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◇3話 初ボス

カクヨム、なろう共に想像以上に読まれていて感謝の限りです。期待に応えられるような作品に出来るよう努力させて頂きます。

 扉を押してみたが思いの外、軽いみたいだ。

 中はただ暗いだけ、何かがある訳では無い。それでも確かに異質なものが見える。地球にいた時には魔素と呼んでいたものだが……まぁ、詳しい事は気にせず戦闘に意識を向けるべきだな。少なくとも魔素と同じなら───




「吸って魔力には出来る、か」


 魔素というのは獣を作る源でしかない。

 この世界では恐らくはゴブリンのような魔物が俺の知っている獣に該当する存在なのだろう。魔素という存在は獣を作り出すものでもあった。地球ではイノシシとかを生み出していたが……まぁ、変な生き物も生み出していたからこれが本来の魔素の使われ方なのかね。


 にしても、さすがに全部は無理だったな。

 ここにある魔素は高濃度のものだ。魔素自体は俺の見えていた魔力と同様に本来は毒だからな。吸い込んでも問題が無かったのは俺を含めて十人程度だった。その中でも爺ちゃんより魔素の扱いが上手かったのが俺で、魔力の扱いが上手かったのが聖だ。だから……多少は自信があったんだけどな。


 まぁ、これ以上は毒にしかならない。

 少なくとも魔力の他に余分の魔力も得られた今となっては出来る事も間違いなく多いからな。それに目の前から見える魔素の濃度や量からして減らせさえすれば対応が容易になる。これくらいなら出てきても鬼か、なら、ここであればゴブリンの進化種とかかね。


「ギ……ギィ……!」

「お待ちかね」


 弱いんだよ。出現までに時間があり過ぎる。

 出てくるのが無限だとしても現れる瞬間に首を跳ねれば確実に殺せるんだからな。ここから先はどれだけリソースを吐かずに敵の首を跳ねられ続けるかだ。こう見えても俺は森の中に小山を作るくらいには殺し続けた事だってあるんだからな。






「って……アレ?」


 他に現れそうな気配が無い。

 魔素も薄くなってきて……はぁ、本当にゼロに近しくなったな。そうなると今の大きなゴブリンが本来のボスとなる存在だったのだろうか。そうであれば弱過ぎて拍子抜けしてしまうが……いいや、だからこそ、爺ちゃんは進めと言ったんだろうな。


 さて、ボスを倒した影響か。明るくなったな。

 一先ずは目の前に現れた下へと続く階段を降りるのが正しいんだろうけど……そちらは少しだけ後回しにするべきかな。さっき倒したばかりのゴブリンを……って、全身が出ていたら俺の三倍近くはあったのか。そりゃあ、ボスを任される訳だ。


 まずはコイツを空間魔法で回収しておく。

 魔物の殲滅がてら所持している魔法は練習していたからな。その結果の一つが縦横高さ五キロメートルの疑似空間だ。名前が無いのも面倒だから異次元倉庫と名付けている。この空間の良さは何と言っても内部での時間経過を自由に行えるという点だろう。経過を早める事も止める事だって可能だ。そこら辺はゴブリンの遺体で試したから問題ない。


 これで今のボスを売るという選択肢が出来たな。

 強さは大した事は無かったが大きさ的に売れないという事も無いだろうし、寧ろゴブリン系統の上位の種類であれば値段も高くなりそうだ。俺としては今のところは何に使うという事も無いからサッサと売ってしまいたいな。ぶっちゃけて言えば倉庫の肥やしになりそうだし。


 と、肥やしの事はどうでもいい。

 結構な数の魔物を倒したんだ。そうとなればレベルだってかなり上がっている事だろう。特にボスを倒す前と後では体の重みとかも感覚で分かるくらいには変化があるからね。恐らくはかなりレベルが上がっているのだろう。




 ____________________

 名前 《未設定》

 種族 人族

 年齢 13歳

 レベル 18

 ジョブ 1.【侍LV9】2.【未設定】3.【未開放】

 HP 825/825

 MP 1635/1635

 物攻 F(225)

 物防 F(225)

 魔攻 F(270)

 魔防 F(270)

 速度 F(430)

 幸運 S(100)

 固有スキル

【熟練度上昇】【経験値上昇】【ステータス操作】【従魔創造】

 スキル

【隠蔽LV3】【気配遮断LV3】【剣術LV10】【料理LV7】

 魔法

【火LV3】【水LV1】【空間LV2】

 得物

不刃ミシック

 ____________________




 予想通りと言えば予想通りだが……すごいな。

 あまり意識しないようにはしていたがジョブの侍というのはジャパニーズSAMURAIというものなのだろう。だからこそ、速度が上がりやすいのだろうが……それならどうして物理的な面よりも魔法的な面の方が高くなっているんだ。アレか、実は侍というのは魔法剣士のようなもので……なんてある訳無いか。


