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生徒会を解任させられた俺がヤンデレ生徒会長の右腕ってマジですか?  作者: 秋之葉Momiji
坂の上高校校則 第一条【会長の愛は重い】
8/15

愛してるゲームとは

「チキチキ!会長VS補佐、愛してるよゲーム!!!」

「会長!?落ち着いて下さい!!」


最近、やたら会長が生き生きしている。あの時、会長補佐にならないかと、俺に手を差し伸べてきた美しい会長はどこに行ったのだろうか。まさか幻か?

なんて思ったが、働いている時の会長は真面目なので、オンとオフの差が激しいだけなんだろう。オンになることは割かし少ないけど。


おっと、そういえば今日は珍しく春風先輩が来ている。おれが働き初めてはや一ヶ月、たまに顔を見せることはあったが、ガッツリ会長室で寛いでるのを見るのは、なかなか新鮮な光景だった。


さて、なんで会長がこんなおバカちゃんになっちゃったのか、それは少し前に遡る。


「春風先輩、お茶入れますけど何にします?」

「んー、じゃあレモンティーかな」

「了解っす」

「むー…………、」


なんか会長がむくれている。

見ようによっては可愛いのだが、高校生がやるとかなりイタい。ま、可愛いんだけど。


「どうしたんですか?会長、リスみたいになってますよ?」

「これは、あれかしら?NTRってやつかしら。私、親友にNTRされちゃったのね。右腕をもがれちゃったわ。」

「おかしなことばっかり言わないで下さいよ」

「だって私には何がいいか聞いてくれないじゃないの。本当に私のこと愛してるの?あの時の言葉は嘘だったの?」

「今まで一言でも愛してるだとか言ったことありましたっけ?」


俺の記憶が確かならそんなこと一回も言ってない気がする。

でもまぁ、会長がなんで拗ねてるのか分かったから対処のしようはあるけど。


「会長は何がいいですか?」

「ん!ハーブティーでお願い!」


会長は満足そうに頷くと、結局頼んで来たのはいつものハーブティーだった。本当にただ聞いて欲しかっただけらしい。


人数分のお茶とお菓子を机に並べ、三人でまったり過ごす。今日はたまたま仕事が少なかったので、早めに終わらせておいた。出来れば会長にも手伝って欲しかったが、まぁ一人でも十分できる作業だったので一人でやった。

俺、偉い。


「葵、最近ちまたでこれが流行ってるらしいよ!」


そう言って春風先輩はスマホの棒動画再生アプリで動画を再生する。

そこには、


『愛してる』

『俺もだよ』

『愛してる』

『俺もだよ』

『愛してる』

『お、俺もだよ』

『あ!今照れたね!アタシの勝ちぃ!!』


なんてやってるかっカップルの達が。

これは、アレだ。お互いに「好き」と「俺もだよ」って言って照れた方が負けなやつ。

確かに一時期流行ってたけど、さすがにチョイス古くない?


「で、最近またこれが流行り出しそうな予感がするの」

「ふーん?これはいいわね。お互いに好意の確認ができるところが、とってもいいわ」


会長は何やらフンフンと首を振って肯定している。

こんなことやらんでも、ちゃんとお互いに思いあってるカップルって多いと思うんだけどなー。

ふと、会長を見ると何か思いついたようにニヤニヤしていた。碌でもないことを企んで居そうだ。


「と、言うわけで…………、私達もやりましょ?」

「何が「と、言うわけ」か全く分からないんですが……、」

「ええい!ウダウダ言わずにやるわよ!?第一回!チキチキ!会長VS補佐、愛してるゲーム!!!開催!」


そして、話は冒頭まで戻る。

俺の目の前には会長が、そして隣に春風先輩が座っている。


「それじゃ、ルールの説明をするね!」


と、言ったのは春風先輩。なんでも普通のルールじゃ面白くないからとのことらしい。

別にこのゲームを考案した人も面白さなんて求めてないと思うんだけどな。


「まず葵は、好きって言うだけじゃ面白くないから、とりあえず、なんで好きか理由付きで言ってみようか。もちろん照れたらダメ。そしてちゃんと顔を見て言うこと。これ絶対ね」

「「ほうほう」」

「で、次。秋原君は、葵のいい所を三つ答える!で行こうか!!」


春風先輩の号令で戦いの火蓋は切って落とされた。まずは先攻の会長だ。


「えっと……、楓君は声がしっとりしてて、色っぽくて、背が高くて、頑張り屋さんで、気配りが出来て、えっと、だ、だからね?す、す、す、…………ちゅき!

はい!次楓君の番!私のいい所を三つ言いなさい!!」

「えーと…………、まず、会長は美人で、スタイルが良くて。いつもクールな感じなのにたまに可愛くなるのとか、ギャップが凄くて。あ、あと、優しい所とか、俺はいいと思います……。」


「「………………、」」


「「うぅぅぅぅ…………!」」


言い終わった後に沈黙し、二人同時に悶える。あれ?これなんの勝負だっけ?つか勝敗、どーなった?


「それで、春風先輩。どっちの勝ちですか?」

「うん、まず秋原君、ブラックコーヒーを頼むよ」

「え、分かりました。すぐお持ちします。」


そう言って直ぐにブラックコーヒーをいれて持っていくと、春風先輩は一口すする。


「さて、勝負の行方だが。まずもってこのゲームは成立してない!よって無効です!」

「「ええ!?なんでぇ!?」」

「なんでぇ!?じゃねぇわ!なんで二人共勝負が始まる前から照れてんだよ!?照れた方の負けって勝負、真っ向から否定してんじゃねーか!てか甘!ブラックコーヒーですら甘く感じるよ!!なに!?嫌がらせ!?彼氏いない私のに嫌がらせしてるの!?残念ね!私が愛してるのは弟だけなのよ!!ハァハァ……、もう、このゲームは禁止よ!!」

「「…………なんか、ごめんね(なさい)」」


こうして、愛してるゲームは春風先輩が突然、豹変したことにより終わりを迎えたのだった。


会長はこのゲームを気に入ったのか、第二回の開催を目論んでいるが、ことごとく春風先輩に阻止されているのはまた別の話だ。

いやー、イチャイチャ会って書くのが難しいですね。どーもMomijiです。


面白いと思ったらブクマ、ポイント評価よろしくお願いします!

砂糖多めの話ってむずかしいぜ……。

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