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56話

 食事が終わり、みんなで談話室に移動する。みんなといってもエルザは食事の片づけや風呂の準備、明日の仕込等忙しいのでいない。


 5人で談話室に入り、それぞれ適当なソファに着く。そして食事中は完全に空気と化していたメイドが紅茶を入れてくれた。まぁ、食堂からここに移動するまでにもいろいろサポートしてくれてたし、食事の前には前掛けとかの準備を4人にはしてたけどな。ただ、みんながまるで空気みたいな扱いだっただけだ。


「これは私の専属メイドのキアラよ。」

「で、こっちが私のメイドでクロエ。」

「こちらはわたしの身の回りの世話をしてくれるブリューエットさん。」

「…リア。」


それぞれ専属のメイドがいるとはやはり貴族だな。4人のメイドさんはそろってお辞儀をしてきた。クロエとリアはわかるけどキアラとブリューエットは違う家に使えてるはずだが?なんでそろってお辞儀ができるんだよ。不思議だ。それだけメイドの質が高いってことか。


「他にも執事とか護衛の兵とかいるんだけれどここは男子禁制だし、紹介も面倒だから、まぁ、いいわね。」


他にもいるのかぁ。俺の様な平民とは違うな。というか男子禁制?ガス君男だぞ?俺だって心は男だ大丈夫だろうか。とりあえずガス君のことだけでも伝えておきたいが俺は既に今日は5言を使い切ってしまている。どうしたものか……。俺はガス君を見つめる。


「……もしかしてそのコボルト雄なの?」

(コクッ)


クラエスが俺の言いたいことを悟ってくれた。頭いいな。


「まぁ、コボルトなら大丈夫よ。別に私たちに発情したりしないでしょ?種族だって違うし。」

(コクッ)

「発情って…、でもその生き物コボルトっていうんですね。わたし、初めて見ました。」

「私だって見るのは初めてよ?どうやって手に入れたのかしらね。……あぁ、カラム爺ね。」

(コクッ)

「じゃあ、そのワイバーンは?それもカラム爺?でもカラム爺がそんな伝手を持ってるとは思えないわね。」

(フルフル)

「じゃあ、誰かしら。……デフロットね。まったく、孫に甘々ね。それにいくら使ったのかしら。」

(デフロット?)

「…あなた、自分の祖父の名前すら知らないの?あなたの祖父、私たちの町『カルナの町』の雑貨屋の店長の名前はデフロットよ。」

(コクッ)

「クラエス、よくレーヌと会話できるねー。シャルより言葉数少ないでしょ。というかまだ一言もじゃべってないよね?表情だって全く変化しないし、どうやって会話してるのー?」


ふむ、確かに、今日会ったばかりだというのに俺と会話できるとは、俺の家族と同類か?


「え?そんなの簡単よ。顔の表情やしぐさから大体のことはわかるわ。エデもちゃんと観察しなさい?あと、レーヌ。失礼なこと考えないで。」


俺の思考はバレバレらしい。恐るべき洞察眼。カラム先生以上だな。


「カラム爺と一緒にしないでほしいわ。彼より私の方が上よ。」


……もう何も言うまい。まぁ、一言もしゃべってないんだけどな。


 いつの間にかクリスはガス君とシャルはラインスちゃんと遊んでいる。まぁ、遊び方は対照的で、クリスはガス君を膝に抱いてモフモフしているし、シャルはラインスちゃんと追いかけっこだ。ラインスちゃんは手加減しているようで低速飛行でシャルから逃げている。というかシャル、ラインスちゃんの名前はライラじゃないぞ。まぁ、俺はもう声が出せないから訂正できないのでほっとくしかない。というかなんで雌だってわかったんだ?


