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4 ~思惑~

可愛い主人公をめざします。

<橘視点>



もう川田の好きな人は藤田さんやったんや。高校の時もああいう明るくて顔の整った人好きやったしまぁ当然っちゃあ当然かな?

川田かわいそうやなぁ…。本人から頼まれたからとはいえ好きな人に女の子を紹介せなあかんとは…。うちやったらすぐにくじけるわ。

よし、ここは私が一肌脱ぎましょうか!二人をくっつけるぞー!おー!!



川田と一緒にトイレから席へと戻った。すると藤田さんが満面の笑みで迎えてくれた。

ふむ、川田はこの笑顔に惚れたわけね。納得。



「遅かったやん!涼子ちゃんの分もモンブラン頼んで待っててん!」

「え、いやさっき食べたし。満足しとうよ?」

「えー、一緒に食べたい!おいしいもんは皆で食べるのがおいしいんやで?」



う゛、確かに。小さい頃から私はそういわれ育てられてきた。しかもこのモンブラン、いやこのモンブラン様は程よい甘みと渋みが絶妙でいくらでも食べられる一品…。文字通りのどから手が出そうなくらい食べたい…。でもここで藤田さんの厚意を受け取ってしまったら川田に悪いし…

どうする、私!



助けをもとめるべく川田の方に目をやるが、川田はなにやら考え事をしているようだ。…もういいや、食べちゃう。いただこう、素直に。



「じゃあ、お言葉に甘えて…。」

「ほんまに!?嬉しいわ♪さっ、食べよ食べよ!」



<川田視点>


お手洗いから戻ると、裕樹は嬉しそうに私達を迎えた。

何よあの緩みきった顔!そんなにたっちーのこと気に入ったわけ!?




「遅かったやん!涼子ちゃんの分もモンブラン頼んで待っててん!」

「え、いやさっき食べたし。満足しとうよ?」

「えー、一緒に食べたい!おいしいもんは皆で食べるのがおいしいんやで?」



ちょっと、何勝手に話進めてんの!てか私の分は!?少しは気遣いなさいよ!!

いらいらしながら裕樹のことを見ていると、たっちーが返事を返す。



「じゃあ、お言葉に甘えて…。」

「ほんまに!?嬉しいわ♪さっ、食べよ食べよ!」



食べるんかい!やっぱりたっちーは色気より食い気やな。まぁ安心したわ。…裕樹を喜ばせてるのがむかつくけど。

一人でむしゃくしゃしている私をよそに二人はケーキを食べ始めた。




「ん~~!まじうまい!この栗ペーストがたまらん!な、涼子ちゃん?」

「………」



たっちーは答えない。ずっとうつむいたままの状態を保っている。




「?どうした?涼子ちゃん?」

「…はっ!ごめん、何?」

「いや、声かけたけど反応なかったから…」

「あ、あの…ほんまにモンブラン好きやから…いっつも喜びをかみしめながら食べんねん。」




頬を染めながら嬉しそうにモンブランへの気持ちを言葉にするたっちー。

愛の告白か!何を恥らってんねん!心の中で盛大に突っ込みを入れていると裕樹がうめきだした。




「…か、」

「「か?」」

「か、可愛すぎる…!」




はぁ~~!?なんやねん!おまえのつぼは一体どうなってんの!?そんな可愛くないし!しかもいつも『オレのタイプはクールビューティ!』とか熱弁してたくせに!

いきなりほめられたたっちーはちょっと見ただけでテンパっているのがわかる。




「な、な、なぁに言うてらっしゃるのですけぇ!?」

何弁やねん。




「だってほんまに可愛いかってんもん!だからそのまま言うた。」

「あ、あかん、川田なんとかして。こんなん初めてでどうしたらえぇかわからん!」



もう無理です!と白旗をあげるたっちーを受け、どうすれば裕樹の興味をなくすことができるか、学問の方面には全く生かされなかった頭脳をフル稼働して考えた。

…この手があったやん♪状況を打開すべく二人に割って入った。



「そうやねん!たっちーっておいしいもの食べてる時めっちゃ嬉しそうに食べるやろー?高校の時もそういうところが人気あってん!」

「この顔を他の男も見てたんか!めっちゃ腹立つ…」



そこまで一気に言うと、たっちーはなに言ってんだこいつ、と言わんばかりに目を見開いていた。横目で見ながら続ける。



「でもー、その頻度というか、食べてる量が普通やなかったよね、たっちー?」

「…え?」

「なにそれ?どういう意味なん!?」



クスッ、食いついた食いついた。たっちーはいまだに何がなんだかわからない顔をしている。ごめんね?でも本当のことを言うだけやし?別に悪いことはしてないから。




「だからー、甘いものとか好きすぎてめちゃめちゃお菓子とか食べてたんよ。食べすぎやでっていつも言ってたのに。」

「…」

「へぇ~、涼子ちゃんスイーツ好きなんや。オレと一緒やな!」

「それだけやないんよ。甘いものって結構太りやすかったりするやん?それやから…たっちーって高校の時今よりもだいぶふくよかやったやんなぁ?」

「…う、ん。そうやね。」

「…まじ?想像できひんわー。」

「今高校のときの写メあるで?…ほら!」




私は得意になって高校のときのたっちーの写メを裕樹に見せた。

写メはたっちーと、友達の間で一番細かった子とのツーショット。たっちーには何もいってなかったけど、この写メを見ていつも友達の間で爆笑してた。”美女と野獣”って。

さすがにこの写メ見たら裕樹も引いて好きになろうなんて思わんやろ。

これでめでたしめでたし!




「…これ、合成とか人違いとかやなくてほんまに涼子ちゃん?」

「…そう、やで。」

「…そっか。」




ふふ、ほら、ドン引きしてる。これでまた彼女ができる心配がしばらくなくなったわ。

あー、よかった。たっちーには悪いけど、これは過去のたっちー本人なんやからなんも文句言えへんよね?協力してくれるって言ったし!

冷蔵庫女が痩せて調子乗るから悪いねん。…いい気味!





川田…ww

たっちーかわいそうやわ、自分で書いてて。

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