95話 冒険者と飲もう。
「とりあえず乾杯!」
「「乾杯!!」」
ピンキーと合流して、今は飲み屋に来ている。
漆黒のメンバーと一緒に飲む。これぞ交流というヤツだな。情報交換したり、仲良くなって恋仲になっりと、数少ない異性との触れあい場になる。
「わあ!可愛い!!このサボテンクン!!」
「珍しいなぁ!流石勇者御一行様だな!」
「勇者は、サボテンクンをお供にするのか、メモメモ。」
そのメモは必要あるのか?と、思うが、ビールが旨いので、いいや。
「こいつがサボテンクンのサボタン。特異レア種らしい。」
「通りで!獣使いでも、仲間にした例は聞いた事無いな。」
「目撃例もありませんしね。」
「強いのか?」
「キュピ!!」
「アイ、通訳してやれよ。」
「うむ。お前達より強い。だそうだ。」
グビッとビールを煽る。
「ううう。どうせ僕は影が薄いですよ。」
「ピンキー泣くな。で、サボッてたんだろ?」
「違うわ!ちょっと調べてたよ!」
「何を調べていたんですか?ピンクさん?」
「ぐわ!どうせ僕はこんな扱いだよ!」
やけ酒の飲むかのように、ビールを一気に飲み干した。
「アレックス!お前こそ何してたんだよ?どうせデートでもしてたんだろ?二人供美人だしな!羨ましい!糞!マスター!ビールおかわり!」
「デート何かしてねぇし!闘技場の大会に出てたんだよ。」
「闘技場デートかよ!リア充か!ああ!僕もモテたいなぁ!」
「まぁ、まあ、ピンクさんもモテ期が来ますって!」
漆黒のリーダー、ロイに諭される。名前も微妙に間違っているし、それでいいのかピンキー?
「でも、冒険者って、出会い無いですよね。」
「たよね。どこから見つけてくるんだ?女の湧き水でもあるんじゃね?」
「そんなのある訳ねーだろ!あはは。」
「冒険者になる女性は少ないですからね。」
「ミリアはどうして冒険者になったんだ?」
僧侶の格好をしたミリアは、苦笑しながら答えない。
「言いたく無い事は、誰でもあるモンだ。」
ミリアに助け船を出すと、ニッコリと微笑まれる。
「ユリさんはどうして冒険者に?」
「アレックスさんに嫁ぐ事になったんで、一緒にいるんです。」
顔を赤らめ、頬に手を当てる。くねくね動くのはいつもの恒例だ。
「それは羨ましい!で、出会いは?」
「私、冒険者ギルドの受付嬢だったんです。毎日毎日、アレックスさんが、私を口説きに来るんですよ。何度も何度も断っていたんですが、愛してると言われてもう!!」
かなり着色されている。毎日クエストを受けに行って、会話したが、口説いてはいない。愛してるなんて恥ずかしくて、そんなの言えないわ!
「おい!ダンテ!ピンク!今から冒険者ギルドの受付嬢に突撃だ!」
「「おーー!!」」
ロイ、ダンテ、ピンキーは立ち上がり、冒険者ギルドに向かった!
「おーい、ここの受付嬢は、確か46歳既婚者子持ちだけど、いいのか?」
「お痛がすぎるな!あはは!」
「やっぱり!ノリで付いて行っただけですよ!はは。」
「全く!情けないぞ。そういう事は早く言っておけ!アレックス!!」
ミリアさんが、汚物を見る目で見ている。お前ら早く気付けよ。そして、何度もここの受付嬢に会ってるだろ!クエスト受けてるんだからよ!
何事も無く会話を続けるこいつらこそ勇者だな。僕はビールを飲み干した。
「マスター!ビールおかわり!」
「闘技場で一体何してたんだ?」
「だから、大会に出て優勝したんだよ。今は祝勝会と残念会兼用の飲み会だ!」
「残念会?」
「決勝戦を争った相手だよ。」
「対人戦の方なら、こんなフレンドリーにはならないのなぁ。」
「あっちは殺伐としているからね。高レベルだし、プライドが高い。」
モンスター討伐は、
パーティーメンバー3人、レベル制限30。
対人戦は、
ソロ。レベル制限無限。
モンスター討伐に、レベル50以上の冒険者が出場すれぱ、余裕で倒してしまう。これを防ぐ為に、制限を設けるのだ。高レベルのモンスターの捕獲も、大変だろう。ほいほいと捕まえられる難易度ではない。
「明日が対人戦の本番だよな!」
「誰に賭ける?」
「そういやオッズ出てたよな?」
「私は1点買いよ!」
「僕達も少し買って楽しもうか?」
「それがいいです!」
「我は大穴1点買いだ!あっはっは!」
対人戦楽しみだ。金額には制限かけておかないとな。主にアイにだが。僕はそっと財布の紐を縛った。




