69話
これで一回戦がすべて終了しました。準決勝に勝ち進んだのは1番、ローヌ・ベルニエ、3番、レーヌ・ベルニエ、6番、レオナール・ベルニエ、8番、ラインスとなりました。次はいよいよ準決勝です。果してどのような戦いになるのか!?非常に楽しみです!
それでは準決勝一戦目、ローヌ・ベルニエ対レーヌ・ベルニエ。母子対決です。
(パッパッパッパー)
先ずはお互い様子見、睨み合っています。
ローヌ選手、手始めに風の刃を放ちました。レーヌ選手、これを盾で受け止めます。盾に少し亀裂が入ってしまいましたが何とか防ぎました。レーヌ選手、何度もローヌ選手の攻撃を防ぐことは出来なさそうです。レーヌ選手は早期の対戦終了が求められますねー。
レーヌ選手、『ラッセルチャージ』で距離を詰めます。ローヌ選手、風の刃でレーヌ選手を止めようとしますが止まらない!盾に亀裂を刻みながらローヌ選手に詰め寄ります。
ローヌ選手、透かさず脚に魔法を纏いこれを避けます。間一髪でした。レーヌ選手、立ち止まり、再びローヌ選手に詰め寄ります。
ローヌ選手、再びこれを回避しようとしますが、レーヌ選手、直前で立ち止まり、回転して盾を横に振り回す!これは、『サイドフリックバク転コンボ』です!『ラッセルチャージ』の回避姿勢に入っていたローヌ選手、そのまま『サイドフリックバク転コンボ』を避けます。レーヌ選手、タイミングを誤ったかー!?
ローヌ選手、レーヌ選手が隙を見せたためここぞとばかりに風の刃を大量レーヌ選手にぶつけます!レーヌ選手、盾をかぶり、これを防ぎますが動けない!このままでは盾が壊れてしまいます。
レーヌ選手の盾が、今、壊れましたー。大量の風の刃がレーヌ選手を切りつけていきます!レーヌ選手の防具は既にズタズタです。しかし、レーヌ選手自体には傷一つ付いていません!なんという防御力でしょう!まっったくダメージを受けてないようです。ローヌ選手もこれには驚きを隠せません!
ローヌ選手、諦めずに風の刃を放ち続けますがレーヌ選手はそれをものともしない歩みでローヌ選手に近づいていきます!
あーっと、ローヌ選手の風の刃でレーヌ選手の防具が――――――
しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。しばらくお待ちください。――――
準決勝一戦目、勝者はローヌ・ベルニエ!レーヌ選手、まさかの反則負けで敗退です!
続いて準決勝二戦目を開始します。レオナール・ベルニエ対ラインスです。少しレオナール選手が興奮しているようですが大丈夫でしょうか?試合に影響が出るかもしれないですねー。
(パッパッパッパー)
先に攻撃を仕掛けるのはやはりラインス選手。一回戦同様火の玉を試合開始と共に吐き出しました!レオナール選手、これを盾で難なく防ぎます。
火の玉を盾で消されてしまったラインス選手。奇襲は無理と判断し、上空へと飛び上がり、距離を取りました。
ラインス選手、上空から火の玉を吐き出し、レオナール選手にぶつけます。レオナール選手、これを盾で弾きますがラインス選手が上空にいるため攻撃することができません。両者、決定打を与えられないまま、硬直状態が続きます。
先に痺れを切らしたのはラインス選手!複数の火の玉と共にレオナール選手へと向かっていきます。火の玉で隙を作り、ブレスで止めを刺すつもりでしょうか?
レオナール選手、ここで二つに分裂しました!『ミラージュ』による幻影でもう一人の自分を作り出したようです!ラインス選手、火の玉を二つに分け、自分は二人の間めがけて飛んでいきます!ブレスで二人を同時に仕留めるつもりのようです。
大量の火の玉が二人のレオナール選手に襲いかかります!そしてラインス選手、ブレスをー、吐いたー。火の玉もろともブレスが二人を飲み込みましたー!
ブレスがなくなり、そこにいるのはラインス選手のみ!さすがのレオナール選手も炎の中では生きていられなかったようです!
準決勝二戦目、勝者はライ――
おっと、ラインス選手、いきなり倒れました!どうしたのでしょうか!?あぁーっと、レオナール選手、どうやら生きていたようです!これはすごい!『ハイド』で身を隠していたようですね。素晴らしい奇襲だ!しかしどうやって炎の中で生き残ったのでしょうか!?確かにレオナール選手は炎のブレスに飲まれたはずだぞー?
