あの日から、私は生きている
幼い頃から、
決まって会う人がいた。
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お盆と正月。
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遠方から来る親戚。
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一つ下だったが、
気が合っていた。
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それが、
少しずつ来なくなった。
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手紙のやり取りも、
途切れていった。
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違和感はあった。
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数年後、
久しぶりに会った。
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目つきが変わっていた。
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口調も、
少し荒くなっていた。
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別人のようだった。
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映画を観た帰りだった。
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席を立ってからも、
何度も振り返っていた。
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何もない席を、
何度も確認していた。
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理由を聞いた。
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「確認しないと気が済まない」
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それだけだった。
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その後、
彼は入院した。
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何かを叫び、
車の上に乗ったらしい。
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理由はわからなかった。
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しばらくして、
電話がきた。
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「普通に生活したかったな」
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「もっと遊びたかったな」
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それが、
最後だった。
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退院後、
通院していたと聞いた。
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ある日、
食事中に倒れた。
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そのまま、
目を覚まさなかった。
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あの日から、
私は生きている
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この作品を書こうと思ったのは、
この出来事があったからです。
閉ざされた世界の中で起きていること、
そしてその外側でも起きていることを、
少しでも知るきっかけになればと思っています。
▶ X「こころの余白|無理しない人間関係」
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