第九話「ドラゴニュートの怒りと湖の汚染」
「シンゴ、依頼を受けられるのですか?」
「ああ、アスンハルトさんは屋敷からみてもかなりの商人みたいだから、関係を持っておく方がいいかと思って...... それよりアンデルアの露ってしってる? わざわざドラゴニュートのところに行かなくても、他にあればそこに行きたいんだけど」
「ええ、ですがアンデルアの花はほとんど存在しません。 群生地が戦乱や乱獲によりなくなってしまったのです」
「ええ!? そうなのか...... それならモーナスロの湖に行くしかないな」
ぼくたちはミレカ領にあるモーナスロの湖へとむかった。
半日かけ馬でモーナスロ湖についた。
「なんかここにくるまえの検問でやたら調べられた」
「ですね。 なにか重大な犯罪者でもいるのでしょうか」
湖は森の中にあり薄暗かった。 とても大きな湖でその静寂さが余計に不気味だ。
「でかいな。 岸が見えない」
「ええ、世界最大の湖らしいですね。 ですが......」
「うん、なんか水が濁ってるな」
湖の水は透明度はなく水中は見えない。
覗き込んでいると、いきなり水からなにかが飛び出した。
ギンチヨがぼくを抱えてとぶ。
湖から爬虫類ような亜人が槍をもち数体あらわれた。
「人間ようせろ!」
「お前たちはドラゴニュートか。 ぼくたちは戦いに来たんじゃない。 アンデルアの露がほしいだけだ」
「しったことか! ここには近づくな!」
説得しようにもドラゴニュートたちは怒号をあげ、話にならない。
「さらぬなら!」
槍をドラゴニュートたちは握る。
「話をするには、やるしかないか......」
「では......」
「少し相手をしておいて、でもギンチヨ殺しちゃダメだよ」
「はっ!」
ドラゴニュートたちは湖からでて槍を振るう。 剣でうける。
(かなりの筋力がある。 怪我させずに捕らえるには......)
片手で魔力結晶を握ると変化させはなつ。
「革命糸!」
「なっ!!? 糸! どこにもっていた!! なんだ!」
「なんだこの糸うごく! きれ!」
「くっ! 魔法か!」
糸を巻き付かせドラゴニュートを拘束した。
「人間め! 放せ!!」
「くっ! 捕らえられるとは無念!」
捕らえたドラゴニュートは暴れている。
「落ち着いてくれ。 ぼくたちは争いに来たんじゃない。 アンデルアの花の露がほしいんだ」
「そんなものはもうない!」
「ない!?」
「何をしらじらしい! お前たちがそうしたのに!」
「人間がってこと? そうか乱獲や戦乱か」
「それだけではない! 湖をこんな汚しておいて!」
「湖を汚す? 人間が?」
「何をしらばっくれている! この水をみよ!」
確かに泥水のようににごっている。
「これが人間によって起こされた......」
「そのせいで我らは滅びの危機に瀕している......」
「魚はくさり、病になるものもおおい......」
「それというのも人間たちが、山を切り崩し鉱物を採掘、汚染された土砂を川に流すからだ!」
「鉱物を採掘...... あの山か」
そんな話しをしていると、湖からきらびやかな装飾をまとったドラゴニュートが現れた。
「......どうやら我が血族が失礼をしたようですね」
「シャスタさま!」
(シャスタ...... ドラゴニュートの長か)
「すみません。 ぼくたちはアンデルアの花の露を探していたら、彼らと戦うことになって」
「そうですか、それでこちらに...... お前たち戦ってはならぬともうしたはず」
そういってシャスタは厳しい目でドラゴンニュートたちをみた。
「しかし!」
「黙りなさい...... 人間のかた、このものたちの所業は私の不徳のいたすところ。 何卒お許しを」
そういって頭をさげる。
(話がわかる人のようだ)
「しかし、花を見つけるのは難しい...... 湖の汚染で我らでさえ見つけられませぬ」
「まあアンデルアのことはともかく。 あの鉱山がこの湖を、汚染してるというのは本当ですか?」
「ええ...... しかしすべての人間のせいではありますまい。 ゆえに戦うなど不毛なことをやめるようきつく言い渡したのです」
「しかしこのままでは我らは滅びます! 人間と戦い、あれをやめさせるか、最悪一矢むくいねば!」
「なりません。 女や子供、戦えぬものがいるのです。 戦士が戦えば残ったそのものたちは蹂躙されましょう」
「くっ......」
「人間のかた、すみませぬがこのものたちを解放して、このままお引き取り願いたい」
そうシャスタにいわれて、仕方なくひきさがることにした。
「シンゴ、どうされました?」
「......人間の鉱山が湖を汚染している」
「生きるためしかたないこともありましょう。 異なる両者が摩擦なく共存など容易くはできません」
「でも、このまま汚染が続けば湖の水だけじゃなく。 川や海も汚染されて結局人間も苦しむんじゃないの?」
「ですね。 ですが、仕事を失えばその場で死ぬものもいましょう。 どちらかを失うしかない場合もあります」
「ギンチヨは冷静だな。 とりあえず鉱山を調べよう」
ぼくたちは鉱山をしらべることにした。




