85話 揉め事を解決しよう4。
「アレックス教えてくれ!何故勇者になれたんだ?教えてくれたら、チューしてやるぞ?」
タコさん口のアイが質問してくる。
少しだけ、遡る。
「シスターエンヌ!転職お願いします!」
「あらまぁ、で、ご用件は?」
「職業を変えたいんです!転職させて下さい!」
この人、かなりおっとりした性格だな。こっちは急いでいるのに!
タカシを言いくるめるには、僕が勇者で怪我をさせたと認識させる事が大事だ。レベル50を越える相手を、倒す方法が無い。ギルドに話しても、信憑性に欠けるだろう。ギルドとの付き合いも、タカシの方が長い。駆け出しの冒険と、上級冒険、どちらを信用するか?と聞かれれば、間違い無く後者だ。
確信は無い。が、勇者には転職出来ると思う。何となくそう思うからだ。勇者への転職方法は、今の所発見されていない。神からの神託以外無いと認識されている。
アイとタカシが揉めれば、間違い無く殺し会いになるだろう。だから、僕は賭けた。例え1%の確率だったとしても。
「では、いきますよぉ。それ。」
眩しい光が、僕を包み込む。
「では、選択一覧を作成しますよぉ。」
戦士、空手家、シーフ、・・・・ほぼ、全ての職業が浮かび上がる。最後に、勇者と魔王の文字が出た!
な、何んだと!?ま、魔王に転職出来るのか!?
シスターエンヌは、険しい表情に変わった。
「あ、あ、あな、あな、たは、い、っ、た、い?」
声が震える。激しい同様で声にならないようだ。
考えろ!考えるんだ!そういや調べるがあったな!
特技 調べる発動!
「魔王と勇者の転職条件は?」
『勇者は遊び人レベル20以上で解放。それにプラス悪意のある行為により、死にかけるが魔王の解放条件。以上。』
「シスターエンヌ!よく聞いて下さい!僕は勇者になりたいんです!魔王にはなりません!」
「・・・。」
特技 調べる発動!
「シスターエンヌに、納得出来る説明を!」
『勇者を選択すれば、魔王は削除される。以上。』
「つまり、魔王を選択すると?」
『勇者が削除。以上。』
「やっぱり、アレックスさんは、拘束する必要がありますね!」
「ちょっと待った!待って下さい!あのですね!勇者を選択すると、魔王は削除されます!」
「つまり?」
「もう二度と魔王は選択出来ません!」
「はぁ、安心しました。では、素早く勇者に転職して貰いましょう!」
危なかった!調べるの声は、僕の心に響く。シスターエンヌには聞こえないのだ。危うく、捕まる所だったな。
こうして、僕は勇者レベル1に転職した。
「シスターエンヌ、この事は、絶対秘密ですよ!」
「え!?何故!?これは国家反逆罪適用されますよ!」
「公表すれば、僕ら2人は間違い無く殺されます!で、無くても、追われる身か、監禁ですね!」
「ふぇえ!?」
魔王が増産出来るのだ。こんな危ない事は無い。知っている人間は、殺されるのがセオリーだろう。
とまぁ、こういう事で、僕は勇者になれた。
「神の神託が降ったんだ。」
ま、嘘付くけどね。
「そうか!では!魔王討伐に今直ぐ行くぞ!」
「ちょっと待て!それは無理!」
「何故だ!?どうしてだ!?」
「僕はレベル1だよ?」
「な、何んだと!?レベル25では無いのか!?」
誰か教えてやってくれ!転職したら、レベル1になる事を!
レジェンドパーティーのタカシだが、仲間と共に逃げた。僕達は、冒険者ギルドに連絡し、レジェンドパーティーのメンバーは、お尋ね者となる。あいつらは、強制で盗賊に職業書き換えだがな。高レベルの盗賊誕生!もう二度と出会いたく無い。




