81話 緊急クエストをこなそう3。
目が覚めた。うう、頭痛がする!吐き気もある。そういえば、デススコーピオンの大暴れに巻き込まれたんだ。皆は大丈夫なのだろうか?ん?ここはベッドの上か。ふと、横を眺めると、アイはベッドに寄りかかって、寝ていた。
ここは、どこだろう?あ、見覚えがある。宿屋の部屋だ。て、事は、もう緊急クエストは終わったのだろうか?
僕は、アイの頭を撫でながら、考えていた。
こいつ寝ている時は、こんなに可愛いのになぁ。
「ふああぅ。」
目を擦りながら、アイは背伸びをし、大きくアクビをした。そして、僕が目を覚ました事を知る。
「アレックス!良かった!良かったぞ!」
うるうると涙を目に溜める。
ガチャリ、扉が開く音だ。ユリさんが入って来た。
ガッシャーン!手に持っていたトレイを、盛大に落とす。
そして、僕に抱きついた!柔らかい感触が、僕を包む。ああ、いい匂いだ!く!おっぱい揉みそう!手をわなわなさせながら、必死に耐えそっと背中を抱く。
「うわあああん!!ええん!よがっだ!!」
ユリさんは泣きながら、頬を擦り付けてくる。僕は死ななくて良かったと思う。この人達をもっと、悲しませる事になっただろうから。あの事をふと思い出す。
レジェンドパーティーの悪事を。
モンスターを使ったMPKだ。わざと、デススコーピオンを殺したい相手に近付ける。範囲攻撃を誘発し、相手を巻き添えにするのだ。
余程、ヘイト管理が上手くないと出来ない芸当である。相手に気付かれないように、誘導する必要もあるから、常習犯でなければ無理だろう。しかも、今回のモンスターはHNM、超が付く程の難易度だからだ。
この事は、誰にも言わないでおこう。アイやユリさんが、レジェンドパーティーに絡みかねないからだ。秘密にして、僕は墓場まで持っていくと決めた。
で、そろそろユリさん離れて欲しい。息子が元気になっちゃったんで!なんて言えない。胸の感触を、生涯忘れまい!と誓い、ユリさんの肩を持ち離した。よく見ると、目が真っ赤に腫れているのが分かる。
見とれていたら、その隙にキスされた!
「ん?!んんん!」
僕はファーストキスを奪われた!ユリさんの唇はとても柔らかく、心地良かった。
後日知ったのだが、先にアイに奪われていたらしい。口移しで飲ませた時に、だそうだ。 それはノーカンだから!とは言うまい。
時間が止まった、と思うくらいの時間が過ぎた。唇と唇が離れて、お互いの目と目が合う。ユリさんは、俯き顔を真っ赤にさせた。
「アレックスさん・・・アレが元気になってます。」
「え!?」
息子が活性化しているのがバレた!うわ!恥ずかしい!僕も顔を真っ赤にした。それを見ていたアイが言う。
「ユリ!狡いぞ!我もアレックスとキスしたいぞ!」
口をタコのようにして、向かってきた!僕は慌てて、仰け反る!ドカン!アイは顔を壁に打ち付けた!
「ううう!アレックスのアホゥ!!」
タコさん口は美人でも台無しだ!もっとスマートだったら、拒否しなかっただろう。
ぐぅぅ!僕のお腹が鳴った。そういえばお腹空いたな。
「所で、デススコーピオンはもう倒された?」
「3日前に倒されました。」
「3日!?じゃあ、僕は3日も寝てたのか?」
「うむ。我は心配したぞ!」
「私もです。でも良かった。こうしてお話出来るから。」
「心配かけて、ごめんよ。」
「お腹空いてますよね?何か食べますか?」
「お願い。」
ユリさんは、懐から包丁を取り出した。どうやって収納しているんだ!?胸が当たっていた時には、固い物は無かったぞ!!あ、息子は固くなってたかもだが。
リンゴの皮を剥いて貰い、それを食べた。いや、あーん、と食べさせて貰ったが正しい。
先程、食料の買い出しから戻ったピンキーが、羨ましそうにこちらを見る。
「僕も食べたいな!あーん!」
「キュピ!」
すかさず、サボタンが針10本を発動!
「ぐぎゃあ!あべし!」
見事命中する!流石、サボタン!容赦無いな。
僕もちゃんとフォローしてやらないとな!
「ピンキー!針回収しとけよ!」




