表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジー クエスト  作者: ハロ
6章 危機
82/195

80話 緊急クエストをこなそう2。

「アレックス!しっかりしろ!」

アイの叫び声が響く。アレックスを抱き寄せ、肩を震わせた。そこへユリが近寄ってくる。


「!?」

両手を口に当て、声にならない声を出した。全身をガタガタ震わせ、包丁を握りしめた。涙を流し、手は震える。


「あわ、わ、私も、す、直ぐ、直ぐに、行くから、ね?」

ユリは包丁を首に向け、かっ切ろうとしていた。


「ユリ!アレックスはまだ死んでない!何をしているんだ!やるべき事があるだろ!」

「やる、べき、こと?」

「アレックスを今すぐ殺したいのか!治療が最優先だろ!ユリ!今何をすべきか考えるんだ!止血するぞ!」

「ああああ!!うああああ!」

包丁をカラーンと地面へ落とした。


その時、ピンキーが駆けつける。

「おい!こんな所に居たらデススコーピオンの攻撃に巻き込まれるぞ!て、アレックス!?うわ!」

「ピンキー!何とかしろ!」

アレックスがいつも言う言葉だ。とりあえず、血液を補わなければ!

「わ、わ、わ。僕には無理だよ。ど、どうしよう?」

「やる前から無理だと言うな!くそ!ううう!!ピンキー!確か僧侶レベル20だな?」

「うん、そうだけど、何とかなるの?」

「ハイヒールだ!ハイヒールを使え!早くしろぉ!」

「わ、や、やってみる!」


特技は、転職しても使える。ピンキーは僧侶レベル20。ハイヒールも勿論使える。

「大地の精霊達よ!アレックスを癒したまえ!ハイヒール!」

アレックスは、緑色の優しい光に包まれる。

「とりあえず傷は治った。でも、HPは回復しないよ?どうするんだ?」


この世界は、HPの回復手段が少ない。寝る以外の回復方法が無いからだ。ナイトなら、特性の自動HP回復で、少し少しづつだが、回復出来る。が、アレックスは、遊び人。回復出来る見込みは無い。アイテムも、超レアアイテムの世界樹の雫と、これを持つ冒険者は、いない。


HPは辛うじて1残っている。だが、カスっただけで、死ぬだろう。

近くには、デススコーピオンがいるから、大暴れがくれば間違いなく死だ。無論、ユリやサボタン、ピンキーも死ぬかもしれない。


アイは考える。血液が足りない。ほっておけば、アレックスは間違いなく死ぬ。デススコーピオンが近くにいるから、大暴れで巻き添えを食らうかもしれない。

血液補給が先か?避難が先か?一刻を争う。


「ええい!ユリ!血液回復剤と血液増量薬を出せ!」

「うん!分かった!」

ユリは素早くそれらを用意した。


「アレックス!さあ!飲め!」

アイは、アレックスの口に血液増量薬を含ませる。が、全く飲む気配が無い。これでは錠剤も飲めないだろう。

アイは迷わなかった。錠剤と液体薬を口に含む。アレックスに口移しをしたのだ。

柔らかい唇の感触、注がれれ喉をゴクゴク鳴らす。何度も何度も繰り返し、アイはアレックスに口移しで飲ませた。


「とりあえず、アレックスを守りながら、ここを突破する!」

「「了解!」」「キュピ!」

アイは、アレックスを担ぎ上げ、背負う。ピンキーは、アレックスに攻撃が当たらないように、盾を構え、被弾を防ぐ。

ユリは、何とか付いてくるのがやっとだった。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ、ここまでくれば大丈夫だろう。」

「ぜー、はー、ふぅ!はー!アレックスは大丈夫か?生きてるか?」

「意識はまだ無いが、HPは0にはなってない。」

「うわああああん!!あああん!!」

ユリは泣いた。大声で泣いた。


気絶でも、寝ている判定となるので、HPは少しだけ回復していた。HP残り3、レッドゾーンだが、アレックスは大丈夫だろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