第十三話「魔人ガベルグとの決戦」
「よかった必要なものを全部かえた!」
アスンハルトさんからえた報酬で必要なものを購入できた。
「ええ、皆にわたる分の道具も手に入りましたし、苗や種、肥料なんかも手に入りましたね。 これで田畑を作れるでしょう」
しかし島に戻るとブラスとシャスタ、ゴブリンたちとドラゴニュートがたちが待っていた。 その顔をみてただごとじゃないことがみてとれた。
「どうした?」
「シンゴさまが不在のとき、島をあけ渡して隷属しろとマーマンがやってきたのです......」
「マーマン?」
「半魚人です」
ギンチヨがいった。
「でも何でこの島のことしってたんだ」
「どうやらこの島を前から目を付けていたようです......」
そう不安そうな顔をシャスタはする。
「他に誰かいるの」
「ええ魔人がいました。 名前を【ガベルグ】というものです。 どうやらマーマンたちを支配しているようでした」
「ガベルグ......」
「明朝またきて、その時に降伏の意思なき場合、我々を皆殺しにするとのこと」
そうブラスはうつむいた。
「魔人か...... まさかいきなり見つかるとはな」
「話し合いに応じるものたちではないでしょう。 もう戦うしかないでしょうね」
「しかしギンチヨさま。 我らは武器をあまり持っておりません。 クワ、カマ、ハンマー、ナタ、斧だけでは到底武装するマーマンは倒せますまい」
「我らは槍はありますが、ゴブリンたちと協力してもマーマンが精一杯...... 魔人はさすがにどうにもなりません」
シャスタがそう槍をにぎる。
「それはぼくがやろう。 ギンチヨはシャスタとブラスをまもってくれ」
「......しかし!」
「ぼくには策がある。 警戒されると失敗する」
「わかりました...... あなたの意思を尊重します」
「ありがとう。 じゃあ、今から明日の戦いに備えて対策をとる」
「そうですな! 我らにはここしかいく場所がない」
「我らも!」
皆が拳を天にあげ歓声をあげる。
次の日、こちらが浜辺で待っていると、船にのり堂々と大柄な魔人があらわれた。 その後ろには海から上がってきたマーマンたちが剣や槍をもちかまえている。
「お前がこいつらの主か。 まさか人間とはな」
(こいつがガベルグ、警戒もしてないなめてるのか。 だけどその方が好都合。 後ろにはマーマンがおよそ200、こちらは戦えるものが50...... こいつを倒せるかにかかっているな)
「降伏しろ、拒否ならば皆殺しだ」
そうガベルグは腕を組みそう威圧する。
「まずは話し合いをしないか」
「話し合い...... 不要だ」
「そちらも戦えばマーマンに被害がでるだろ」
「こいつらはただの駒だ。 何びき死のうがかまわん。 またどこかからつれてくればよい。 それで返答は」
「......ノーだ。 どうせ同じ様に亜人たちを駒のようにするんだろう」
「いいだろう...... 死にたいということだな」
うれしそうにガベルグはニヤリと笑った。
(こいつは戦いや殺しを楽しみたいだけだ。 どんな答えをしても、多分攻撃してくる)
「お前たち! ゴブリンとドラゴニュートどもを殺せ!」
「ギェェ!!」
そうガベルグがそういうと、マーマンは奇声をはっし砂浜を一斉にはしってくる。
「ドラゴニュートを前衛にして町へむかえろ!」
ドラゴニュートが前にたち、少しずつ町の方へさがり始める。 後方からゴブリンたちが投石を始める。
「ふん、下らぬ策など無意味だ。 きさまを殺して俺が加われば終わりだからな」
そういってガベルグが間合いをつめ腕を振り下ろす。
ドゴォォンッ!!!
(はやっ......)
すごい衝撃で砂が上空に舞う。
「ほう、かわしたか...... それとも衝撃で紙のように飛んだのか」
(こいつ、この大きさでこの速さか! 食らったら即死だな)
「大丈夫だ...... やれる!」
「やれる? ふふ、ははははっ! 人間ごときが魔人の俺と戦えると! 俺はこれから魔王を名乗り、魔人たちの王になるのだ。 そのための兵士と領地がここだ」
「そうはいくか......」
しかし何度もうちおろされる巨大なハンマーのような腕をかわし、後方に逃げる。
「ちょこまかと...... 貴様も王なら真っ向からこい」
「ぼくはともかく、眷族に無駄な犠牲を強いるおまえは王の器じゃない」
「眷族...... マーマンどもなど眷族でも何でもない。 ただの使い捨てよ。 さっさと死ね!!」
(よし! このタイミングだ!)
「革命」
ぼくは魔力でつくった棒を地面につき後方にとんだ。 なにかが割れる音がする。
「なんだ!?」
ガベルグの踏んだ砂浜が沈んでいく。 もがいているが上がってこれない。
「なめるな!! こんな沼、泳げば...... なんだこれはただの沼ではない! 抜け出せない!」
「昨日一晩で魔力をからにして作った魔力沼に魔力で蓋をし、それを割った...... 力ずくで出られるものじゃない」
「なんだと!? 魔力の沼!! 貴様どうやって! この卑怯ものめ!!」
「ああ、悪いがまともに戦うつもりはない。 ぼくには眷族たちを守る義務も責任もある。 生き残ることの方が重要だ」
「キサマァァァッ...... ガボボ......」
ガベルグは魔力の沼に沈んでいった。
「よし、みんなは!」
町へと向かうとマーマンたちは、ぼくが作った浅い沼に溺れ町へとはいれずとどまっていた。
「もうガベルグは死んだ! お前たちの敗けだ!」
そう大声で叫ぶと、マーマンたちは戦意を失い武器を手放した。
こうして戦争はおわった。




