【閑話】素晴らしきかな義妹
閑話です。本編とはそこまで関係ないですが、登場人物だけでも覚えて貰えてら幸いです。
「ただいまー、」
家に入りドアを閉める。
「おかえりなさーーーーい!のダイブ!!」
「うおっととと、林檎、危ないぞ?」
「にぃに!おかえりぃ!」
「おう、ただいま!」
俺に抱えられ、満面の笑みを浮かべるのは天使、秋原 林檎(8)だ。茶色く長い髪に軽くウェーブがかかっている。俺の可愛い可愛い義妹である。そしてリビングから顔を出すおっとり系美人は林檎の実の母親であり、俺の義理の母親の秋原 京子(36)である。五年前に親父が連れてきた時はその美貌にびっくりしたもんだ。
「あらあら〜、林檎ったら甘えちゃって!おかえりなさ〜い、楓」
「おう!ただいまお義母さん!今日の飯なに?めちゃくちゃいい匂いするんだが」
「今日はカツカレーよ〜。出来るまでまだ時間かかるから風呂にでも入っておいで〜」
「ほいさー」
「林檎もにぃにとお風呂入るー!!」
「おう!しっかり百まで数えような?」
「うん!!」
やっべ、めちゃくちゃ可愛いわ俺の天使。
もちろん小学生三年生なので手は出さないが。
風呂に入り、パジャマに着替えた林檎の髪をドヤイヤーで乾かしていると、唐突に林檎が学校での出来事を話し出す。まぁいつもの事なのであんまり驚かないが。
「にぃにー、今日ね?りんご、たくみ君に好きって言われちゃったの」
「ふごぉっふ!」
前言撤回。俺はめちゃくちゃ動揺した。今も咳き込んでしまい、林檎に背中をさすって貰っている。
「にぃに、大丈夫?」
「だ、大丈夫だから続けて」
「うん、それでねー、返事は明日下さいって言われて、なんて言おうか迷ってるの」
「そんな時にはこう言うといいんだぞ?私のお兄ちゃんに勝ったらねって」
「ちょっと楓〜?林檎に変なこと吹き込まないでよね〜?」
「りょ、りょーかい。それで、林檎は、なんて答えるんだ?」
「んーっとねー。にぃにと結婚するからダメって言う!」
「よし!林檎!100点満点だ!!」
そう言って俺は林檎を抱きしめる。シスコンだ何だと騒いでるそこの君!今いい所なんだから黙っていてくれ!そしてこっちを睨んでるお義母さん。お義母さん!?
「楓〜、後でちょっとお話しましょうね〜」
「は、はぃ」
俺はお義母さんに冷たい目で見られ、背中がゾクゾクした。何か目覚めそうだったのは言わないことにする。言ったらさらに怒られそうだからな。
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怒られた。めちゃくちゃ怒られた。
どのくらい怒られたかって、怒られることが気持ちよくなってくるぐらい怒られた。
ついでに親父にも説教されたがこっちは八割以上聞き流しているのでどうってことない。
「うぅ……林檎〜慰めて……。」
「よしよし……。泣かないでにぃに。」
「うぅ……、林檎〜林檎〜」
長時間説教された俺が、今、何してるかって、林檎に膝枕してもらい、慰めて貰っている。
いや、違うんだ、みんな。通報しようとしているそこの君、今すぐスマホを下ろすんだ。
これは、説教され心が荒み自分の部屋で落ち込んでいる俺に林檎が自ら進んで膝枕をしてくれたのだ。決して催促した訳ではござらぬ。
「はぁ〜、林檎の太ももはスベスベだなぁ、」
「にぃにー、くすぐったいよぉー。」
うん、分かってる。自分がギリギリOUTなセリフを吐いてるのは俺が一番分かってるんだ。
でもしょうがない。今日の俺は色々あったせいで疲れてるのだから。
でも、こうしてリラックスしてるとだんだんと瞼が重くなってくる。
「にぃにー、林檎も眠たくなってきちゃった」
「そうかー、俺も眠たくなったよ。ちゃんと歯磨きした?」
「うん、お母さんに仕上げもしてもらったよー」
「そっか、じゃあお義母さんとこ行こうな」
「んー、お母さんの隣もいいけど、今日はにぃにの隣で寝たい。」
「じゃあ一緒に寝ようか……、」
「うん」
俺たちは電気を消し、布団に潜ると林檎は俺の腕を枕に、俺は林檎を抱き枕にして、深い眠りに落ちた。
さて!次回は登場人物の紹介、その次から第一章、日常編をお送り致します!
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