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推し活  作者: 梨音
7/8

第7話「その日」

 今日はやたら早く起きてしまった。いや、早く起きたかったのかもしれない。今日はライブ当日なので、持ち物のチェックをする。色々なブロガーさんの持ち物を参考にしながら、荷物を詰め込む。

 まず、ライブが始まる二時間前にバイト先に行く。店長からチケットを受け取るからだ。そしたら、松浦駅で春花と合流して、ライブの物販に並ぶ。

三原駅から電車に乗って一駅で松浦駅に着く。しかも、各駅停車だ。

「私、意外と、いいところに住んでいるな」

そう思ったところで、家を出る。三原駅まで歩いて、バイト先まで行く。

 歩き疲れたので、ベンチに座り、スマホで、ベリアファンたちのライブの感想を見る。ライブの雰囲気だけでも知りたい。また、歩き始める。

 バイト先に着く。

「おっ。手田さん。これ、午前の部のチケットね」

店長がチケットを渡してくる。

「ありがとうございます!」

お礼を言って去ろうとしたら、店長が私に手を振る。

「楽しんでこいよー」

我ながら、いいバイト先を選んだな。と思いながら三原駅の改札を通る。

 電車に乗って松浦駅で降りる。改札口で春花と合流した。

「やっほー! ついに当日だね!」

春花の髪に気合が入っているように見える。

「そうだね! ライブなんて、久々だから、なんか緊張しちゃう!」

私がそう話すと、改札口からベリアファンとみられる人々が松浦駅近くの、松浦ホールに向かっている。

「奈美ちゃん。私たちも向かおう!」

「そうだね」

春花と松浦ホールに向かう。


 ライブの物販に並んで、グッズを買ったのちに、松浦ホールに入る。チケットを春花に渡して、入り口まで向かう。

「本当に……ドキドキしてきちゃった」

春花がチケットを握りしめて言う。

「……ファンレター、持ってきた?」

私がきくと、春花がトートバックをポンポンしながら言う。

「持ってきた」

そんな会話をしたところで、ホール内に入れた。時間が過ぎるのはあっという間で、あと十五分でライブが始まる。物販で長い時間、並んだから、より早く時間が過ぎる。

 ホールで春花がうちわを取り出す。私はペンライトを取り出す。さっき買ったばかりの。

 ライブは定刻通りに始まった。・代表曲をジュン君とカナト君が歌って踊る。

楽しみすぎて、脳みそが記憶をすることを放棄している感覚があった。しっかり覚えていたいのに。

 ライブが終わると思った、そのとき、アンコールも終わったのに、カナト君が言う。

「今日は、大事なお知らせがあります」

ホールがざわつく。ジュン君が言う。

「じゃあ、出てきてください! レイ!」

歓声と拍手が上がる。私の隣で春花が舞い上がっているのが、わかる。

「今日から、活動再開します! レイです!」

レイ君がファンたちに、そう告げて、ライブは終わった。

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