 恐らくは俺個人の才能が魔法面寄りなのだろう。

 今更ながら視界に映るステータスを触ろうとすれば触れるし、気になる箇所に触れながら魔力を流せば詳細を知る事だって出来る。俺が順応し過ぎているのがおかしいだけで普通は先にこういうのを確認するべきなんだろうな。……まぁ、知らんが。余所は余所、ウチはウチだ。ただ……。




 _____________________

【侍(固有ジョブ)】

 〇獲得条件

 ・スキル剣術のレベルが最大である。

 ・本人の剣士適性がB以上、魔法剣士適性がC以上、槍士適性がB以上、弓士適性がA以上、盗賊適性がC以上ある。


 ジョブに付けた場合、初期ステータスの二十パーセントの補正をかける。主に剣術と刀術、槍術、弓術に高い補正をかける。

 _____________________




 なるほど、侍は案外と稀有なジョブらしい。

 文章は長いが要約すれば戦闘職へ満遍のない適性を持っている必要があり、ましてやスキルの剣術レベルが最大である必要がある。そこら辺は大方の武術の心得を爺ちゃんから教えられたのが大きいだろうな。現に盗賊以外の四つは間違いなく地球上なら上位にあたる技術を持つ自負がある。


 とはいえ、その後はどうしようか。

 それこそ、この世界で他者のステータスを見る事が出来る輩がいたらどうする。稀有なジョブを持っているという事が周囲に知られれば変な勘繰りを入れられる可能性もあるからな。そもそも、このダンジョンから出られればの話ではあるが……事前に考えておいて損は無いだろう。


「……ただ、まぁ、解決策はあるか」


 仕組まれている、薄々と感じてはいた事だ。

 ここに来た瞬間から俺が必要としている物ばかりが用意されている状況、そこに今の問題を解決させられる【ステータス操作】と【隠蔽】があるとなれば疑わない方が不自然だろう。特に隠蔽は露骨が過ぎるからな。




 _____________________

隠蔽スキル

 鑑定眼等、他者からのステータスへの閲覧行為を妨害するスキル。ジョブ欄を他の所持しているジョブであるかのように見せる事が可能。所持していないスキル等を詐称する事は出来ない。

 _____________________

 _____________________

【ステータス操作(固有スキル)】

 ステータスの詳細を確認する事が出来る。所有者と所有者に対して一定以上の親密度を持つ人間のジョブの変更やスキルの詳細、変更設定を行う事が出来る。

 _____________________




 後者はよく分からない部分が多いから後回しだ。

 今は前者の隠蔽というスキルに関して考えていこう。てっきり、名前からして気配遮断に近いスキルかと思っていたけれども、実際はステータス方向への隠蔽だったな。それに侍を他のジョブとして詐称出来るという点も魅力的だ。俺が持っているジョブは……当然ながら剣士や魔法剣士、槍士や弓士と言ったものが揃っているが……目立たないのは間違いなく剣士だろうな。


 さて、これで何か変化はあるのだろうか。




 ____________________

 名前 《未設定》

 種族 人族

 年齢 13歳

 レベル 10

 ジョブ 1.【剣士LV1】

 スキル

【剣術LV5】【料理LV3】

 魔法

【火LV3】【水LV1】

 ____________________




 なるほど、これはかなり有用だな。

 当たり前だけどステータスの見られたくない部分は隠す事が出来る。俺が驚いたのは数値さえ超えていれば細かくレベルを変更出来るという点だ。それこそ、俺の本来のレベルや剣術スキルレベルは表示されている数値より高いから詐称出来ているものの、レベルが一の剣士のレベルは操作出来なかったからね。


 となれば、今は……こうするべきかな。




 ____________________

 名前 《未設定》

 種族 人族

 年齢 13歳

 レベル 18

 ジョブ 1.【侍LV9】2.【剣士LV1】3.【未開放】

 HP 825/825

 MP 1635/1635

 物攻 F(225)

 物防 F(225)

 魔攻 F(270)

 魔防 F(270)

 速度 F(430)

 幸運 S(100)

 固有スキル

【熟練度上昇】【経験値上昇】【ステータス操作】【従魔創造】

 スキル

【隠蔽LV3】【気配遮断LV3】【剣術LV10】【料理LV7】

 魔法

【火LV3】【水LV1】【空間LV2】

 得物

不刃ミシック

 ____________________




 うーん、変化は無いように見えるが……。

 まぁ、細かい事はレベルが上がれば分かっていくだろう。実際、侍は固有ジョブという稀有なものであって本来は付けたところで明確な変化は無いのかもしれないからね。詳しい事は……そう、この先に進んでからでいいだろう。

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