97話 闘技場の対人戦を見に行う2。
ワアアアアアア!!!!!!
凄い歓声だ!今日は、闘技場対人戦の本選である。
強者揃いで、名のある有名人が軒を連ねていた。30人のトーナメント方式を採用しており、6回勝てば優勝となる。
「おい!あれは日の国のサムライ、覇王丸じゃねーか!」
「何でこんな砂漠へ来てるんだ!?」
「それよりも!あれを見ろ!!忍びの服部半蔵門だぞ!ワイドキングを一撃で葬った伝説を知っているか?」
「んな事言ったら、脳筋ヘラクスのホワイトドラゴン討伐の方が上だぞ!」
「モグリかお前は!そいつはブラックゴーレムだ!」
へー、あの人達が伝説の人だったのね。そういやアランの日記に書いてあったな。元勇者御一行メンバーが、何でこんな大会でてるんだ?まぁ、大会が終わってら聞いてみよう。
「うーん、うーん。」
アイが悩んでいる。大会のオッズとにらめっこしていた。
「服部半蔵門と、覇王丸と、ヘラクスに賭けとけ。」
「む!?成る程!心得た!」
今ので理解出来たのか?納得する要素はどこに?
「アレックスさん。お店周りませんか?」
「ん?いいよ。行こう。」
「やった!」
ユリさんは可愛く両手を顔に添える。何度目か分からないけど、ドキッとした。この笑顔の先にある、あの性格がなぁ。とりあえず、先送りした。
闘技場の周りの出店は、とても繁盛している。そして、肉を焼く香ばしい香りが食欲をそそるのだ。アイのお土産と言い訳を考え、串焼を10本買う。トウモロコシの丸焼き、ビールに焼酎と飲め!と言わんばかりのラインナップだ!勿論買うけどね。
最近流行っている揚げ物が、行列を作っていた。
「アレックスさん、あれ何を売ってるんですか?」
「ん?あれね。唐揚げと揚げポテトだよ。」
「美味しいんですかね?」
「美味しいらしいけど、僕は食べた事無いな。この炎天下の下で、並んでまで買う気にはなれないよ。まして、並んでたら、決勝戦終わったなんて事にはなりたくないし。」
「ですよねー。」
嬉しいそうに、僕の腕に抱きつく!ああ!もうこのいい匂い堪らん!いっそ殺してくれ!欲望が大きくなりすぎて、襲ってしまいそうだ!
そんな事は露知らず、鼻歌まじりにユリさんは歩く。
「あれ?もしかして、ピンキー君じゃない?」
「まさか!ピンキーでも、この行列に並ぶ程、アホじゃないさ!・・・・・って、おい!」
間違い無くピンキーだった。こいつは真性のアホだ。いや、知ってた。知ってたさ。今、再確認しただけだよ。
行列の真ん中にピンキーは居た。
バカン!
「いったー!誰だ!悪さわする奴は!」
「アホが!名前改変するぞ!選べ!バガピーか、死んでしまえ!のどっちがいい!!」
「どっちも酷いよ!後者は、名前の欠片もないじゃん!」
「贅沢言うな!選べるだけマシだ!!お前何してんだ!こんなの並んでたら、商品受け取る時に決勝戦終わってるわ!」
「嘘!?」
「嘘付いて、メリットあんのか!!ボケナスカスに決定だ!」
「うわ!さっきより酷い!二択なのに、第三の項目って、狡いぞ!名前の改変は断る!!」
お前に決定権は無い!僕が言いたいのはそれだけだ。
「ボケナスカスさんは何故並んでいたのですか?」
「うわ!ユリさんまで酷い!情報収集してたんだよ!トイレに行きたいって、言われて代理で並んでるの!!」
「ふーん、即席の嘘にしては、いい出来だな。」
「まぁ、まぁ、本当っぽいですよ。多分。」
「もう好きにして。」
事情はわかったので、ピンキーは放っておく。王様の事は任せているのだし、多分、きっと、役に立つだろう、か、な?
「うわー!武器まで売ってるんですね!」
見物客に武器を売るのは、どうかと思う。が、興奮して自分も出来るんじゃね?と思っている所に、目先にあれば買うだろう。そして、次の日気付く。何で買ったんだろうって。
剣ならぱまだいい。しかし、ナックル等素人では、役に立つ訳が無い。クナイを見て、俺!忍者なれねぇ!装備出来ねぇよ!と嘆く男が何人いるかな?
いくつか武器を眺めて、僕はそう思った。
ユリさんは、アサルトボウとグレネード弾を手に取り、呟いた。
「これ粗悪ね。センターが出てないし、作りが荒いわ。このグレネード弾も、投げても爆発しない。多分。」
見る人の目だと、解るんだな。




