4話
起きた。誰もいない。特にすることもないので自分の体について考える。転生もので、赤い髪の人がいたとなると、転生先は異世界ということではないだろうか。赤い髪に限らず、青や緑、ピンクでもいいのだが、とりあえず前の世界では珍しい色である。つまり、前の世界と同じ世界ではない…はずである。異世界ということは、異世界特有の何かがあると考えてもいいだろう。魔法とか、魔法とか、魔法とか。だって異世界だもの。魔法とか、不思議な力使えるかもってあこがれちゃうよね。魔法はロマンだよね。というわけで魔力的な何かな感覚が体にあるのか探ってみる。目をつむり、体の中心へ意識を…。なんかあった。体の中心というより全身を何かが巡っている感覚。前の世界では感じられなかった何かがあった。やっべ、テンションあがる。もしかしたら転生チートで俺TUEEE!できるかも。とりあえずこの魔力的な何かを魔力?としよう。
魔法を使うには訓練が大事だよね。いろんな転生ものの小説で訓練すると魔力量が多くなってチートってパターンがあったし、力はないよりあった方がいいよね。というわけで訓練開始である。
まずはこの魔力?は自分の意志で操作可能なのかという点である。それが無理なら呪文とかだろうから訓練も呪文を覚えてからになる。試してみよう。とりあえず魔力?を手に集めてみる。できた。手の内側を覆うように集まっている。しかし、これは非常に疲れる。やはり訓練は必要になるのだろう―――。
どうやら眠っていたようだ。転生もの、魔法訓練でおなじみの「最初は疲れる」である。これを繰り返していけば疲れなくなるのだろう。きっとそうだ。そうに違いない。でなければ俺TUEEEができない。俺TUEEEをしてハーレムを作る。これはもう決定だ。異世界で魔法っぽいものがあるなら可能だろう。何事も前向きに、そう、前向きに…。でも、まだ疲れが残ってるから訓練はあとにしよう。そうしよう。
そんなことを考えていると授乳タイムである。4回目だ。慣れたもんである。咥えてー、吸ってー、飲んでー、吸ってー、飲んでー……。
お腹いっぱいである。食べたら寝る。これ大事。揺られ、歌われ、いざ夢の世界へ…。