2話
転生してしまった俺だが、つまりは前世では俺は死んでいるということである。死因は何だったのだろうか。まぁ、考えても仕方がないのであまり深くは考えないが、それにしても惜しいことをした。せっかくテスターに選ばれたというのに…。一切ゲームをやらずに死ぬなんて…。しかもキャラメイクすら終わってないという……。落選した人に申し訳ないなー。
さて、気持ちを切り替えていこー。テンションあげてくぞー。こんな状況テンションあげないとやってらんないでしょー。
とりあえず今の状況を整理してみよう。転生して赤ん坊。金髪の女性と赤ちゃんプレイ。自分の姿不明。言語は俺の知っているものではない。
「…………。」
絶句である。今までしゃべってなかったけど、言葉を失った。赤ちゃんプ…、ここは考えちゃいけない。
しかし、赤プレから、おそらく金髪の女性が俺の母親だろうと考えられる。まだ目がはっきりとは見えないが母親?が美人であることを願おう。自分に遺伝するからね。やっぱりイケメンがいいよね。今の姿は不明だが追々わかるだろう。どうかイケメンでありますように…。もし両親がブサイクでも奇跡的に子供がイケメンとかあるよね。俺はきっとそれだ。もう、両親の顔なんてどうでもいいや。これから俺の親になる人だ。顔よりも性格。ちゃんとした親だといいなぁ。
そういえば父親を見ていない…。まぁ母親もホントに母親かわからないんだけど…。どんな人だろうか?そもそもいるのか?いなかったらちょっとさみしいなぁ。母親?も仕事に行かないといけなくなるから一人になるんだろうなぁ。兄か姉はいるのかな?でも、いたら顔見せてくれてもいいと思うんだけどなぁ。家族についてはそのうちわかるだろう。楽しみに待っていよう。
次に考えるべきは自分の身の振り方だ。転生者として前世の知識使って俺TUEEE!をやるのか、なるべく平凡に生きるのか。前世では転生ものの小説をいくつか読んでいて俺TUEEE!な状況にあこがれるが、そもそも今世では前世の知識が俺TUEEE!に繋がるかがわからない。この世界を知るために最初にすべきことは言語の習得だろう。母親?の言葉をよく聴いて、まずは単語を覚えるとしよう。
ずっと吸っていたためお腹も膨れてきた。口を離すとやはりゆりかごの動作である。
「♪~○×~♪~」
子守唄も合わさって非常に心地いい。これはもう、寝るしかないな。言葉の勉強は起きてからでいいか。