野宿しよう。61話
「ほう!そんな面白い事があったのか!我も起こしてくれれば良かったのに!」
アイが僕を睨む。こいつに睨まれるのは、初めてじゃないか?珍しいな。
「何度も何度も起こしたよ。」
僕は、はぁ、と溜め息を付く。
「そうか!気が付かなかったぞ!すまないな!」
「ちょっと滲みますよ?」
ユリさんが手当てしてくれている。
「く!染みるぅ。」
「男の子、でしょ。我慢しなさい。」
上目遣いで、こちらを凝視するとは狡いぞ。
僕は顔を赤らめた。
アイが隣に座り、怪我の具合を見る。
「唾を付けとけば治るぞ!」
そう言うと、僕の人差し指をくわえる。
チュパチュパ。
「これで良し!あっはっは!」
ユリさんが肩を震わせる。殺意のオーラを発するのか?不味い!僕もあのオーラに殺られる!
と、思っていたら、ユリさんは、僕の腕の傷を舐めた。
ペロッペロッ。
「うふふ!こんな治療方法が合ったとは!」
体の傷は治りませんよ?でも、心はとっても癒されます。はい。
「ユリさん、すいませんが、解体お願いしても良いですか?」
「いいわよ。これがそう、ね。」
「僕達で、朝ごはんの用意します。では。」
僕は、フランスパンの表面を焼く事にした。硬いパンは好きじゃない。カリカリにすると、食感が良くなるからだ。ピンキーは、ベーコンと目玉焼き。アイは、食器担当となる。
アイに以前料理させたら、消し炭を食わされた。どうやったら、そうなるのだろう?初心者だから、卵焼きを作らせたのがダメだったのか?
初心者といえば、ピンキーも料理下手だった。しかし、冒険者には必要スキル。失敗はしたが、何とか出来る様になった。アイは何度トライしてもダメだがな。
朝ごはんを用意出来た頃、ユリさんが戻って来た。
「ソードタイガーの牙2本と、肉、皮に分けたよ。骨は、使い道が無いから、捨てちゃう?」
「あ、骨もいります。スープのダシに使うので。後で、綺麗に洗いますね。それと解体ありがとう。」
「うふふ。」
こうしていると、メッチャ可愛いんだがな。あの性格さえなければ!
馬に人参、キャベツ、藁を食べさせ、進む事にした。
もうちょい行けば、湖があるんだよね。あそこで久し振りの水浴びだ!




