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10話

4月19日 誤字修正 

5月2日 誤字修正


 『初めての声記念日』から1か月くらいが過ぎた。今日は3の月1週目の1日である。まだまだ、春の陽気で徐々に気温は上がってきているが過ごしやすい気温のままだ。


 魔力?量は増え現在は肩あたりまで塊を作ることができるほどになった。どんどん増えるペースが速くなり、1年くらいで全身満遍なく魔力?がつめられることになってしまうだろう。相変わらず外へ出す手段を見つけられていないがこのまま増え続けると破裂したりしないだろうか。常に圧縮してないと弾けるとか怖すぎるんだが…。少し心配である。だが、まだまだ先のことだ。少しずつ考えていこう。

 魔力?の形の変化についてだが、予想は外れて、一度形を決めてしまうと操作を解除しないと別の形に変更することはできなかった。今までのことから魔力?の性質についてまとめ、仮説を立てた。

 魔力?は液体のような性質で体を流れていて、体外に出ると気体のようになる。気体のようになった魔力は自分の意志で動かすことはできず、また、気体のようになっているので触れることはできない。この気体となった魔力?は風など、自然現象によって飛ばされたりはしないが固体を通り抜けることはできない。ローヌに抱かれているときはローヌの魔力?が俺に入ってくることはないため、そのように考えることができる。水中時ではどうなのか、確かめてないが、風による影響がないことから水中でも同じように影響を受けないのだろう。ただ、不思議なことに、身に着けているもの、服や装飾品からは魔力?が通り抜けているので固体を通り抜けることができないと言い切ることができない。どんな違いがあるんだろうか。

 液体が気体になるように、魔力?は固体のようにもなると考えられる。つまり、一度形を決めた魔力?は固体のような性質になり、次に形を変えるには液体のような状態に戻さなければならないということである。形を変えるためには液体に戻すために操作を解除し、全身の流れに従わせ、操作が可能になるまで待たなければならない。少し不便だが、無限に使えるとなるとそれはそれでチートな気がするのでまぁ、妥当なところかもしれない。

 さて、右手に集めたときには形を変えることができた理由は、右手に集めた魔力?はまだ液体のような状態であり、そのため、右手と同じ形になって集まるのである。つまり、右手という形のビンに魔力?という水が入っている状態である。そして、圧縮後、指先で球状にすることでその性質が液体から固体へと変わるのである。まぁ、液体が圧縮できるというのは少し変な気もするが、あくまでイメージである。実際に液体、気体、固体になっているわけではないだろう。本当に固体になっているとしたら俺の体の中はボロボロである。それなりの大きさのものを普通に動かしてたしな。



 魔力?に関する考察も終了し、同時進行で魔力?の訓練もしていた。いつものように両親と一緒に朝食をとり、ローヌに背負われる。


「今日は町に行きましょうね~。」


ん?どうやら町に行くらしい。初耳である。まぁ、毎日同じ散歩のコースで飽きていたし、楽しみだ。未だ家族以外の人を見たことがないので見れるかもしれない。人以外の人種も見れるかも。ケモ耳とかケモ耳とかケモ耳とか。異世界でケモ耳はやっぱり憧れるよね。俺はモフリストではないがそれでも獣人は好きだ。ケモ耳とか尻尾とか見ていたい。

 

 町への想いに馳せていると準備が終わったようだ。外ではレオナールが待っていた。


「おまたせ~。」

「では、行こうか。」

「グルルルァ!」


ちょっと待て…。なんか聞こえたぞ。

恐る恐る覗いてみると、ローヌの肩越しに大きな真っ黒の毛むくじゃらが見える。毛むくじゃらは頭に金属製と思われる光沢をもつ兜をつけていて、兜の他に小さな小屋に車輪が付いたものが繋がれている。どうやらこの小屋、荷車らしい。

 俺がじっとその毛むくじゃらを見ているとレオナールが


「こいつはブラックベアーのアルフレッドだ。レーヌは会うの初めてだな。お父さんの友達だから食べられる心配はないぞ。」


と説明してくれた。友達って…。まぁ、危険はないらしいがそれでも怖い。立ち上がったらレオナールの2倍くらいはあるんじゃないだろうか。襲われたらひとたまりもないだろう。


「アルフレッドは毎日町へ荷物を運んでくれるのよ~。」

「あぁ、アルフレッドがいなければ町へ物を売りに行けないし、買い物だってできないな。」


なるほど。道理で見かけないわけだ。いつもはレオナールが町へ行ってしまってから散歩に行くからな。町へ行かないときも家畜を怖がらせないためにどこか別の場所にいるのだろう。森の中とか…。


「さぁ、町へしゅっぱーつ!」

「おぉ~!」


こうして6人目の家族と出会いを果たし、なぜかちょっとテンションの高い両親といっしょに町へ行くことになった。

 

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