「よーし、私もレーヌとの会話に挑戦してみるー。そうだなぁ、会話の内容はみんなの紹介ってことでどう?まだ、お互いの名前しか知らないし。」

(コクッ)

「よし、じゃあ私の紹介からね。私はエデ・クレー。北の町、『アミアの町』を治める領主、マルコ・クレーの娘だよ。治めてるのはアミアの町だけじゃなくって、この国の北の地方を治めてるよ。北のリーダーだね。えーと、シャルロットの姉で、来年は中等部3年、11歳になるんだ。何か質問はある?」

(フルフル)


 さらに付け加えるなら容姿は柿色のポニーテールで、身長はいたって普通、11歳ならこんなもんだろ。半袖短パンで、見えている四肢は少し筋肉質だが、程よい筋肉量だろう。肌も少し焼けている。鍛えているのかもしれないな。活発そうだし。胸は、お察しである。まだまだ子供だからな仕方ない。まぁ、俺も人の事言えないけど。


「じゃあ、次はクラエスいってみようか。クラエスは『カルナの町』を中心に西の地方を収めているバロー卿の娘だよ。来年は高等部2年、13歳になるね。何か質問は?」

(フルフル)


 まぁ、容姿については13歳にしてはちょっと背が高いかなという身長と、銀髪のロングストレートが特徴的だな。服装は清楚な感じで肌の露出が少ない。見える手足の肌は白く透き通っている。胸は膨らみかけといったところ。今後に期待か?


「ドンドンいこー。次はクリスだね。クリスは公爵家の娘で、王都に家があるんだけど、デベルナール公爵の教育方針で寮生活をしてるね。ただ、公爵だから下手な寮には入れられないってことでここに住んでるってわけ。来年は中等部1年だっけ?9歳になるのかな?」

「はい、そうですよ。無事試験に受かってよかったです。」

「とか言って、ほんとは余裕だったんでしょ?で、レーヌ、何か質問は?」

(フルフル)


 クリスはフリフリした服を着ていてかわいい。身長は普通だが、その胸は本当に9歳かというほどの成長だ。巨乳というわけではないが、今後がとても期待できるな。髪の色はクリーム色だ。肌の色はどちらかといえば白だ。色白の日本人って感じだな。


「さぁ、ラストは私のかわいい妹、シャル。クレー卿の娘だよ。無口だけど、表情は豊かかな?私の自慢の妹だよ。来年は小等部2年、7歳になるよ。」

「……よろしく。」

(コクッ)

「…質問はないんでしょ?」

(コクッ)


 背の高さは俺と同じくらい。髪の色はエダと同じ柿色だ。少し癖毛なのか、ショートヘアーにウェーブがかかっており、頭に一束のアホ毛が生えている。外套なのか、ローブなのか、とにかく大きな服で体がつつまれており、着る人が着たら変質者だ。


「よーし、レーヌと会話で来たぞー。」

「会話というより一方的に話してただけだけどね。」

「……やっぱり?」

「えぇ、会話にはなってなかったわ。」

「そうかー、やっぱり、レーヌとの会話は難しいな。」

「エデにはまだ早かったわね。」

「くそー、今回は何も言い返せない…。」

「いつもほとんど言い返せてないじゃない。」

「うっ……。」


エデが負けて項垂れている。クラエスは強いな。敵に回さないようにしないとな。


「レーヌ、いい判断ね。」

「………。」


怖いな!どうなってるんだよ、クラエスの頭の中!


「別に怖くないわよ?頭だって、少し勉強ができるくらいよ。」

「そうやって、またレーヌと会話して……。こうなったらレーヌと一緒にお風呂に入ってやる!」

「どうしてそうなるのかしら…。飛躍しすぎだわ。」

「会話ができないなら、裸の付き合いってね。」

「…シャルも。」

「あ、じゃあ、私もいいですか?」

「……じゃあ今夜はみんなで入りましょうか。」

「なんだよ、それじゃあ私の優位性がー!」

「貴方に優位性なんてないわよ?」

「もー。レーヌいこう。」


 言うが先か俺はエデに引きずられようにして浴室へと連れて行かれた。みんなも後からついてくる。というか着替えとかタオルとか持ってきてないんですが…。


「着替えならそこのコボルトに持ってきてもらえばいいし、タオルなら脱衣所においてあるのを使えばいいわ。」


あ、そうですか。教えていただきありがとうございます。


「いいのよ。同じ寮に住む仲間だもの。助け合わなきゃ。」

「なんでそうやって会話できるんだよー!」




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