今ここで食い殺してくれるわ!!」


 もう正体を隠す気などさらさらないような態度の変貌ぶりに俺は青ざめた。というより、かつて味わったあの時の恐怖が甦るほど、俺の身体が震えた。更にこの隙をついて暴獣状態の魔獣が前足を掲げ、美人さんに向かって振り下ろした。


「危ない!」


 咄嗟に俺は体が動き、美人さんを抱えて地面を転がった。間一髪で魔獣の足が地面を強打する。


「美人さん!大丈夫!?」


 俺は胸元に抱え込んだ美人さんに声を掛けた…が、美しい和装美人の顔が目の前にあってドキリとした。


「貴公…近くで見ると、良い男じゃな。」


 く、こんな時に褒められるとは。俺ってば照れてしまってる。もうこのまま唇を吸い寄せても…はっ!何考えてんだ!この人は魔獣だった!ぐあぁぁぁあ!


 ズガンッ!!


 いけないコトを考えてたら、暴走魔獣の前足が再び襲い掛かってきた。俺は着物美人さんを抱えて回避したが、僅かに前足に纏った瘴気のような魔力触れてしまった。

 触れた部分の服が溶け、皮膚が爛れ、俺は苦悶の叫びをあげる。直ぐに≪傷治療≫で回復させ、態勢を整え身構えた。


「コ…ロ……セ!」


 胃に直接スピーカーをあてられたかの様に腹に響く声が俺に向けられる。


「“この世ならざる者”よ。こ奴に死をくれてやって…」


 胸元で“九尾妖狐”が切ない声で再び懇願するが、俺は首を横に振った。


「美人さん、助ける方法を考えましょうよ。」


 俺は、美人さんを離れた場所でおろして、素早く暴走魔獣のもとに戻る。魔獣は虚ろな眼で俺を睨み付け唸り声を上げた。俺は後方で腕を組んで険しい表情で見つめるもう一人の美人さんに≪遠隔念話≫で声を掛けた。


(…この者を助けるため、少しだけ…力を使います。どうかご容赦を。)


 もう一人の美人さんからは返事はなかった。俺は大きく深呼吸をし…静かに目を閉じた。



 俺の周りに薄い膜が現れた。


 膜は最初は透明だったが、徐々に赤みを帯び、やがて膜を包み込むように渦巻き始めた。



 ≪絶対防御球≫



 ≪白拍子の加護≫アビリティに含まれるスキルで、最近使用できるようになったのだが、発動までに時間がかかるのだ。俺自身がかなり集中力を高めて発動させないといけないが、かなりの優れもの。何せ、暴走魔獣の前足ガシガシ攻撃を完全にふせいでいるのだ。


 ふう。これで落ち着いて神力を高められる。俺は内に潜むモノに力を込めた。

 俺の中で何かが輝きを増し、その力が内から外へと広がって行く。俺は魔力と神力の違いについて、それほど違いがないと思っていた。だが、今ははっきりと違うことを感じる。あふれ出す神力は他を寄せ付けぬ神々しさを放っている。

 やがて俺の全身に神力が行き渡った。これで準備は整った。





 さあ、俺を断罪する神々よ。






 貴様らの暇つぶしに付き合ってやろう。






 …まずは≪破邪顕正≫だ!







 俺は≪メニュー≫を開き、指でアビリティリストにある≪破邪顕正≫を選んで、そのままスキルリストに移動させた。






 ドクン!







 俺の鼓動が大きく弾み、続いて内側から外に突き破る様な強い衝撃が走った。

 全身から白いオーラが溢れだし、俺の身体を包み込んだ。


 この白いオーラは神力か…?俺の力ではない…な。これが神から授かりし本来の力なのか。…まさか、アビリティをスキルと見なして使用する方法があったとはな。これも≪メニュー≫を持つ俺だけのシステムだと思っていいか。


 さて…。


 俺の身体から出るオーラは白銀の鎧を作りだし、白い羽を背中に生やして噴出を停止した。




 【エルバード】(神教護軍長モード)

 『属スキル』

  ≪破邪顕正≫  ←new!

 『固有スキル』

  ≪状態管理≫

  ≪異空間倉庫≫

  ≪闇使い≫

  ≪異界料理≫

  ≪氷の武術≫

  ≪雷陣≫

  ≪天光の秘技≫

  ≪神教護軍長≫ ←new!

 『呪い』

  ≪刹那の治癒≫

  ≪魂の真贋≫

  ≪ブレス≫

  ≪透視の白眼≫

  ≪真偽の邪眼≫

  ≪ウリエルの断罪≫ ←Oh!




