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1話

 ひどい頭痛だ。頭が痛い。目の前は真っ暗で何も見えない。上はどっちで下はどっちなのか、手足はどこにあるのか。何か音が響いている感じがするが、頭痛によるものなのか、本当に聞こえているのか。全く分からない。不意に何かに包まれるような感覚がして、意識が遠のいて行った―――。



 目を覚ますと視界がぼやけていた。よく見えない。とりあえず周りを見渡そうと首を動かしてみるが動かない、びくともしない。やばい、金縛りだ。めちゃくちゃ怖い。幽霊とか信じてないけど、超怖い。体が動か………、普通に動いた。金縛りではないみたいだ。よかった。マジでびびった。布団がかかっているようだ。…そういえば寝てたんだったな。あの頭痛は何だったんだろうか。変な病気じゃなきゃいいけど…。まぁいっか、普通に起きれたし。体を起こそうと……起き上がれない。え?どういうこと?


「○×△□ー。」


なんか声が聞こえた。女の人か?なんか言ってるけどわけわからん。


「××○△。」


また聞こえた。同じ人みたいだ。相変わらずなんていってるかわからん。視界になんか入ってきた。金髪の女性だろうか?ぼんやりしててよく見えない。抱き上げられた。………えっ?成人男性ですよ?普通に抱きかかえられたんですが…。しかも全身包み込むような…。この人デカくない?そもそも人じゃないのか?じゃあなんだ?怪物にでも拉致られたのか?いやいや、怪物がこんな優しそうに抱きかかえるのか?とか考えてるとなんか口に当てられた。口に入った。なんか口の中に広がった。これは飲み込むしかないな。飲み込んだ拍子に吸ってしまった。また口に広がる。抱かれてる姿勢はいつの間にか寝る姿勢から座る姿勢になっている。飲んでは吸うを繰り返しているうちにお腹がいっぱいになってきた。

 口を離すと今度はゆっくりと揺られる。心地いい。眠たくなってきた。


「♪~○×~♪~」


心地よい歌も聞こえる。相変わらずなんていってるかわからないが…。

 これはあれだな。さっき口に入れられたものも女の人?の顔の位置から想像して…。頭も…動かないし、グラングランしてて…なんか支えられてるし……。もう…あれし…かな…い……な……―――。



 どうやら寝てしまっていたようだ。今は…、仰向けに寝転がってるみたいだな。布団は掛けられて無いようだ。下半身が心なしか寒い。と、下半身に集中していると何か拭かれている感覚…。まさか、これはあれなのか?確かに、寝る前に考えてたことからすると確かにあれなのだが…。しかし、俺的にはあれであってほしくない。よってあれという言葉にしているのだが…。……よし。確認してみよう。直接この目で見たいのだが、相変わらず首は動かない。あれである可能性が高くなったようだ。目だけを動かしてみてみる。寝る前に見た金髪の女性?がいた。服装の雰囲気からそう考えたがおそらく正解だろう。何か作業をしているように見える。うん、深く考えるのはやめよう。ありのままを受け入れるんだ。


 しばらくするとどうやら作業は終わったようで、女性に抱きかかえられた。そして口に当てられる。そういえばお腹がすいているような…。仕方ないので咥えて、吸って、飲んで、吸って、飲んで…。ここまで来たら仕方ない。潔く認めてやろう。俺はどうやら二十歳にして赤ちゃんプレイをしているらしい。非常に恥ずかしい。かといって辞められるわけでもない。やめたら生きていけないし、ましてや言葉が通じないのだ。どうやってやめさせるというのか…。力ずく?赤ん坊の力などたかが知れてる。無理だろう。この状況を受け入れるしかない。

 つまり俺は、転生してしまったらしい。

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