3 ~友達?~
第三者視点で書く文章力が欲しい…
<川田視点>
…これはやばい。やばいかもしれない。
裕樹のやつ、たっちーのこと可愛いって言ってたよね…
本気になって好きになったらどうしよう!
ありえないんだけど、なんでたっちー痩せてるのよ!前会った時はぷくぷくしてたのに!!
たっちーがこんな変わったって知ってたら紹介なんてしなかったのに…
なんとか裕樹がたっちーのことを好きになるのを阻止しないと!!
「涼子ちゃんは何か頼まない?ケーキおいしいんだよ、ここ!」
「(涼子ちゃん…?)あ、うん。さっきケーキセット食べたんで。」
「そうなんだ!オレここのモンブランが好きでさ~」
「私も!…私も、モンブラン好き…」
嬉しそうにたっちーが微笑む。か、可愛い…たっちーってこんなにかわいかったの!?
ふと裕樹の方を見ると…照れてる?あの女の子をたぶらかす余裕の笑顔ばっかりの裕樹が!?
裕樹(か、かわいい…めっちゃうれしそうに笑うやん…こんな可愛い笑顔する子初めて見た!)
急に黙り込んだ私と裕樹をたっちーがいぶかしげに見つめる。こちらの様子を伺っているみたい。
そう、たっちーは昔から他人の顔色を伺いながら話す子だった。
…待てよ、私が少し不機嫌な感じを見せたらたっちーは裕樹と仲良くなることをやめるかも!
「ちょっとお手洗い行ってくるね。たっちーも行こ!」
「うぇっ、うん。びっくりした、いきなり。」
「え~、オレ一人で待ってるの~?せめて涼子ちゃんは置いていってくれ!」
「久しぶりに会ったんだからいろいろ話したいの!あんたはそこらでナンパでもしとけば?」
なんかわめいてる裕樹を置いてたっちーとお手洗いへ移動した。
いきなり誘ったからかなり怪しまれてると思うけど、今はそんなこと気にしない!
「ほんっと久しぶりだよね!たっちー。元気してた?」
「うん、まぁまぁ。川田は?この前ブログで書いてた気になる人とどうなったの?」
「うん、その話もしたくてついてきてもらっての。」
「おぉ!気になる気になる!なにか進展あった?」
「実はね…その気になる、ううん、好きな人ね、裕樹のことなの。」
「…まじで?そうなんだ!あぁ、それで今日紹介してくれたの?」
「う~ん、それもあるんだけど…実はね…?」
私は裕樹が女の子を紹介して欲しいと頼んできたこと、そして私がたっちーを選んだことを簡単に話した。
ずっと静かに話を聞いていたたっちーは私が一段落をつけると、何か考え込んでいる様子だった。
おもむろに伏せていた顔をあげ、たっちーが口を開いた。
「紹介っていうのは、私を友達としてでなく女の子として藤田さんに紹介することだったのね。わからなかった。」
「考えてたのそこ!?てか普通紹介っていったらわかるでしょ!」
「だって、紹介されるとか初めてだもん。友達としてって言われたら納得したけど。それに…」
「それに?何?」
「川田は藤田さんのこと好きなんでしょ?なんで紹介することを引き受けたの?」
「あぁ、それは。断って嫌われたくないでしょ?向こうは私のことただの友達だと思ってるわけだし。」
「でも、その紹介でもし藤田さんに彼女できたら嫌じゃない?」
「そ、それは…」
それは恋愛に発展しそうにない人を紹介してきたから大丈夫…と言ったらたっちーはどういう反応するんだろう。なんて言おうか迷ってたらたっちーが続けた。
「…そうだよね、好きな人に嫌われたくないもんね。なかなか断れないよね。ごめんね、無神経なこと言って。」
「う、うん。いいよ。私が断れればよかっただけだし。」
「けなげだねぇ、川田は。」
そういいながら私の頭を撫で回す。こっちこそ本当にごめんね。完全脈なし女認定して。
少し罪悪感はあったけどそう都合よく考えてくれるんだったら乗っからない手はない。
撫で繰り回す手を止めてたっちーが話しかけてきた。
「それだったら私と藤田さんが話すの、おもしろくないんじゃない?大丈夫?」
「うん…ちょっと見てて辛いかも。」
「やっぱり…だったら私、藤田さんとあんまり仲良くならない方がいいよね?」
「…そうしてもらえたら助かるかも。ごめんね、気を遣わせて!」
「いいのよいいのよ。恋する友人に協力しないで、何が友達か!」
ありがとう、たっちー。本当にやさしいんだから。
でもその笑顔は裕樹の前でみせないでね。協力する気があるんだったら。
川田が嫌な女に…w