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108話

6月2日 誤字修正

 それから一月が過ぎ、今は2の月だ。

 俺の防具が完成したらしく、今はそれらが届くのを待っている。さすがは王都、自分で取りに行かなくても届けてくれるそうだ。まぁ、それなりの素材と金額を払ったからな。優遇してくれてもいいだろう。



「レーヌ、荷物が届いたわよ。付いて来て。」

(コクッ)


どうやら、その場でサイズとかの問題がないか確認するらしい。俺はエルザに付いて、荷物を受け取りに行く。


 そして着いたのが談話室。何故かみんな揃っている。俺の新装備を見に来たようだ。ちょっと恥ずかしいじゃないか!


「レーヌ様、お待たせして申し訳ありません。これがご注文のあった防具と盾でございます。」


防具屋の人が仰々しく頭を下げて礼をした後、防具についての説明が始まった。この部分はストーンウルフの何処何処を使用しておりとか、なんか長そうなので適当に流しておく。他のみんなも退屈そうだ。


「あたいはそんなことどうでもいいの!早く着させたらどうなの!」


 等々フェリシ―が切れた。突然大声を出すからジュネが怯えちゃったじゃないか。可愛い。ナイスだフェリシー。


「……畏まりました。それではレーヌ様、失礼します。」


 俺は服の上から防具を着せられていく。まぁ、服と言ってもTシャツに短パン、ニーソだ。上から着ても問題ない。



 装備の説明は下から行こう。


 先ずは脚、ブーツだ。脚の動きを阻害しないよう、膝下までのブーツになっており、また、オーダーメイドだけあってピッタリとフィットしている。つま先には爪がついており、狼を意識したのではないだろうか。この爪も、地面をしっかりとつかんでくれるような構造になっており、走りやすい。

 靴下は伸縮機能付きの布製ニーソだが、下に落ちないようにガーターベルト付きだ。


 次は腰だ。腰はガーターベルトに短パンで、袋などを引っ掛けておくための場所が幾つか設けらえている。また、腰の両サイドにはガードがついているのだが、中が空洞で、上から鎖を入れて収納できるよになっている。また、ガードは解体可能で、中で鎖が詰まっても取り出すことが可能だ。まぁ、気力さえ使ってれば詰まることもないだろうが。


 ここまですべて毛皮でできている。修理が大変そうだな。


 次は上半身、体だ。袖なしのハイドアーマーで、首まで覆われている。今度は全身が毛皮で覆われていて、あまり硬くない。ホント、修理が面倒臭そうだ。それに管理も大変そうだな。それに防具の意味あるのか?柔らかいぞ?まぁ、俺に防具なんて意味ないんだが……。


 腕は前腕と手を一括りにした手袋だ。指先は穴が開いており、物をつかみやすくなっている。こちらももちろん毛皮で覆われている。


 次に頭である。これが意味が分からない。何故かケモ耳だ。狼の耳のカチューシャを付けている。俺の髪と同じ色に染めており、本当にそこから生えている様に見えるだろう。カチューシャの他に、前頭部を守るための一部が金属でできた鉢巻もあり、鉢巻がカチューシャをしっかりと固定しているのでカチューシャが外れることはあまりないだろう。


 ケモ耳カチューシャの他にいらない機能がもう一つ。腰部分に狼の尻尾が生えているのだ。邪魔でしかないと思うのだが、みんながみんな外すな、付けていろと言うので外すに外せないのである。慣れれば問題ないのか?まぁ、ガードの一部だと思ってればいいか。一応中は骨が入ってるみたいだし……。



 さて、防具の説明を終え、感想を一言。コスプレじゃん。獣人族とか見ててファンタジーって感じがするが、自分で着けてても、ファンタジー感が出ないので特にこれと言って興奮を覚えない。邪魔だなぁくらいだ。この尻尾や耳に特殊な機能があるなら別だが、鉱石を使ったところで、俺には魔力が使えないからな。気力で動く鉱石とかないんだろうか。


 

 さぁ、次は盾である。俺が注文したのは小さな二つに、盾様サイズの盾一つだ。さてさて、どんな盾が出てくるのか。まぁ、見えてるんだけどな。


 先ずは小さな盾である。大体俺の手の平くらい。もうちょい大きいか?まぁ、それくらいだ。ただ、予想以上に小さい。確かに小さい盾と言ったが、この世界の防具屋は極端だ。小さな盾は投げて使うだけだし、問題ないと言えば問題ないが……。

 小さな盾の表面には狼の絵が描かれており、ちょっとデフォルメされている。ガス君をイメージしたそうだ。使った素材もストーンウルフのやつだしな。狼デザインはまぁ、いいんじゃないか?

 小さな盾は腰のガードに取り付ける部分があり、ガード一つに付き、九つくらいとりつけられる。なので、追加で十六個買った。そしたらおまけで鎖を二本くれた。細いけど頑丈なんだそうだ。長さもそれなりにあり、これからはこの鎖を使っていこうと思う。収納に便利だし。



 さて、次は大きな盾、盾様二代目である。初代盾様はボロボロになってしまわれたので、使えそうな部分は使ってもらえるように売った。銅貨10枚くらいで売れた。まぁ、結構ボロボロでベコベコだったし、お金になっただけましか。

 そんなことより二代目だ。二代目は盾様よりも大きく、縦幅180cmくらいか?横幅は1mはないかな。まぁ、それくらいだ。大きさはまぁいい。盾様を貰った当時もこれくらいのギャップは感じた。慣れれば問題ないだろう。問題はそのデザインだ。ギガースの骨を粉末にして、デザインしたらしいが、そのー、なんというか、怖い。形状は盾様を大きくしただけの様なシンプルなものだが、その表面は歪で、色も赤黒い。

 歪なのはわざとらしく、攻撃力アップの効果を出したかったらしい。まぁ、ザラザラしてるし、鑢の効果はあるかもな。

 赤黒いのは俺の髪の赤と、ラインスちゃんからイメージしたらしく、言われてみればなんとなく炎のようなデザインがある気がする。気がするだけだが。この防具屋は独特の価値観を持っているようだな。特に芸術面に関して。お任せにした俺が悪いのかもしれないけど。防具とのギャップが激しいが、ちょっと振り回していた感じ、問題なく使えるようなので気にしないことにした。



 寮のみんなは盾に関してのコメントは無しで、その場は解散になった。新しい装備だ。早く慣れるために今から訓練をしよう。俺は寮の外でひたすら二代目を振り回すのだった。



 

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