67話 砂漠の町に行こう。
亡くなった二人の男を、その場に埋葬する。
遺品は、砂漠の町へ行き、遺族に引き渡すつもりだ。
身元が判らない場合は、貰ってしまっても構わない。そんな暗黙のルールも有る。
「助けて頂き、ありがとうございます。」
人質に取られていた女の子は、ルナ17歳。僕よりも1つ年下だ。職業は、聞いてもいないのに、商人と名乗る。ルナは話好きなのか、商人魂なのかよく分からん。
「砂漠の町まで、乗って行きなよ。」
「いいんですか!お願いします!」
ルナを乗せて、砂漠の町へ行く事にした。
山賊だが、こいつらも連れて行く。何故なら、このまま逃がしたら、また悪事を働くからだ。牢獄にぶち込み、裁きを受けさせる。そうしなければ、亡くなった二人も浮かばれないだろう。
「アレックス!山賊は我に任せよ!」
「えー、ん、分かった。」
面倒なので、アイに一任する。勇者は力も強いし、まぁ、何とかなるだろう。
山賊達は、縄で縛り上げ、歩く事くらいしか出来ない。7本を1つにまとめ、アイが手綱を引く。
暫く進むと、山賊達が騒ぎ出す。
「姉御!チビりそうだ!トイレに行かせてくれ!」
「俺もだ!漏れそう!」
「アレックス!止まってくれ!休憩だ!」
縄を外す事は出来ない。だから、ズボンを僕と、ピンキーで降ろす。
「ぐあ!臭っせえ!」
「へへへ。すまねぇ、ダンナ!」
「おい!かかったじゃないか!」
ピンキーは本当にどんくさいヤツだな。
全員トイレを済ませる。
喉が渇いただの、疲れただの言うが、そんなのは無視だ。
要望を聞いていたら、夜どころか、到着は朝になってしまう。もう少しだから、野宿は避けたい。
何やらひそひそ話をしているのが、聞こえる。
「このままじゃ、牢獄確定だ。逃げよう。」
「でも、どうやって?」
「何でもいいから、気を引くんだ。その間に、全員違う方向へ逃げろ。そうすれば、集中力の無くなって、手元も緩むハズだ。」
「気を引く役目は、お前に任せるぞ!」
山賊Aは、意を決して叫ぶ!
「うあ!ド、ドラゴンだ!空を飛んでいるぞ!」
そんなバカな。ここは砂漠だぞ。いるのはサソリ。ここに来る訳が無い。こんなのに騙される奴何て居ない!
「な!何だと!?どこだ!どこにいる?」
上空を探し回る。
アホがここにいたー!んな事で騙されるな!
「今だ!」
山賊達は、一斉に違う方向へ逃げる!
「上手く行ったな!」「やったー!」
が、アイは、手元の縄をクイッと引っ張る!
ピンと張られた縄は、山賊達に食い込みその場に寝そべる事になった!
「騙したな!」
アイは怒っていた!珍しいな。怒るの。
「ドラゴン退治出来ると思ったじゃないか!」
怒るとこそこ?ちょ、あれだよ。うーん。まぁ、いいか。
ザザザザーー!!
アイは怒って、倒れたままの山賊達を引きずった。
「ぎゃあ!痛い!痛い!」
「血が!血が出てます!」
「唾でも付けておけ!」
かなり御立腹だ。山賊達もタフだな。かなり引きづられたのに、もう立ち上がっているぞ。傷だらけだが、それは自業自得ってヤツだな。
とりあえず夕方頃に、砂漠の町に着いた。




