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C3−P1 タケシ見参ッッ!!

前回までのあらすじ


隙きあらば主人公を殺してくるド畜生ゲームに転生しちゃった私、天王寺瑠璃。

たった1つしかない幸福生存エンディングを目指して奮闘しているけれど……さっそく残機を3つも減らしてがっくしとほほ……。


前途多難、いや前途遼遠? なにはともあれ妹のサポートを受けながら、がんばりますっ!!

※前回までのあらすじ


 隙きあらば主人公を殺してくるド畜生ゲームに転生しちゃった私、天王寺瑠璃。

 たった1つしかない幸福生存エンディングを目指して奮闘しているけれど……さっそく残機を3つも減らしてがっくしとほほ……。


 前途多難、いや前途遼遠? なにはともあれ妹のサポートを受けながら、がんばりますっ!!


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 朝のHRで、私とサレナを殺そうとしたヤーバイ先生が投獄されたことを知った。

 優理曰く、彼とイチャイチャするルートもあるらしいのだが、絶対にそんなルートには入りたくない。


 例え生存エンドがあったとしてもだ。


 そういえば、今朝はサレナと挨拶ができた。

 おはよう、と言い合ったのみだけど、初期の無視されていた頃とは大違いだ。


 授業中もチラチラ視線を感じるし、ふふふ、私を意識しているなあ?

 気持ちがいい。顔が良すぎる美人な女子に意識されている事実が、気持ちいい!!


「あ、次は移動教室か」


 教科書とノートと筆入れをまとめて教室を出る。

 この学校は広いから、移動するだけでも大変だ。


 階段を上がり、渡り廊下へ。

 ふぅ、足が痛くなるな……なんて思っていると、


「おい」


 ガタイの良い男子生徒が、私の前に立ちふさがった。

 筋肉質な腕、赤い髪、ワイルドな目つき。

 なにより……イケメン。


 ギロリと私を睨んで、圧をかけてくる。

 めちゃくちゃ怖い。


「な、なんですか?」


「てめえ、俺の弟をいじめたらしいな」


「弟?」


「ツヨシだよ、クラスメートだろ?」


「ツヨ……」


 ああああっ!!

 ツヨシ!! ツヨシか!!

 先生と共にサレナをあざ笑ったあの赤い髪の。


 そうか、この人も同じ赤髪。そっかそっか、兄弟だったのか。


「い、いじめてないです!!」


「あ〜ん? 俺の弟が嘘をついたってのか? お前が一方的に魔法で攻撃してきたつってたぞ」


「それは、あいつが私の友達をいじめたからです」


「そうなのか?」


「はい、命かけていいですよ」


「……」


 ツヨシの兄が考え込む。

 この人も攻略対象、なんだよね?

 うーん、怖い人はちょっと苦手だなあ。


 力で女を支配してきそう。


「確かに、あいつの嘘かもしれねえな。ツヨシのやつ、自分に否があることは黙ってるやつだからな」


「ほらね」


「だが確証はねえ。もしお前が嘘をついているなら、容赦しねえぜ」


「ど、どうぞ、絶対に事実なので」


「ふん、にしてもてめえ、この俺を前に物怖じしないなんて、中々根性があるな」


「この俺って……そもそも誰ですか?」


 ツヨシの兄が豪快に笑い出す。


「ハハハハ!! 俺は3年生のタケシ。タケシ・サイトウ。ここまで言えばわかるか?」


「なにが?」


 兄も日本人みたいな名前だな。

 タケシって。サイトウって。

 齋藤武さん、なのかな。


 都合よく、通り過ぎる女子たちがタケシの解説をはじめた。


「キャーッ、タケシ先輩よー!!」


「学校の剣術大会で毎年優勝してるのよね!!」


「魔法省の魔法防衛隊からもスカウトされていて、既にプロと一緒に仕事をしているらしいわ」


「現代の勇者なんて異名があるのよねえ」


 説明ありがとう、女の子たち。

 いやいや、現代の勇者って、勇者はまだ生きているんでしょうが、国王として。


「へー、すごい人なんですね」


「それだけか?」


「え、敬ってほしいんですか?」


「くく、くくく、『おもしれー女』だな」


 は、はうわっ!!

 でででで、でましたでました、おもしれー女。

 俺様系キャラの常套句!!


 タケシがぐいっと距離を詰める。

 ドンと、私の後ろの壁に手をつく。


 これが壁ドン!?

 少し前に流行った、あの!?


「お前、よく見りゃ可愛いじゃねえか」


「ど、どうも」


 ち、近い。

 顔が近い。


「俺の女になれよ」


 ぬぬぬぬぬっ!!

 俺様系男子からのリアル壁ドン、からのナンパ!!

 ドキドキするなって方が無理な話だよ!!


「ぜってぇ幸せにしてやるからよ」


 うぐぅ、ワイルドイケメンの獣のような鋭い眼光が私の心臓を鷲掴み!!

 ほ、ほのかに男の匂いがする……。


 く、くらくらしてきた。

 このままじゃ、本気で……。


「おい」


 誰かがタケシを引き離した。

 青い髪の……。


「マウ!?」


「ルージュになにをしているんだ」


 怖い顔でタケシ先輩を睨んでいる。

 私を困らせていると思ったんだ。


「はあ? お前誰だよ」


「彼女の……幼馴染みだ」


「幼馴染みだあ? ならどっかいけよ。いまからこいつは、俺の女だ。……な?」


 私に問いかけてきた。

 頷くことを強要するような問いかけ。

 流されちゃダメだ。攻略は慎重にやらないと、これ以上大事な残機を減らすわけにはいかない。


「マウ、そういえばこの前、お話するはずだったのに中断しちゃったよね?」


「え? あぁ」


「いま聞くよ。あっちに行こう!! じゃ、先輩ばいばい!!」


 マウの背中を押して先輩から遠ざかる。

 危なかったー、タケシ先輩の彼女にされちゃうところだった。


「ふん、おもしれー女」


 まだ言ってるよ。

 どんだけ面白いんだ私は。


 別の階まで移動して、私はふぅと落ち着いた。


「ルージュ、まさか本当に彼の……」


「違う違う。あの人が勝手に言ってるだけ。さっき出会ったばかりだし」


「そうか。よかった……」


 ホッと、マウは安堵した。

 そうだよね、不安になったよね。

 私というか、ルージュというか。


 マウの綺麗な青い瞳が私を見つめる。

 真剣で、どこか悲しそうな目つき。


 こういうところ、サレナに似ている。

 どこか放って置けない、気になって、守ってあげたくなるところ。


「君に、大事な話がある」

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