 なんか、名前の横にモードがついた。

 元々セットしてたスキルが全部消えてるし…固有スキルがあるし、考えたくもない呪いがついてる。


 スキルが入れ替わったお蔭で、俺を覆っていた膜は消え、暴獣の前足が俺に襲い掛かってきた。



 だが、その前足は途中で止められた。いや、前足だけではなく、全身の動きが止められていた。


「我を敬うがよい!」


 思ってもない言葉が勝手に飛び出る。手で口を塞ごうとしたが、思うように体が動かない。


「神に縛られし暴獣よ!神に次ぐ我がその鎖、解き放ってやろう。以後、恒久に我を敬うが良い!」


 い、いや俺全然そんなこと思ってないんだけど!ちょっと!何!?体が勝手に動くんだけど!!


 俺の身体は俺の意志とは無関係に動きだし、暴獣の前足に飛び乗り、そこから奴の首輪の近くに飛び移った。俺は訳が分からずそこで立ち尽くす。


(何をしておる!?今の貴様は我の力でその首輪を壊すことなど容易いではないか。)


 その声はホシガミノクソギン…グボォ!や、やめて!内側から殴るのは!


 俺は腹を押さえつつ暴獣を縛る首輪に手を掛けた。首輪は淡い光を放ちながら砂粒の様に砕けて宙に消えていった。




 …う、うわぁ…。これ、もう完全にアウトだわ。人外すぎる…。魔獣を“隷属”するほどの強力なチカラ…。それが一瞬で砕けたんだよ。これまでのなかで人外度ナンバー1だよ!死刑確定!





 俺は恐る恐るフェルエル殿を見た。





 フェルエル殿は呆けていた。



 いや、俺を見て意外そうな表情を見せて俺の中にある何か(・・)を覗き込んでいた。





 そして……。





 周りが白い光に包まれ、体がふわっと浮き上がった感覚を受け……俺は例の白い部屋に移動していた。

 俺のすぐそばには首輪が取れた状態のさっきまで狂っていた魔獣がおり、俺の方をじっと見つめている。更にフェルエル殿、そして、その後ろに創造神(おとうと)が立っていた。

 更に更に…俺を中心にして幾柱もの神が降り立ち、俺を見ている。



 な、何コレ?……何の罰ゲーム?



 俺は青ざめた。


 以前の時とは違い、ただ何もない空間に佇み、数多の神が俺を注視している。俺は目を閉じて全てを覚悟した。



「“この世ならざる者”よ!」


 創造神様の声が響き渡る。…ああ、此の声を聞くのもこれで最後か。


「よくぞ、≪全知全能≫の力に目覚めた!」


 …なに?



「異界の神より授かりしその力…此の世界を救うべく思う存分使うべし!」



 へ?



「其は神を宿いし唯一の使途!其の身を此の世の修復に捧げよ!」



 じょ、状況が飲み込めない…。


 弟は何を言ってるんでしょうか。誰かこの状況を説明してちょうだい。


(貴方は、神の御霊を我が身に宿すことのできる“この世ならざる者”となったのです。)


 声を聞いて振り向くと、そこには静御前(シラビョウシ)様が微笑んでいた。そしていつの間にか創造神が傍い佇んでいる。弟は静かにやさしく弟の口調で語りかけた。


「僕の力だけではどうにもできない。だから前世の神にお願いをして、『魂の循環』という名目で神力を持つ人間を借りていたんだ。…それがようやくまともに神力を扱える人間が来たと思えば…兄ちゃんだったから、びっくりしてたんだけどね。…けど、さすがは僕の兄ちゃんだ。」


