港町を観光しよう。55話
「折角だし、観光に行こう!」
「我は、屋台を見回りたいぞ!」
「僕は、高台を見に行きたいな!」
「わ、私は、解体作業を手伝いに行きます!」
「そろそろ指輪が欲しいなぁ。うふふ。」
それぞれの思惑もあるが、まぁ、束の間の休息だ。
素材の解体作業を、今週断られたのだ。レベル上げは出来ても、素材が勿体ない!
暫くは、滞在する予定だ。コカトリスの肉は燻製に。ビックトードの肉は、塩麹に浸けて保存と、その加工待ちなのだ。
「ナナさん、すいませんが、お願いしますね。」
「いえいえ、雇われておりますから。」
「じゃあ、どうするか決めるぞ!」
「私は、アレックスさんと一緒に行きたいな!」
ユリさんは、僕に抱きつく。あの性格さえなければ、残念だ!柔らかさと匂いを堪能する。
「では、我もアレックスと同行しよう!」
何故か僕に抱きつく。両手に花とはこの事なのか?
「ああん!?この泥棒猫が!無い胸押し付けてんじゃねーぞ!?」
「胸はあるぞ!」
シャツの胸元を引っ張り、覗きこむ。うわ!おっぱいが、見えそう!チラチラ先っぽが!うう!
ガシッ!突然、頬を鷲掴みにされる。
「どーこーみーてーるーの?アレックスさん?」
吐息が冷たい!目がビーム放ちそうな勢いだ!
「時間も無くなるし、早く行こう!」
僕は、そう言って立ち上がった。
「あのー、僕はどうすればいいの?高台行きたいんだけど。」
「・・・・全員で行くか。」
二組に別れるという選択肢は無かった。
海の近くなので、屋台は魚介類が多い。海にも、モンスターは沸く。だから、獲物は豊富に取れる。漁業は盛んに行われ、港に一斉に集まるのだ。
「アレックス!これは何だ?旨そうだぞ!」
「それは、大サザエだな。こっちが、大アワビだ。オヤジ!大サザエ4つ!」
「あいよ!4つで4000円だ!」
「ちょっと負けてよ。」
「女連れで値切るのかい!あんちゃん、懐の深い所を見せる時だぞ!うーん、じゃあもう1つオマケだ!」
「よっし!買った!」
僕は、4000円払い大サザエを5つ受け取った。
大サザエは、もう焼いてあるので、とても熱い。長めのピックで突き、サザエをほじくり出す。湯気が立ち、磯の香りが食欲をそそる。
僕は、ワタが苦手だ。だから、そこだけ外して食べる。大きいから、食べごたえが抜群に良い。プリプリとした歯応えに、醤油と磯の香りが混ざる。鼻を抜ける香りが、とても心地よい。
「ぶっ!」
アイを見ると、口からワタが出ていた。モグモグする度に、ワタの先っぽが揺れる。
「汚い食べ方だな!もっと、女の子らしく食べろ。」
「ほんあほといふへほ、はへふれろ!」
「なに言ってるか分かんねぇ!食べきってから喋ろうな。」
コクコクと頷く。
ユリさんは、僕をジーっと見ている。何か話してくれよ。
「わ、ワタ、食べる?」
顔がパァっとなり、手を組んで喜ぶ。ワタがそんなに好きなのか?なら、いくらでもやるぞ。
「アレックス!早く食べて、高台に行こうよ!」
「そう急かすな。焦らなくても、高台は逃げないぞ。」
「ううう、先に行ってるから、絶対来いよ!」
こいつ何故かテンション高いな。アホは高い所が好きなのか?と、アイを見る。
「何だ?アレックス!我に見とれていたのか?」
「いえいえ、滅相もございません。口が汚れているから、ちゃんと拭けよ。」
「そうか!あっはっは!」
そう笑って、口を袖で拭う。お前ちゃんと洗えよ。
「もう1つあるけど、どうするのだ?」
「これは食べない。カニを釣るんだよ。」
「ほう!それは餌なのだな!」
「それって、伝説のカニの事ですか?」
「何だと!?それはやらねばなるまい!」
「まぁ、とりあえずこの海鮮丼でも食べて落ち着け。」
僕達は、カニを釣る為に、現地へ向かった。




