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僕は君に恋をする  作者: かわわ
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3人だけの生徒

誰にでも幸せになる権利がある。

けれど神から与えられた生命の時間は人それぞれであり、平等ではない。癌などの病で成人を迎えれなかったり、横断歩道を渡ってる際に交通事故にあったりとの人の死は突然やってくる。

自身の残りの寿命を可視化できれば、人生の最後までに好きな事をやりたいだけやって悔いのない最後を迎えれるのになと思うが神はそんな能力を人に与えなかった。

だからこそ、今生きている事に感謝し1秒1秒を大切にしようと思うのであった。


「以上で授業は終わりです。寄り道せず家に帰りなさいね」

時刻は午後15時 5時限目の授業が終わった所だ。いつもならHRがあってからの下校なのだが、今日は先生達のオンライン会議があるみたいで即下校になった。

「淳君!」「あっくん!」

「「早く帰って遊ぼ!」」

2人の女の子から声がかかる。

「淳君、今日はお家でゲームしようよ!パパが新しいソフト買ってくれたんだ!」

インドア派で誰にでも優しくて、THE清楚なお嬢様って感じのこの子の名前は 藤原紗夜 同じクラスの同級生だ。

「あっくん、今日は防波堤で釣りしようよ!今アオリイカが港内に入ってきてるらしいよ!爺ちゃんがいってた!」

アウトドア派で常に元気100%、誰にでもフレンドリーなこの子の名前は 川上日向 彼女も同じクラスの同級生だ。

「昨日も一昨年も日向ちゃんのターンだったから、今日は紗夜のターンです!!淳君はゲーム好きだもんね!」

「紗夜ってホントにお家の中好きだよね!あっくん言ってあげなよ。お家ばっかにいると将来、閉じ籠りになるぞって!笑」

紗夜と日向、対照的な2人が今日もどっちの案を通すかで言い争っている。この光景を眺めるのも、日常の1つだ。

それで「淳君!」「あっくん!」

「「どっちにするの」」

2人の視線が俺の方へ向く。

「いつものアレで決めるしか方法ないじゃないか!?」

アレしかないか!!と2人が頷く。

単純かつ明解!古来から受け継がれし勝負‥じゃんけんである。

じゃんけん1回で勝つ確率は1/3、3回に1回は勝利する確率なので

2連敗中の紗夜選手に勝利が舞い降りるか‥

「「最初はグー!じゃんけんポン!」」

勝負は一瞬だった。紗夜がグーで日向がパー、日向の勝ちである

「勝者〜川上〜ヒ〜ナ〜タ〜!」

俺はレスラー風に勝者宣言をする。3連勝で喜ぶ日向選手に対して3連敗で涙目の紗夜選手。そんなに新作ゲームを遊びたかったのだろうか‥2人の温度差が激しい。確率的には次は勝てる筈だ‥頑張れ紗夜!負けるな紗夜!次こそは勝てるぞ紗夜!と心の中で応援するのであった。


16時00頃に港の自販機前集合の約束して各自、一旦家に帰った。

今日の遊びはアオリイカ釣りの為、釣り用の服装に着替えて釣り竿を準備する。あとは、生餌を釣る為には冷蔵庫の中から食材を調達するだけだ。

「淳、どこかでかけるの?」

キッチンに行くと母が晩御飯の準備をしている。この美味しそうな香り‥今日の晩御飯は肉じゃがのようだ。

「今からアオリイカ釣り行ってくる!」

「紗夜ちゃんと日向ちゃんも!?」

「うん!2人も一緒だよ!てかイカ釣り言い出したの日向だし」

「ホント仲良いわね貴方達!海に落ちないように気をつけるのよ」

「分かってるよ!!」

少し過保護過ぎ事もあるが、我が子を1番大切に想ってる事が伝わり、母さんの子供として産まれてきた事に幸せだと感じてる。

こういうのは言葉にして伝えるべきなのだが、いざ伝えようとなると恥ずかしいものだ。そんな気持ちを胸にして冷蔵庫から竹輪を少し取り、集合場所へと向かった。


俺、姫川 淳が暮らしているここは、人口200人くらいの小さな島だ。主な産業は漁業で住民の大半が漁業で生計を立てている。また、学校は小中一貫で高校は島に無く中学校を卒業すると本土にある寮付きの高校に通う事になる。因みに小中学校だが俺たちの中学卒業同時に廃校になる予定だ、何故ならこの島には俺と、紗夜、日向の中学2年生の3人しか居ないからだ。高校卒業したらそのまま本土で就職する事がほとんどで島に戻って来る事はない。ここに限らず他の離島に住む人達もこの深刻な問題を抱えているだろう。

綺麗な海や澄んだ空気、何よりも夜に空を見上げると満点の星空の輝きを眺めれるのはこの島の住む者の特権なのだが、小さな頃からこの島で育ってきた者にとっては当たり前の光景であり、その価値に気付ける人は少ないのだ。

そんな事を思いながら歩いてると、集合場所である港が近付いてきた。2人はもう着いてるだろか?と考えてる【おそ〜い】と【時間が勿体無いよ〜早く〜】と日向の早く来んかいと催促の声が聞こえてくる。【こっちは道具から餌から用意してるんだぞ!?】と心の中で思いながら、これ以上日向様の機嫌の損ねないように小走りで2人の元へ向かうのであった。

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