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生徒会を解任させられた俺がヤンデレ生徒会長の右腕ってマジですか?  作者: 秋之葉Momiji
坂の上高校校則 第一条【会長の愛は重い】
9/15

私、気付いちゃったわ……

全ての授業を終え、今日も会長室に向かう。


「失礼しまーす」


これまたいつも通りにドアを開け、会長に挨拶する。


「…………っ!(ポッ)」


会長もいつも通りに「お疲れ様、今日は何して遊ぶ?」とか言ってくると思ってたが、今日は何故か顔を赤くして目を泳がせている。

なんかあったのかな?


「会長?どーしたんです?」

「い!いえ!何もないの……、ほら、今日はやるべき事が沢山あるわ。楓君はそっちの資料を片付けてちょうだい……(ポッ)」

「……?。はぁ、了解っす」


とりあえず、様子のおかしい会長は置いとっていつものように、書類に目を通し印鑑を押していく。これは、俺が確認したってことを証拠として残すために印鑑は秋原って書いているのを使っているのだが……、会長はこれを利用して三枚に一枚ほど婚姻届を混ぜて渡してくる。一回うっかり印を押しそうになって寸前で止まれた時は会長は舌打ちをしていた。

可愛い顔が台無しだった。


それはさておき、今日も書類と婚姻届を分別しながら作業に取り組んでいると、


「会長ぉ、なんか最近、書類の数より婚姻届の方が多くなってきてるんですけど……」

「そりゃ私が毎日、市役所で貰ってきてるんだもの。当然じゃない?」

「普通、市役所ってこんなに婚姻届くれます?だいたい一枚じゃないですか?」

「私がおど……、頼み込んで沢山貰ったのよ」

「そ、そうですか……」

「そう……なのよ…………、(ポッ)」


んー、会長の奇行はいつも通りの平常運転なのだが、どうしてもこの態度が気になる。さっきからモジモジしたり、やたらしおらしかったりするので俺がやりずらい。


「会長、やっぱり今日変ですよ?何があったか話して貰えませんか?」

「そうね……、ここまで来たら覚悟を決めるわ」


会長は軽く深呼吸すると話始めた。


「私、気付いてしまったの。私と楓君がもう既に恋人同士ってことに!!」

「はい?全くもってそんな事実はございませんが?」

「ぐっ……!そう言われると何か腹が立つものがあるわね。ってそんなことはいいわ!私、楓君を補佐につけた時、なんて言ったかしら?そう!「私の右腕にならない?」って言ったのよ!」

「そういや、そんなこともありましたね」

「うぅ……、最近の楓君は少し冷たくないかしら?私、悲しくなっちゃったわ」

「嘘泣きはいいんで、早く続きを話してください」

「そうね、ゴホン!えー、クラスの男子が話してるのを聞いたのだけれど、彼は最近、「右手が恋人」って言ってたわ!つまり右腕である楓君は恋人以上の存在なのよ!」


と、力説する会長。「右手が恋人」って、意味分かって言ってんの?この人。でもまぁ分かってるにしろ、分かってないにしろ、その言葉を大声で言うのはあんまりだと思う。


「会長、右手が恋人って意味分かって言ってます?」

「え?そのまんまの意味じゃないの?」

「ええ、まぁそのままの意味ではあるんですけど、とりあえず会長の考えを聞かせて下さい」

「普通に安心して仕事を任せられるパートナーのことじゃないの?その子が素敵な恋人なんでしょうね、うふふ……ロマンチックだわぁ!」


やっぱり会長は壮大な勘違いをしていた。

どうするべきか、俺は以前、林檎に子供はどうやって産まれるかって聞かれた時ぐらい真剣に悩んだ。

そして悩んだ末に俺が出した結論は、


「OK、Google右手は恋人、意味。会長、ほらこれ、読んで下さい」


グーグル先生に丸投げすることにした。

俺のスマホを見てだんだんと顔が赤くなる会長。ようやく自分の失態に気付いてくれたらしい。


「どどど、どうすんのよ!?純粋な乙女の気持ちを弄んでぇ!私の気持ち返してよぉ!」

「知りませんよ!勝手に過去の事をほじくり返して勘違いしたのは会長じゃないですか!あと襟元掴んで首を揺するのやめてください、地味に痛い……」

「うぅぅぅ……」


会長は今にも泣きそうなくらい目尻に涙を溜めている。こんな状況にも関わらず可愛いと思ってしまった俺も大概だが、可愛いんだから仕方ないだろう。

でもまずはギャン泣きし始めた会長を宥めないとだ。



何とか宥めすかして、おだてて、機嫌をとってようやく会長はいつも通りになった。


「全く、教室であんな下劣な会話をするなんて信じられないわ!」

「それは俺も正論だと思います」

「おかげで私が楓君の正妻だって勘違いしちゃったじゃない!」

「すみませんがそれは俺にはよく分かりません」


ほっぺを膨らませる会長。

押すと、あ、萎んだ。なんだこれ楽しいぞ?会長のほっぺたフニフニだぁ!


「ひひゃい」

「おっと、すみません。ついうっかり」


ほっぺを伸ばしたり縮ませたりして遊んでると会長からジト目で睨まれる。

まぁ、あんまり怖くわないけど。

ふと、外を見ると空は赤色に染まっていた。


「はぁ、日もだいぶ傾いて来たしそろそろ帰りましょうか」

「そうね……、賛成だわ。私も疲れたもの……」


少しゲッソリした会長がそう言いながら立ち上がる。

あんだけ大騒ぎすれば誰でも疲れるだろう。

でもまぁ、一晩寝れば完全復活で明日も大騒ぎしてそうだなー、とか考えていと、


「ほら、何をボサっとしているの?早く出るわよ」


そんなことを言いながら急かしてくる。

俺はそんな会長の後を笑いながらついて行く。

ある事実に目を背けながら。


────今日、全く仕事進んでねぇ……!

どーも、Momijiです。

完全に下ネタ回になってしまった話ですが、タイトルつけた時から考えてた話なので後悔はないですね!


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― 新着の感想 ―
[一言] 逆に考えるんだ、楓が右腕と言う事は楓くんで右腕が恋人をしちゃってもいいさ、と
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