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75話

 さて、いよいよラスト。教官対オーギュストだ。これは見物。しっかり技術を吸収しとかないとな。あと、オーギュストの弱点とかも調べとかないとな。オーギュストは好戦的な性格みたいだからな。いつでも対策は練っておかないと…。


「オーギュスト・ルシアンボネ、前へ。模擬戦を始めるぞ。」

「ん?あぁ、そうだな。」

「…では、戦闘、始め!好きに攻めるといい。儂は攻撃せんぞ?」

「はっ!嘗められたもんだな!そんなこと言ってられるのも今のうちだぜ?」


 オーギュストの装備は巨大な両刃の戦斧、バトルアックスに防具はバンデットメイルだ。ガントレットにグリーブ、それに頭を守るためのヘッドギアまで着けている。なんだかんだで頭防具をつけている生徒は俺とオーギュストだけだ。バンデットメイルはチェインメイルの上から金属板を包帯のように巻いて補強した鎧で、オーギュストのバトルアックスと相まって、その姿はまさに重戦士。ザ・ファンタジーって感じだ。

 オーギュストの身長は150㎝程度と小柄で、持っているバトルアックスよりも小さい。しかし、奴はまだ6歳。伸びしろは十分あり、今後、どうなるのか非常に気になるところだ。

 一方、教官だが。彼の武器は全長が彼の腹当たりまである両手剣で、グレートソードよりもやや小柄なエスパドン。防具はチェインメイルにプレートアーマ―を固定したプレートメイルだ。しかし、頭には何も着けておらず、視界を確保するためなのか、それとも顔を見せるためなのかわからないが、とにかく着けていないのだ。その姿はまさしく騎士。こちらもファンタジー臭がプンプンする。

 教官対オーギュストのファンタジー対決。これはもう、興奮してしまうな。



 試合開始直後、威勢良く飛び出したオーギュスト。その動きにはバトルアックスやバンデットメイルの重さなど微塵も感じられない。アイツ、どんだけ怪力なんだよ。

 勢いそのままにオーギュストはバトルアックスで教官を横薙ぎにする。が、教官は後ろに下がりそれを避ける。


「オーギュスト・ルシアンボネ!お前の斧はそんなものか?止まって見えるぞ!」

「ほざいてろ、よ!」


そして、教官はオーギュストを挑発する。オーギュストもなかなかだが、教官はさらにその上だ。余裕が見られる。

 オーギュスト、今度はバトルアックスを振り下ろし、教官を叩き斬ろうとするが、またしても避けられる。教官は体を半身にし、バトルアックスを観察するようにして避けた。

 避けられたバトルアックスはそのまま地面へ、大きな亀裂と共に突き刺さる。結構深く食い込んだがオーギュストは大丈夫だろうか?


 どうやら杞憂だったようで何の苦も無くそれを抜き、次の攻撃を仕掛けた。



 次々と繰り出されるオーギュストの攻撃をきれいに避けていく教官。そんな戦闘がしばらく続いた。教官も鎧を付けてよくもまああんなスイスイと動けるものだ。



「何時まで避けてんだよ!」

「避けられるような攻撃を出す貴様が悪いのだろう?だが、貴様の意見ももっとも。その攻撃を見に受けてみなければわからんこともあるな。では、次で最後だ。」

「そうだな。俺の斧を受けてただで済むと思うなよ?」


 勢いよく振り下ろされたバトルアックスを教官はエスパドンを構えて、それを受ける。教官が初めて武器を使った瞬間だ。

 振り下ろされたバトルアックスはエスパドンに当たると同時、金属がぶつかり合う音と共ににその動きをぴたりと止めた。


「……何、だとっ。」

「こんなものか。オーギュスト、まだやるか?」

「いや、これで終わりだ。そういう話だったろう?今回は負けを認めてやるよ。」

「ふむ。だが、しかし、貴様もなかなかだったぞ。残ることを認めよう。」

「へっ。そりゃどうも!」


どうやら勝負はついたようだ。オーギュストも随分と聞き分けがいいな。バトルアックスを止められたのが結構きてるのかもしれないな。まぁ、オーギュストの性格なんて見た目特徴だけで判断してるからな。実はかなり聞き分けがいいやつなのかもしれないが。


「では、前半の授業を終了する。昼休憩の後、再びここに集合だ。鐘の音と共に始める。では、解散!」


 授業は終了らしい。周りを見ると、初心者組は既に昼休憩に入っているらしく、訓練場にいるのは実力者組とエリザベートだけだ。エリザベートは遠くからこちらを観察していた。案外真面目なのかもしれないな。上の者の技術を観察して、自分の身にしようというのだ。関心関心。


 

 前半の授業が終わり、他の奴らは食堂へ向かったようだが、俺はまだ訓練場にいる。後半の授業が鐘の音とともに始まると言っていたし、今から教室に戻ろうとして迷っても面白くない。なのでここで昼食をとることにした。訓練場から少し離れ、日当りの良さそうな場所を見つけると、そこに弁当を広げる。もちろん、訓練場は視界に見える位置だ。これなら迷う心配もない。

 弁当を広げ、さぁ、食べようという時になって、エリザベートが近くに腰をおろし弁当を広げ始めた。


「どうして私がこんな地べたに座って食事をとらないといけませんの?」


とかブツブツ言っているが、まぁ、無視だ。俺にだって事情がある。嫌なら一人で教室に戻ればいいだろうに、なぜかいつも俺の近くだ。イネスだっているんだから大丈夫だと思うんだけどな。


 

 そんなエリザベートのことは置いといて、俺は今日もエルザの弁当に舌鼓を打った。



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