 俺は訳が分からないので、ひとまず説明を求めた。






 神々は口々に言う。


 この世界は滅びかけている。だが創造神ですらこの滅びの砂時計を止めることができぬと。


 神々は口々に言う。


 神が力を貸すから人間の過ちが正されることはできないのだ。故に


 神々は口々に言う。


 これ以上の魂の循環では四精の均衡を保つことは出来ぬ。故に精霊王を復活させねばならぬ。だが、神の力で精霊王を復活させても意味はないと。


 神々は誓う。


 世界失くして神の存在はありえぬ。故にこの世を生きる人間に過去の過ちを繰り返さぬよう導き続けるために、“この世ならざる者”に力を与えよう。


 神々は誓う。


 神の力を持つ英雄に導かれ、かつての生活を…


「あー断る!」




 …好き勝手しやがって。


 俺は目立ちなくないんだ。まして英雄に何ぞならん!他をあたってくれ。


 俺は憤り、怒り、そして嫌味を込めて、その場に座り込んで首を差し出した。


 神々に良い様にこき使われるのはまっぴらだ。その為に人外の力があるのなら。俺はいらん。昔に戻すために俺が英雄になる必要があるのならは俺はやらん。いっそ殺してくれ。


「増長がすぎるな。」


 聞き覚えのある声が頭に響く。見るとそこには三面の顔を持つ神、アルザラート様が怒りの面でもって俺を睨み付けていた。


「…なんとでも。私はお断りします。」


 アルザラート様は怖い顔を更に険しくして恐ろしい顔にした。


「理由を聞こうか。内容によってはその魂…即刻浄化してくれる。」


 太陽神様は俺を睨み付けた。俺もちびりそうだけど睨み返した。


「人間の未来のために、この力を使えと言うのなら喜んで全て捧げるでしょう。ですが、貴女方のなさろうとしていることは、過去に遡り元に戻さんとしているだけ。また過ちが繰り返されるだけです。」


 場の空気が変わった。神々が俺に耳を傾けんと静まり返った。…もう死刑は確定してんだ。こうなりゃとことん言ってやる。


「分岐を誤ったからといって、過去に戻り分岐をやり直すようなやり方は止めてください。誤った先で新たな分岐を作りだし、そこでより正しい方向にむければ良いのです。」


「貴公、何が過去に戻る様な行いなのだ?」

 長い髪を蒼黒く輝かせた神、カルドウォートが怒気を漲らせた表情で迫る。…怖い。


「この世界…1000年前から時が止まったままなのではありませんか?」


 俺はこの世界に来てからずっと感じてきた違和感をぶつけた。

 この世界、気候に変化がない。天気は常に同じ。温度の変化もない。場所による違いはあるが、同じ場所では、雨が降る場所はずっと降り続け、雪が降る場所では雪が降り続け、風が吹く場所では吹き続けている。…おそらくそうすることで、この世界の大地を維持しているのではないか。


「…そうだ。四精を司る神が存在しない今、そうすることででしか、この大地を維持できん。」


「新たな四精の神を生み出すことはできないのですか。」


 俺は弟を見やって答えた。


 俺の答えに弟は意外な顔を見せ、嬉しそうな顔に変えた。


 何せ弟が出した答えと同じだったからだそうだ。


「にいちゃん、僕たち…やっぱり兄弟だよね。」


 創造神の姿をした弟は暫く俺を見つめて何かを思案した後、振り返りこの白い部屋に居る神々の方を向いた。その姿は威厳に満ちており、神々の頂点に君臨する神々しさを備えていた。


「…新たなる四精の神を創造する。我はその為に暫し隠れるが、その間の世界の均衡を頼む。このまま時間を止めた状態では世界は成長することはない。1000年前に我より与えられし役目を終えるためにも我に力を貸せ。」


 その言葉に、太陽を司る神アルザラート、星を司る神カルドウォートが恭しく跪いた


 そして弟は再び俺の方を見た。


「“この世ならざる者”よ。我より2つの使命を与える。」


 創造神モードの良聖。俺は跪き首を垂れる。


「1つ…。六ノ島に赴き、ヘゼラサートの封印を解くのだ。」


 そうだ。ヘゼラサート様にも来いって言われてたっけ。

 俺は頭を深く下げた。


「1つ…。貴公の側にいる小童。あ奴を勇者として育てるのだ。」




 な?





「あ奴のアビリティ≪他力本願≫はヒト族と魔族との争いに終止符を打つために我が用意した唯一無二の能力。まさか“この世ならざる者”に付与されるとは思わなんだが。」



 確か仏教用語で「他力」とは阿弥陀如来の事を指すと聞いた事があるな。…ここでは「俺」になるということか?


 俺は思案した。神様が絡む時には≪情報整理≫は全くだんまりになってくれるので自分で考えなきゃならんのだが…。


「謹んでお受けいたします。必ずや果して参ります。」


 神を助ける?面白いじゃないか。


 勇者を育てる?楽しそうじゃないか。


 この世界を満喫したい俺にとっては願ってもない。俺には“人外の力”もある。やってやろうじゃないか。




 やがて白い世界から解放され、元の洞窟の入り口に戻ってきた。


 そこには恍惚とする支配人殿と、嬉しそうに俺にしがみ付いた着物美人さんと、俺に服従?を示す巨大な獣と…怒りに尻尾を震わせる銀色の蠍がいた。





 …蠍!?






