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生徒会を解任させられた俺がヤンデレ生徒会長の右腕ってマジですか?  作者: 秋之葉Momiji
坂の上高校校則 第二条 【ジングルベルがなる頃に】
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健全な男子高校生の葛藤

テストが終わり、いつも通り会長室のドアをノックする。

が、いつもとは違い今日は返事が帰ってこない。……、三年生は一時間前にテスト終わってるはずだが、まだ来てないのだろうか?

不思議に思いドアノブを捻ると普通に開いた。


「会長ー?いるんですか?」


そう言いながら入るも、やっぱり返事は無い。春風先輩と飲み物でも買いにいったのかな?と、思ったがどうやら違ったらしい。

ソファーの上で寝息を立てる会長を見つけた。


「昨日も十二時過ぎるまで電話してたもんな……」


そして、会長は電話を切った後もテスト勉強に励んだらしい。俺?すぐ寝たよ、テストなんて普段の授業を聞いてれば平均点くらいとれるし。


とりあえず俺は、寝ている会長を放置して今日の業務に取り掛かる。せめてお疲れの会長に代わり会長の分の仕事までやろうと思い、書類の整理から始める。


一時間経った。仕事は一段落したが、会長はまだ目を覚まさない。だいたいの事は俺が片付けたが、会長は明日の終業式のスピーチとか考えなくちゃいけない。

……少し心苦しいが起こすか。


そっと会長に近づく。


「スー…………スー…………」


…………しょうがない、もう少し寝かせておこう。無理して起こして、不機嫌になったら元も子もないしな。

会長の寝顔を見て働く気も無くなった俺は会長の枕元に腰を下ろす。

しばらくボーッと会長の顔を見ていると、イタズラ心が湧いてくる。って言っても別にエッチな意味ではないぞ。

俺は人差し指で会長の頬っぺたを突く。おぉ、モチモチだ。林檎の頬っぺたでモチモチ慣れしている俺ですら唸るほどの張りとモチのバランスが取れている。


しばらく突いたら、今度は親指も使って頬っぺたをフニフニとしてみる。

フニフニフニフニフニフニフニ……、


「やっべぇ、癖になりそう……」


これ以上はヤバイので頬っぺたフニフニはここでやめておこう。

いや、最後にひとフニだけ……、

と、思い会長の頬っぺたに手を伸ばしたその時だった。

会長が寝返りを打ったのだ。


「…………フニャ……」


か、か、可愛っ!フニャ、だって!脳が震える程の破壊力だ。

そして、なんというスリルだ。この寝ている会長にイタズラすると言う背徳感(別にエッチな意味じゃなくて)、最高だった。

そして俺は、遂に光を青く反射する黒髪を見つけてしまった。


……触りたい……、


いやいやいや、ダメだろう。仮にも付き合っても居ない異性の頭を撫でるなんてやって言い訳がない。(※ほっぺたを触るのもアウトです。)

いや、でも会長寝てるし……、ちょっとぐらいならバレないかな?


そうやっていやいや、でもでもと葛藤している間にしばらく時間が経ったのだろう、再び会長が寝返りを打ち─────────、


太ももに頭を乗っけて来た。

まぁこの程度のスキンシップならいつも会長から仕掛けてくるので、どーってことないのだが、今はダメだ。何せ会長の髪を触るか触らないかで悩んでいたところに、そうやって頭を差し出されると……、


「……誘ってきた会長が悪いんですよ?」


そうだ。俺は何も悪くない。強いて言えば無防備に寝ている会長が悪いのだ。本当にこの人は自分の可愛さを理解しているのだろうか。

そう思いつつも、ゆっくりと会長の髪に手を近付けて行く。


「…………っ!!」


会長のツヤツヤ髪の毛は驚く程に滑らかでツヤツヤだった。それはもう混乱で文法がおかしくなるぐらいには。

何度も夢中で撫でる。

その青みがかったストレートヘアは指で軽く梳いても引っかかることを知らない。


「……う…………ん………………」

「……っ!?」


ずっと撫で続けていたら会長は少しくすぐったそうに身をよじる。


……ぶっねー!!!!

危うく会長を起こすところだった。

いや、いつもなら起こして仕事やってもらうんだけどね、今は別。例外。特例だ。

会長にはもうしばらく寝てて貰おう。


今度はくすぐったくないように、ゆっくりと優しく撫でる。

はぁ、いつまでも味わっていたいこの感触。これが本当の幸せというものなのか。

そんなことを考えながら会長の安らかな寝顔を見る。もしも猫なら喉を鳴らしていたかもしれない程、幸せそうな顔だ。

ていうか、めちゃくちゃまつ毛長い。そして小ぶりながらも筋の通った鼻。その下の柔らかそうな唇。全てのパーツが絶妙なバランスを保っている。

頭を撫でながら見とれていると、会長の目が開き、バッチリ目が合う。


今の俺、会長を膝枕&頭を撫でながら顔を覗き混んでる。完全にOUTだ。

と、少し驚いた顔をしていた会長はニンマリと笑いながら、


「ふふっ、こんな目覚めも悪くないわね、いえ、悪い所の話じゃないわ。毎朝こんなふうに目覚めたいものね」

「ちちち、違うんです!寝てる間に髪の毛触りたかったとかじゃなくて!えっと、ほら!ホコリが着いてたんですよ!会長の頭に!」


そう、しどろもどろになりながら、言い訳を口にする。

これで誤魔化せる訳が無いが、勝手に口が動いたのだから仕方がない。悪いのは全部俺の口だ。あれ?これって全部俺が悪くね?


そうやって一人で混乱していると会長はニヤニヤしながら、上機嫌で背伸びをする。寝起きが悪い会長には珍しいことだ。


「さて、グッスリ寝たことだし、さっさと今日の仕事を終わらそうかしら」

「あれ?なんか今日の会長、機嫌がいいですね……、そんなに膝枕と頭撫でが良かったんですか?」

「そうね、あれはとってもいいものよ。毎日やって欲しいくらいだわ。でもそれだけじゃなくて、夢を見たのよ」

「夢、ですか?」

「ええ、懐かしい大切な思い出だわ、あれが私の原点なの。恥ずかしから人には言えないけどね」

「そうですか……、まぁ、やる気が出たのはいい事です!ちゃっちゃと明日のスピーチの原稿考えちゃいましょう!」

「そういえば明日から冬休みだわね!クリスマスが楽しみだわ!」


そうやって会長はフンス!と鼻息を吐く。

クリスマスを相当、楽しみにしてくれているようだ。


「ええ、俺も楽しみですよ!クリスマス」


だが、まだ俺たちは知らない。このクリスマスに今年、最後の大騒ぎが待ち受けていることを。

どーもMomijiです。

これからしばらく、更新できるだけしていきたいと思っています。コメント、ブクマ、ポイントよろしくお願いします!

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