プロローグ
「頼む!!婚約を結び直してくれ、ラーナ!!」
殿下(廃嫡されて浮気相手にフラれたクソダサ男)の訪問で、我が家の門が開いた瞬間。
元婚約者の殿下は、馬車の扉を蹴破って馬車から飛び降り、一応の礼儀で屋敷の外でお出迎えしている(私はしたくなかった)私の前にア◯ンジャーズのような着地を披露し、素早く私に土下座する。
なぜそんなことを臣下の私にしているのかと言うと、私をフったことで王族から追放されるかもしれないと思っているからだ。
これで148回目である。そろそろ150回になる。はっきり言って迷惑だし、嫌である。
そして、呆れながら私は、同じ返事をするのだ。
「無理です。貴方から私をフったことをお忘れですか?浮気相手にフラれ、廃嫡され、そして王族から追放されるかもしれないからというしょうもない理由で、よく私に[婚約を結び直してくれ]と言えましたね?貴方の辞書には常識という言葉がないのですか?普通は、婚約破棄した相手に再度婚約してくれとは言いませんよ?貴方は、馬と鹿が合わさった言葉の人ではないでしょう?別の人・・は迷惑ですので、大人しく追放されて平民として暮らしてみては?元王太子ということがあれば、施しを与えてくださる人もいるかもしれませんし。」
その言葉に殿下は絶望するが、すぐに元の真剣な表情に戻る。
「今日は無理か。では、また明日くる。」
そして殿下は壊れた(っていうか自分で壊した)馬車に乗って帰って行った。
その殿下を見送った後、私は溜息をついた。
「いつまでこの茶番に付き合わないといけないんだろう?」
そう思った・・・が。
時刻は丁度15時。すごく疲れた私は自室に戻ってお菓子を食べるため、足を進めたのだった。