あ、はい、はい。わかりました。…どうやらレオナール選手、『ミラージュ』で分身を二人作りだし、自らは『ハイド』で遠くに隠れ、ブレスに飲まれることを防いでいたようです。ラインス選手、これには騙されてしまったようです。最後には『バッシュ』によって沈黙させられました。
準決勝二戦目、勝者はレオナール・ベルニエ!素晴らしい、機転を利かせた奇襲でした!
次はいよいよ決勝です。ローヌ・ベルニエ対レオナール・ベルニエ。夫婦対決となりました!この夫婦、どちらが強いのでしょうか?ベルニエ家、大黒柱はどちらなのかー!?非常に面白くなってまいりました!!
トントン
「失礼します。フランク先生。そろそろレーヌさんを解放していただけないでしょうか?寮のみんなが心配しているんですが…。」
「んー、確かに日も暮れてるしなぁ。レーヌ、今日はもう帰っていいぞ。仕方ない。次がんばろうな?」
(フルフル)
クリスが迎えに来てくれたようで、やっとフランクから解放される。しかし、第2回気力対抗戦が終わっていない。さっさと終わらせて帰るか。
「何だ?まだやるのか?よし、俺はいつまででもつき合うぞ!」
(コクッ)
「そうですか。ではレーヌさん、私はエリザベートさんと一緒に廊下で待ってますね?」
(コクッ)
エリザベート?なんであいつがまだいるんだ?一発目で『トーチ』成功させて帰っていったはず…。俺の方をニヤニヤしてみながら。あー、憎たらしい!あいつも心配してきてくれたのか?いや、しかしあいつがそんなことを…?まぁ、いいや。さっさと決勝戦を終わらせよう。
(パッパッパッパー)
レオナール選手、最初から全開のようです。『ミラージュ』によって大量の分身を作り出していきます。ローヌ選手、これではどれを攻撃していいかわからない!
大量のレオナール選手がローヌ選手に襲いかかります。これは気持ち悪い!
ローヌ選手、これにひるむことなく、どんどん魔力を溜めていきます。そして、魔力を、放ったー!
大量のレオナール選手が上半身と下半身に分かれてしまいました。巨大な風の刃ですべてのレオナール選手を切断してしまったようです。恐るべきローヌ選手の風の刃!ベルニエ家の大黒柱はローヌ選手だったようです!
決勝戦、優勝はローヌ・ベルニエ!素晴らしい戦いでした!ここに、第2回気力対抗戦の終了を宣言します。ローヌ選手、おめでとうございます!
(フリフリ)
「なんだ?もう終わりか?どうだった?」
(フルフル)
「そうか、また次がんばろうな?俺はいつでも付きあってやるぞ?」
(コクッ)
「よし、いい子だ。じゃあ、気を付けて帰るんだぞ?」
(コクッ)
「じゃあ、さようなら、レーヌ。」
(フリフリ)
俺は教室の扉を開けて廊下に出た。廊下ではクリスとエリザベート、それにメイド二人が待っていた。どうやら本当にエリザベートは俺を迎えに来ていたようだ。ふむ、結構優しいところもあるんだな。
「では、帰りましょうか、レーヌさん。」
「遅いですわよ?レーヌ。これだから平民は。あんな簡単な魔術も使えませんのね。」
前言撤回。やっぱりこいつはウザい。
「それにしても二人とも遅かったですねー。レーヌさんはフランク先生に掴まってたから仕方ないとして、エリザベートさんはどうしたんですか?」
「そ、それは…。そう!道に迷ってたんですわ!なかなか外に出られなかったんですの!えぇ、そうですわ。私は外に出られなかったんですの。助けていただいてありがとうございますわ、クリスティアーヌさん。」
「ふふふ、そういうことにしておきましょうか。でも偶然教室の前で会えてよかったですね。」
「えぇ、本当に。偶然会えてよかったですわ。レーヌと一緒に帰ることになってしまいましたけれど、仕方ありませんわね。光栄に思いなさい、レーヌ。この私と一緒に帰れるんですもの!」
はぁ、本当に面倒臭いやつだ。一緒に帰りたいなら一緒に帰りたいと言えばいいものを…。まぁ、帰り道で他の生徒に何されるかわかったもんじゃないからな。しかし、廊下で待ってたならフランクに少し物申すくらいできただろうに。そうすればもっと早く帰れたはずだ。人を馬鹿にすることばかりに頭を使っていて肝心なところで頭が働かないんだから使えないな。
俺たち五人は一人が騒ぎ、一人が相槌を打ち、他三人は黙って寮に帰ったのだった。