 俺感覚で数分間、銀色の蠍は俺を睨み付けていた。…いや正確には俺達(・・)なんだろう。俺の右腕にしがみ付いてる着物美人さんも、俺の左腕を抱きしめる支配人殿も見知っているようで、ハサミをカチカチ鳴らしながら全身を震わせて怒りを露わにしていた。

「ニンゲン如きが…俺様に何の用だ!」


 甲殻類の表情ってわからないもんだと思ってたけど…誰が見ても怒っているのが一目でわかるほどの炎を滾らせた目。…正直、話ができる状態じゃないと思う。加えて俺の後ろでさっきまで暴れ狂っていた暴走魔獣がおとなしく俺に服従の姿勢を見せているのも火に油を注いでいると思う。


 さて…どうしようか。


「天蝎獣様。」


 俺は出来るだけ平常心で声を掛けた。その瞬間、蠍の爪が俺に襲い掛かり、俺の顔の目の前でピタリと止まった。一瞬ビビったがなおも平常心で話を続けた。


「天蝎獣様、お願いがございます。この島の半分を貴方様が治められ、残りの半分に竜人族が暮らしておりますが、住める土地は少なく、飽和状態となっております。」


 爪が俺の両頬に触れた。あと一押しで俺の首がちょん切られる状態。でも話を続ける。


「天蝎獣様が治められる土地を少し分けて頂けないでしょうか。さすれば、竜人達は貴方様を崇め、よりよき暮らしが…」


 俺は咄嗟に身を後ろに引いた。次の瞬間ハサミがジャキンと音を鳴らして俺の首があった場所で勢いよく締まった。


 汗が流れる。ヤバい、今のでかなりビビってしまった。


「よく避けたな。だが次はないぞ。俺様の土地は俺様のものだ。同族同士で争う様な愚かなニンゲン共には一歩たりとも踏み入れさせる気はない!」


 ふう…。どうやら交渉の余地がありそうだ。要は愚かなニンゲンでなければ良いってことだな。


「誰もそんなことは言ってねえぞ!」


 蠍は俺の心を読んでまたもや爪を俺の目の前に近づけた。


「ですが、このままでは竜人族は争いを続ける事になります。それは神獣としての本分ではございますまい。」


「俺様の自由だ!」


 蠍は聞く耳持たぬ姿勢で俺にハサミを突き付けた。


「…天蝎獣よ。」


 今まで俺の腕にしがみ付いていた支配人殿が、いつもと違う口調で話しかけた。途端に怒りの矛先が彼女に向いた。だが、その爪を細い腕で軽く受け止め憐れむような表情で天蝎獣を見た。


「…何で貴様がニンゲンなんかに寄り添っている!」


「…最初はアマトナス様の命でこの者の様子を見ているだけじゃったのだがな。なかなか興味をそそられる者でな。ついさっき『覚醒』まで成し遂げて、今は嬉々として側に寄り添っておる。」


 創造神の名を聞き、動きが止まる蠍。だがその名を聞いてより怒りが露わになったような…。


「神獣はニンゲンに対して不可侵が約定だったはず!何故貴様が!」






 やっぱり…。





 フェルエル殿は神獣様だったか。



 彼女は神力を持っておられた。だから最初はヒト族ではなく半神族だと思っていたが…四ノ島での振る舞い、俺の心を読んだ能力。そしてこの着物美人さんとの仲の悪さ。人間ではなく、“神獣”…。


 恐らく彼女は…。




「処女獣様…。」




 怒り狂う天蝎獣様を無視して俺の声に反応し、ゆっくりと俺を見上げた。


「…ようやく真なる我を知ったか。」


 どんな顔をするのかと思えば、晴れ晴れとして後ろめたさをみじんも感じさせず、にこやかに俺の目を見ていた。


「何故嬉しそうなのですか?」


「当然だ。1000年待ったのだ。お主のような人間を。」


 嬉しそうに答えると天蝎獣様の方に向き直った。


「天蝎獣よ。黄道十二神獣筆頭の名において命ずる。其が人間の言葉に耳を傾け、其が願いを聞き遂げよ。」




 し、支配人さん、神獣様の筆頭なの?




支配人殿の正体はやはり神獣様でした。

当初、支配人というキャラクターは第一章のみの登場だったのですが、作者自身が気に入ってしまい、後半のプロットを書き換えて登場させ続けていた愛着のあるキャラです。

ようやく、その正体を書きだすことができました。そしてまだまだ主人公に関わっていきます。

どうか彼女を暖かい目で見守っていただければ…。


次話では、“この世ならざる者”の秘密の回です。

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