ヤンデレの片鱗
プロローグから三週間後の話になっています。
冒頭のすぐ後ですね!
俺が生徒会長補佐に付くまでの回想をしている間、ずっと俺の膝でうだうだゴロゴロしてた会長に声をかける。
「会長、いつまでもそうやってないで早く仕事終わらせましょうよー。」
「ん?もうプロローグ終わったの?」
「はい、閑話まで挟んでもう本編ですからね。みんなが見てますよ。」
「楓くん?私、そう言うメタ発言ってどうかと思うの。」
「最初に言い出したのは会長ですからね?」
会長は突っ込まれて何も言えなくなったのか、それとも聞こえてないのか、「しょうがないわね……」と言いながらモソモソと起き出し背伸びをする。顔が赤くなっているのを見ると多分、前者だろう。
「やりたくない事も、やらないと終わらないものね。」
「そうですよ。俺も手伝うので頑張りましょう。」
「ええ、頑張るわ。」
そう言って会長は座る。
何故か俺の膝の上に。
会長の柔らかい桃が俺の太腿に当たる。
「会長?ソファーがあるんだから、そっち使いません?」
「嫌よ。仕事はするって言ったけど甘えないとは言ってないわ。」
速攻で断られた。
しかも、さっきまで散々甘えてた癖にまだ甘えるのかこと人は。
「あの……、早く降りて欲しいんですけど……、」
「ギュッてしてくれると、作業効率が上がるわ。それともなに?私が重いの?」
「いや、会長は重くないですけど……、」
「そ、ならいいじゃない。」
そう、会長自身は重くないのだ。
重いのは会長の愛だけだから。たまにその愛に押し潰されそうになるんですよ。マジキツいっす。
「むー、安定しないわね。ちょっと楓君。私をギュッとしてくれないかしら?」
「へいへい、ギュッー……、」
「はうっ!!……なんか手慣れてないかしら?もしかして常日頃から誰かに同じようなことをやってるの?」
いつの間にかまた、会長の目から光が消えている。
確かにギューってするのは林檎に要求される度にやってるから慣れているだけなんだけど……、
「妹です!。よくやってあげてるんですよ。」
「本当?」
「ええ!もちろんですよ!本当にそれ以外の人とは一切そんなことしませんよ!」
「そう……、まぁ妹なら仕方がないわね。許すわ。でも、それ以外の人とそんなことしてたら……、」
「ひぃっ!!」
「うふふっ、冗談よ!びっくりしちゃった?」
いやいや、冗談に聞こえなかったんだが!?
マジで刺されるかと思ったぞ。
他の人とそんなことしたら、どんな目に合うんだよ!?
そんなことはなかったかのように、会長は目に光を戻すと手を叩いて言った。
「さ、こんなキツい業務なんてさっさと終わらせてしいしましょ」
「最初からそのやる気があれば良かったんですけどね。」
「そんなことは無理よ。だって私、スロースターターだもの。」
「スローにも程がありますって。」
「そうね、さすがに三日は待たせ過ぎたわね。あ、こっちではまだ二時間だったかしら?」
「だから、メタ発言はやめましょう!?」
「なんのことかさっぱりだわ?」
「あんた確信犯だろ!?」
少し重くて、ポンコツで、それでも可愛い会長との日々はまだまだ始まったばかりだ。
どーもMomijiです!
祝、初日刊ランキング ジャンル別1桁行きましたー!!イェイ!!
本当明日死んでも可笑しくないぐらい嬉しいっす。
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