パーティーメンバーを雇おう。54話
シュン!バス!
ヒュン!ガシッ!グリ!
「秘技!昇龍斬!」
ブッシュワー!
「ゲコー!」
この間、約10秒である。
説明しよう。
まず、包丁を投げる。高速で駆けつけ、包丁を素早く握り、180度回転させたら、包丁の刃が上を向く。そのまま、天高くまで飛び、体を一回転させて着地する。
回転した風圧で、モンスターの血等は、服に付着しない。更に、着地するまでに、次の獲物へロックオン。
あの、狩人ですよね?アサシン、いや、忍者レベルの動きですが?
「あーっはっはっは!」
シュン!シュン!シュン!
負けじと、ビックトードを乱獲する勇者。
「うわわわわわ!た、助けてくれ!」
情けない声を出すバトルマスター。
「ひゃあ!捌ききれない!何て量なのよ!?ぎゃああ!山に押し潰されるぅ!!」
解体処理に必死な料理人。
血抜きと、簡単な雑処理をして、解体屋へ持って行くのだ。
「ピンキー!お前!何やってるんだ!ドンクサイ奴だなぁ!」
駆けつけると、ビックトード4匹に押し潰されていた。そんなに蛙好きなのか?
とりあえず蹴飛ばし、ビックトードを払い除ける。
アイさんが、ガードする時の様に手をクロスさせる。手のひらが、開いた瞬間!4本のナイフが!両手で合計8本だ。
それをビックトード目掛け、払う。
「秘技!千本桜!」
ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!
全弾命中!しかも、全部違うビックトードに、だ。
見事だけど、千本桜では無く、乱れ投げが正解だと思う。大体、8本しか投げてないし。
「102チェーンか!まずまずだな!」
「ビックトードの足は、ささみに近いからな!梅ダレで、串焼きにすれば絶品!ナナ!今日は、串焼きパーティーを頼むぞ!」
「そんなの無理ですー。うえーん。半分も終わらないよぉ!」
「私が手伝いますよ?」
シュパーン!ザクザク!ドバー!
動線が、見事としか言い様が無い。ナナさんに対し、無駄な動きが何一つ無い。
「ナナさん、手伝いますよ。」
僕は、ナナさんに近づこうとする。
ドビュン!!!!
頬をナイフが、掠める。血がツーっと垂れた。
飛んできた方向を見ると、ユリさんが投てきしたフォームで、こちらを伺っている。目が怖ぇ!
僕はUターンを高速で行い、ユリさんの方へ行った。
「て、手伝いますよ!あははは。」
「え?いいの?素敵!」
顔を朱色に染め、頬に手を当てる。
「あら?こんな所に血が!誰がこんな酷い事を!」
ハンカチを取り出し、拭いてくれた。これ貴女がやった傷ですよ?
冒険者ギルドの職員達に、運搬をお願いしていたので、素材運びは楽に終わった。
さて、バーベキューだ!
必要な量だけ、ビックトードの肉を置いといてもらう。野菜は予め買っておいた。無論ビールもだ。買わないと、約1名が煩い。
ドデカイ岩盤を加熱する。料理人の特技 加熱は便利だ。
油をひき、肉、玉ねぎ、ピーマン、茄子を串に刺し投入する。そして、塩、胡椒を振り掛ける。いい匂いが辺りを漂う。ひっくり返し、じっくり火を通す。
「ユリさんの投てきの腕前凄いよね!」
「そんな事無いですよ!」
焼けるまで、とりあえずビールを飲み、会話で待つと言った具合だ。
「このビール!冷えてるじゃないか!旨いぞ!」
グビグビ飲む勇者。
「えへへ。料理人の冷やすって特技があるんですよ!」
「ユリさんいいなぁ、私、まだ冷やすを覚えて無いんですよ。羨ましい。」
「レベル20くらいで覚えるよ。」
「が、頑張ります!」
ビールを飲み干すと、ユリさんが注いでくれた。
「ありがと。それにしても、あの動き凄いね。忍者並みだよ。」
「そんな事無いですよぉ。」
ユリさんは、嬉しくてくねくねしている。
「もういいか?食えるのか?」
「もうちょっとですねぇ。」
「くぅ!我は腹が空いたのだ!」
「生野菜でも食っておけ!」
キャベツを放り投げると、丸ごとかじり出した!女捨ててるのね。
串焼きを再度ひっくり返す。
「もう少しの辛抱ですからね?」
「分かった!モグモグ!頼んだ、モグモグ、ぞ!」
食べるか、話すか、どちらかにしろ!
5分後、
「焼けましたよ!アイさん!どうぞ!」
気を利かせて、ナナさんは、アイに串焼きを手渡す。
「おお!旨そうだ!がぶ!」
頬をリスの様に膨らませ、串焼きを平らげた。
食べるの早!両手に串焼き、ん?あいつ4本づつ、計8本持ってるぞ?!ユリさんの投てきの真似したいのだろうか?
「梅ダレはまだか!?あ!それは我の甘口ダレだぞ!」
「おい、アイの名前書いてあるのか?」
「むぐぐぐ!!」
「ピンキー、お前も食べろ!ほれ!」
「蛙は苦手なんだよな。」
「好き嫌いしちゃダメだぞ?」
「んじゃあ、がぶ!・・・・・ぎょええええ!!!辛いぃぃぃぃいいいい!!!み、水!水を!」
ピンキーのは、ハバネロダレだ。うひひひ。口から火を吐くとは、面白い奴だな。
と、夜が暮れていった。
その頃、また解体場所では、
「何だと!?また大量の解体依頼が!?」
「親方!休み下さい!死にます!」
「ふざけるな!この食材腐らせたら、お前の命は無いと思え!」
「ひぃい!」
「どんどん運ばれて来ます!まずいですよ。置き場がありません!」
「仮倉庫だ!まだ、あそこなら何とか収納出来る!」
「あ!トオルが逃げました!」
「この忙しい時に!それでもタマタマ付いてるんだろうが!」
「あいつ男の娘なので、セーフですか?」
「馬鹿野郎!そんなの関係ねぇ!直ぐに吸い寄せるを使え!徹夜3日確定だ!」
「アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ。」
ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!
ビックトードの皮を剥ぐ音。
「あいつら早く違う町行け!!!」
「メシウマメシウマ、メシ、ウマ。」
次の日、解体作業はもうしないと断られた。




