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異世界転生は友と共に!  作者: 鬼桜天夜
第1章 『騎士の國 オルフェウス』
19/22

次なる目的地

「ほんとにお別れをしなくていいのか?ウリハラはお前にとっても大事な町だと思っていたが」

王都ナイティル、門前。早朝の薄明が雲を突き抜け、目の前を照らし出していた。

レオンの王宣言やらなんやら、もう考えるだけでいまだに頭痛いからしないけど、とにかく諸々の翌日、私たちはオルフェウスを旅立とうとしていた。


私たちとしては、ウリハラに一度戻ってから出立したかったが、レオンたっての希望で今日になった。

なんでも、合わせる顔がないとか。

あれだけ慕われていた癖に、もはや嫌味にまで聞こえてきたわ。


ちなみに、レオンは王様になってその後の事は大丈夫なのかという疑問は、たった一つのアイテムで解消されることとなった。

あの玉座にあったAIが、レオンと王都の通信を可能にしているらしい。新たに身に着けていたイヤホンらしき機械で、通信が可能ということだ。急なハイテク機能には、さすがに私もわくわくしたものだ。


「だからこそだよ。俺は必ず生きて帰ってくる」

それ死亡フラグって言うんだが、まぁ、レオンならなんとかするか。


《俺も聞いた事あるぞ、死亡フラグ。それが立ったら百パー死ぬんだろ》

だからそれをへし折ろうってんじゃん。

ジャック相手だから強がってしまったが、まだまだ私の実力はレオンに及ばない。もっと強くならなければ、もう、守ってくれる人いない。


「改めて確認するけど、レオンの目的は魔王討伐、もとい、真実の解明。私たちは各国を旅しつつ、ほぼ忘れかけてたけど、ギルドの依頼もこなしていく。

 レオンは大丈夫?やっぱり、私たちの旅についてくるんじゃ効率悪くない?」


「いいんだ。それに、俺はこの國から出たことがない。一緒に来てくれる人がいると心強いしね」

そうか。失念していたけど、彼もまた、私たちと同じなのか。

ある種の感慨を抱いていると、緋華李からちょいちょい、と肩を叩かれる。


「藍華さんや。そう邪険にせず、仲間に入れてやんなさいな」

不敵な笑みを浮かべて、わざとからかってきた。

そんなのに反応してたらキリがないので、軽く流す。


「別に邪険になんか…でもそうだな。こちらとしてもありがたいし、ぜひ」

そう続けると、急にレオンが胸を抑え出した。


「うっっっ」


「ど、どうしたんですか!?」

私がびっくりしすぎて言葉を失っている中、緋華李が屈んだレオンに駆け寄る。


「だ、ダイジョブですヒカリさん。アイカの微笑みにノックアウトされただけですから」


「ん??」

私の聞き間違いか??

レオンの顔を確認するが、見上げるその顔には、今まで見たことのないような妖艶な笑顔が張り付いていた、

イケメンこわ。


「俺言ったでしょ?素直に生きるって。だから、もう色んなこと隠してるのはやめることにする。あっ、もちろん、モラルは守るけど」

立ち上がり、あの笑顔のまま近づいてくる。

あわあわしてる緋華李、早く答えろと言わんばかりのレオン。


しかし、もう色々と、私は手一杯なのだ。


「ぷっ」


「ぷ?」

レオンとヒカリの声が重なった。


「プレイボーイだー!!」


「え俺!??」


「あっはははは!二人とも待ってよー!!」

それは誤解だ!!、なんて叫びながら、レオンは走り出したアイカの背中を。

ひまわりのような、鮮やかな笑顔で二人を追いかけるヒカリ。


追いかけられるアイカの顔も、リドルムに来てから一番の笑顔を咲かせていた。

この場にいる誰もが、あぁ、こんな穏やかな時間が、いつまでも続けばいいのに、そう思った。

人間ではない彼らも、それは同じだ。


《愉快で飽きないねぇ》


《このような旅も、乙なもの、か》


《アンタは一々言うことがジジ臭いんだよ》

仲はいまだに不仲だけど、確かにそこに、一種の絆が芽生えかけていた。


振り返り、友を見る。

私は一人じゃない、そう強く実感する。

たとえどんな困難に当たっても、挫けても、私は一人じゃない。離れ離れになっても、心が、繋がってるって信じて思い出そう。


目の前に広がるこの夜明けと、共に。






─ 完 ─








色んな小説に手を出していたら、いつのまにかこんなに遅くなってしまいました。鬼桜 天夜です。


ここまでお付き合いしていただき、本当に感謝と嬉しい気持ちでいっぱいです。

次もなんとか頑張ります。

なんとか、はい…


諸々はさておき、ぜひ、これからもよろしくお願いします!


by 鬼桜 天夜






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