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推し活  作者: 梨音
4/8

第4話「対話」

「伊東さん。下の名前は?」

「そっか。言ってなかったか。『春花(はるか)』だよ」

「じゃあ、春花さん?」

私がそう言うと、彼女が笑う。

「春花さんって……。春花でいいよ」

「あー。わかった」

なんだか、人を呼び捨てするのはソワソワする。

「ところで、ファンレターどうする?」

私がきくと、春花がうなる。

「うーん。うぅーん。悩むな」

レイの活動休止へ対するショックが全く見られないが、まぁ、いいだろう。

「春花自身の、レイへの好きっていう気持ちを書けば?」

私がそう提案すると、春花が目を見開く。

「ジャストアイデア! やっぱり、奈美ちゃんが言うことは、しっかりしているねぇ」

彼女の顔に笑顔があふれる。

「ファンレター、書いたら奈美にも読んでほしいな」

「うん! いいよ」

私たちが笑いあう。

「ファンレター、書いたら見せてね」

私がそう言って、今日は解散した。

 公園で話をした日から、私はバイトや学校を「なんとなく」こなしていた。ふと、自室でスマホを見ていたら、ベリアからお知らせが届く。

「ライブ開催のお知らせ」

私の心臓が高鳴る。詳しくお知らせを読むと、どうやら三原駅の隣にある松浦駅の近くで行うみたいだ。

「でも、レイ君は……」

元々ベリアのメンバーは三人なので、今は実質、私が推しているジュン君とカナト君のみになっている。

「運営も、ぶっ飛んだことするな」

そう思いながらも、春花にメッセージを送る。

「ライブやるってね」

……なかなか返信が来ないが、まぁ、しょうがないか。

 テレビをつけると、どのニュースもベリアのライブ一色だった。

「今は十一月だから、あと一か月か……。待ちきれないな」

そんな独り言を呟く。

「ごめん! ファンレター書くのに集中していた!」

春花から返信が届く。

「ライブ、どうしようかなぁ」

さらに春花が送ってくる。

 どう返事をしようか考えていると、店長から電話がかかってくる。

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