第十話「革命《レボリューション》の糸が暴く真実」
「鉱山...... あれはその」
宿の女主人は口ごもる。 町に帰ると宿に泊まる。 そこで鉱山のことをきいたがこの反応だった。 ぼくは主人に金貨を渡した。
「あら...... ここだけの話し、あれはマルテロ一家がやってるんですよ」
「マルテロ一家?」
「ここいらを牛耳るマフィアですよ。 鉱山を勝手に採掘して利益をえてるって話です。 もちろん私が話したことは......」
「ああ、いわないよ。 でも国が許可してないんだよね」
「そりゃ旦那......」
女主人は金貨をこちらに見せる。
「賄賂、まさか役人も黙認してるの?」
「ええ、ここの領主ダダントもグルでひどいもんですよ。 だからあいつらはここらじゃでかい顔をしてるんです」
隣で大声で酒盛りをしてる人相の悪いものたちを見て、小声でいった。
「こいつらか」
小さくうなづいた女主人は眉をひそめた。
「違法採掘で、そして領主もしっているようですね」
「だから誰も咎めない。 どうしようか?」
「シンゴの思うままに」
ギンチヨはそういって目をとじた。
「......仕方ない。 どうせ花を探すのを協力してもらわないといけないし、このままほっとけないしな」
「やはりそうなるのですね。 それでどうしますか?」
「採掘が違法ならやりようはあるんじゃないかな。 証拠さえあれば......」
ぼくたちは冒険者ギルドにむかった。
「......なるほど、そういうことですか」
このミレカの町のギルドにつくとギルド長、マクレーンにその話をした。
「確かにマルテロ一家の悪行はきいております。 ダダントさまも関与しているのは町のものなら周知の事実です」
「やはり知っていましたか...... なんとかできないのですか?」
「......そうですね。 かなり難しい。 なにせ相手は領主、なにか決定的な証拠はもっていますか?」
「湖の水がひどく汚れていて、あれを持っていけば証明になるんじゃないですかね」
「それが湖の水だけだと証明は難しいですね。 それがモーナスロ湖の水だと証明できない」
そうマクレーンさんは眉をひそめる。
「しかし、私ならば確認できますが......」
「そうかギルド長なら! じゃあマクレーンさんもついてきてもらえますか?」
「......そうですね。 では夜までに他の証人になる冒険者もよんでおきましょう」
「わかりました。 では夜に」
ぼくたちは宿に戻り、夜になるとマクレーンさんとおちあい湖へと向かった。
「その方たちは証人となる冒険者ですか?」
馬車にはマクレーンさんのほかに十人ほど、屈強な冒険者がいる。
「ええ、ウチでも選りすぐりの冒険者です。 湖にはドラゴニュートがいて、危険ですので護衛もかねています」
(......これなら大丈夫だろう)
「なるほど、それは頼もしい」
「それで昼にいたお連れの銀の髪のかたは見当たりませんが?」
「ギンチヨですか? 先行して湖の確認をしています。 もしマフィアやドラゴニュートに囲まれて襲われたら危険ですからね」
「さすが、ユニコーンタートルを倒された冒険者だ。 抜けめないですな」
「ぼくたちのことをご存じでしたか?」
「ええ、もちろん他のギルドでもこの話でもちきりでしたからね」
そういうと冒険者たちも緊張しながらうなづく。
「......そうですか、もうすぐ着きます。 ほらギンチヨがまっている」
湖近くの森でギンチヨが手を振っていた。
「それでギンチヨどうだった?」
「ええ湖一帯を調べましたが、ドラゴニュートはいません」
「それはよかった......」
マクレーンさんたちは安堵の表情をうかべた。
「それなら今のうちに湖の水を採取しましょう」
ぼくたちは森をぬけ湖にむかう。
「ほらみてください。 こんなによどんでいる」
「確かに...... これはひどい。 早速採取を......」
マクレーンさんは湖の水をビンにくむ。
「......それでこの事をしっているのはあなたたちだけですか?」
「ええ、ぼくたちは依頼でこの湖に来ただけてすので」
「そうですか......」
マクレーンさんはビンを落とした。 ビンが割れ水がながれた。
「なにを!?」
「申し訳ない...... この事を外部にしられては困るのですよ」
そういうと、冒険者たちは後ろで武器を構えた。
「どういうことです...... まさか」
「そう、我々とマルテロ一家とは懇意でね。 あなたたちの動向はこの領地にはいった時から把握してました」
(......それで検問が厳しかったのか)
「あなたたちにはドラゴニュートに殺されたことにしますね」
「そんなことをすればドラゴニュートに敵意がむけられますよ」
「ええ、それでいいのです。 ドラゴニュートと争いになれば、ここを汚しているのがドラゴニュートだとみんな信じる。 鉱山の件もうやむやにできますしね」
「よかった......」
「よかった? なんです......」
「あなたたちがそこまで卑劣だと心が痛まない」
「なんだと......」
冒険者たちがこちらに迫る。
その時湖から水流が立ちのぼる。
「なんだ!?」
湖からドラゴニュートたちが大勢現れた。
「話しはきかせてもらいました。 どうやらあなた方が元凶のようですね」
シャスタはそうマクレーンをみた。
「ひっ......」
「さすがにいくら強い冒険者でも十人じゃ、この数のドラゴニュートを相手にできないですよね」
「これはダメだ......」
「うわぁ!!」
「待て! 私をおいていくな!」
マクレーンと冒険者たちは逃げようとしている。
「革命糸」
複数の魔力の糸を投げマクレーンたちを捕らえた。




