94話 闘技場の決勝戦で戦おう2。
ドラゴンが飛空状態から、突進してくる!
このままでは、漆黒のメンバーは間違い無く死ぬ!
ドガアン!!
間髪、間に合いアイが盾で防ぐ。
が、アイは壁まで吹き飛ばされ、ドン!とぶつかった。アイは「ぐはぁ!」と声を漏らす。
「乱れ千本桜!!」
ユリさんの無数に放たれた矢が、グリーンドラゴンに向かう!が、簡単に空中旋回でかわされた。空中の的に当てるのは、至難の技だ。動くし、風や、重力も計算しなくてはならない。空間把握能力に長けていなくては、カスらせる処か、あらぬ方向へ放つ事になる。
闘技場関係者達が慌てて対処するが、飛んでいるのだ。簡単には拘束出来ない。唯一の救いは、結界が張ってあり、観客に被害が及ばない事だ。
しかし、この運営大丈夫か?普通、ドラゴンの対処法くらいマニュアル作っておくだろ!不足の事態が起こっているのに!そう考えながら、僕も漆黒のメンバーの前に立つ。
ドラゴンは大きく息を吸い込む!
ヤバい!ドラゴンブレスがくるぞ!後ろを振り返ると、まだ漆黒のメンバー達は、横たわっている!盾にならなければ、助けに来た意味がなくなるぞ!
僕は落ち着いて、アイスクールとコールドプラムを鞄から取り出し、アイに投げ渡す。
ガジッ!ゴクゴク!素早く食べ飲み込む!効果が切れてかかっていたバフが復活する。冷気のようなオーラが僕を包む。
ホバーリングしながら、ドラゴンは炎を吐く!
ブオオオオオオオ!!!!
アイと僕は炎に包まれる!!
「ぐあああ!!」「ぐうう!!」
バフの効果で、何とか持ちこたえる。
が、絶望はそこやってきた。ドラゴンがまた大きく息を吸い込んでいる!!ヤバい!連続ブレスだと!?反則じゃないか!!
「ストライクイーグルショット!!」
光のスピードで、ドラゴンの顎を穿つ!!
放たれた瞬間、もう目で捕らえられなかった。ドラゴンは、そのまま空中から落下する!
ドッシーーーーーン!!!!!!
落下ダメージで、ドラゴンは瀕死だ。だが、最後の力を振り絞り、ドラゴンブレスを吐こうとしている!
「痺れろ!雷撃!」「雷撃!!」
ズガガーン!!!
雷撃の着弾は、ほぼ同時だった!
首を持ち上げ、最後の叫び声を放ち、ドッシーンと倒れた。僕は腰を落とした。顔や首、腕や体のあちこちが火傷で痛みが走る。アイが僕に近寄ってきた。
「アレックス!顔が真っ黒だぞ!」
「アイ!お前こそな!」
二人であっはっは!と笑いあった。ユリさんが僕に抱きつく。
「とりあえず優勝だな!」
「はい!」
ユリさんは涙を溜めて、そう頷いた。
その後で、闘技場の担当から謝罪があった。傷の手当てをして貰い、漆黒を助けたお礼を言われた。
「発表は明日の対人戦が終わったら、同時にさせて頂きます。報酬はその後、受け渡しという事で。では、私の方からはこれで。」
「分かりました。」
立ち去ると、漆黒のメンバーと僕のパーティーのみとなった。
「まずは、ありがとうございます!僕は、漆黒のリーダー、ロイです。こいつがダンテ、ミリア、だ。」
「いえいえ、僕は、勇者御一行のリーダー、アレックスです。ユリさんと、えーと、勇者アイです。」
「ほう!勇者パーティーか!これは羨ましいですな!」
「アレックスも勇者だな!」
「なっなんと!?二人も勇者が!?もしや、そちらのお嬢さんも?」
「いえいえ、私は違います。」
照れながら、僕の後ろに隠れる。お嬢さんが効いたのだろう。野暮な事は言うまい。
「勇者の事は極秘なので、あまり聞かれても困ります。」
「そうか、そうだな。国家機密違反になるか、失礼。
僕達はこれから飲みに行くが、そちらもどうかな?」
「我は行くぞ!!」
「おい、ちょっと待て。ピンキー探しに行かないとな。」
「放っておけば良いだろ?アレックス!!我は飲みたいぞ!」
「じゃあ、アイだけ行ってこい!ユリさん、探しに行きましょう。すまないね、ロイさん。」
「はい!」
ガジッ!
アイが僕の肩を掴み、ひき止める。
「ピンキーは我に任せろ!サボタンに連絡すれば探す手間は不要だ。」
「そんな便利な事出来るのか。じゃあ、頼む。
ロイさん、事情が変わりましたので、お供させてもらっても?」
「ははは。いいですよ。大勢の方が楽しいですからね!こちらとしても、勇者様とお話出来るのは光栄ですからね。」
「勇者何てたいしたモンじゃないですよ。」
「また、ご謙遜を!」
こうして、漆黒のメンバーと、飲み屋へ行く事になった。




